人材という資産を残す! JMACのアプローチ基本構想の共有化、実践段階での具体的なフォローというJMACならではのBPR手法をすでに紹介した。飯田は、さらにJMACの特徴として人材育成をあげる。「BPRは、以後も継続的に行われるべきものです。いつ、状況が変わり、ビジネスプロセスを見直すことになるかもしれません。経営体質を変えるには、社内にBPRを実行できる人材が、どうしても必要なのです」JMACではクライアント側の人材と、ともにプロジェクトを進める形式を取る。クライアントは自然とJMACのノウハウを学びつつ、自社の課題を解決することになる。「人材という資産を残していく方針は、意識して行っていることです。副次的なものですが、これもBPR実施成果のひとつといえるでしょう」 それぞれの現場から見えてきた改革の必要性BPRと事業戦略、業務の再構築は強い関係があり、切り離せないものだ。飯田が手がけた事例には、それを痛感させたものがいくつもあるという。「ひとつは業務の効率化を依頼された案件でした。しかし、現状分析をしてみると、その背景には顧客層の変化があったのです。これまで小規模の発注が多かったところへ、大型店舗をもつ企業が進出したため、発注の規模も求められる最優先事項も変わってしまいました。古い業務システムでは対応しきれなったことが、根本原因だったのです。これまでの顧客をターゲットとするのか、それとも新しい大口の顧客をターゲットとするのか、事業戦略の確認をしました」そのクライアントは、最終的に洗い出されたビジネスチャンスを活かし、事業戦略に反映したという。 優秀な人材を発掘し活かす BPRによって競争力はまだまだ伸びるBPRの効果としてもっとも大きいもの―― それは競争力の向上だ。経営的視点をもって部門間の調整を行える、BPRを推進できる人材がどれだけ社内にいるのか? それによって競争力に違いが出る。日本企業は、これまでそうした人材を得る機会が少なかった。人材不足という問題は、根本的に解決できるのだろうか?「多くのクライアントと接した実感では、BPR改革の才能と意欲をもった若い人材は意外と多いと思います。従来は、彼らはその能力を伸ばす場所がありませんでした。若いときからやっていれば、将来的に自社のBPRを担うことは充分可能だと思いますね」 |
文化と気質の違いを超え、新たなる形に進化した日本の技術と、イタリアのコンサルティング事情もご紹介いたします。 |
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