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出版メーカー:U社

  • SCM、リードタイム短縮・在庫削減

企業概要

出版メーカーU社は、月刊の出版物を企画・編集から印刷・発送まで行っている日本を代表する企業です。

活動の目的・ねらいと成果

 U社のサプライチェーンの特徴は、自社で企画・編集機能を保有し、協力会社のネットワークで印刷・製本・発送を行っていることです。企画から発送までのリードタイムは約6ヵ月です。さらに、月刊誌は五月雨式に各工程が進んでいくため、瞬間的には6ヵ月分の出版物が動いていることになり、進捗管理もかなり複雑になっていました。
 6ヵ月のリードタイムの間には企画の変更、編集の手戻り、追加印刷、返品などのロスが発生することから、U社は従来からリードタイム短縮に取り組んできました。しかしながら、リードタイムを短縮すると一方で各工程での納期遅れが頻発し進捗管理の手間が増加するなど、別のロスが発生し抜本的な解決につながりませんでした。
 そこでU社は、JMACに支援を依頼してきました。「出版物の品質を維持・向上させる」ことと「工程内でのロスをなくし効率化する」ことを同時に実現する改革を行いたいという依頼でした。U社の強みとして、顧客起点での徹底した企画検討と制作にあることや、サプライチェーン特性としてはものづくりを協力会社主体で行っていることなどを踏まえると、単純リードタイム短縮を行うのではなく、時間をかけるところとかけないところを明確にすることを考えました。つまり、価値を生み出す企画・編集プロセスでは仕様確定まで必要十分な時間をかけ、仕様確定以降の印刷・製本・発送プロセスをできる限り短期間で流すように考えました。
 リードタイム短縮のポイントは、工程間の同期化にありました。同期化とは、工程間で①順序、②ロットサイズ、③生産能力をそろえて、滞留なくモノを流す方式です。協力会社間で個別に立てていた生産計画を一元的に管理することで、従来3ヵ月かかっていた仕様確定以降のプロセスを2ヵ月で進められるようになりました。
 サプライチェーン改革の成功の鍵の1つは、計画の一元化です。情報を集約し迅速な意思決定を行い、効率的な運用を行うためには計画の一元化が不可欠となります。

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