品質保証・生産準備も参加 開発の上流で行うプラットフォーム作り「RAPIDにおいて、プラットフォームプロセスを設けることの意味はとても大きい」と塚松はいう。「過去には、種類ごとリレーのようにバトンタッチしていく工程逐次型のやり方がありました。このときに上流工程で起きた完成度の低さは、やり直すことによってカバーしていました。その後、コンカレント型という考え方が出て、現在の主流となっています。各フェーズが一部オーバーラップしている形ですね。たとえば、開発部門が企画の初期段階から入っています。上流工程に次以降の下流工程が並行して設定されているので、各工程の担当者が協力しあい、すりあわせをします。けれども、RAPID思想の工程は、従来の形をさらに進化させた形式です」RAPID革新は、ポストコンカレントとして新しい潮流を作り出すと、JMACでは捉えている。 個々のパフォーマンスを高める スマートライン&リッチスタッフへの進化企業を取巻く環境の変化に伴い、開発の現場は、『開発スピードの向上』と『人員削減』という一見相反する要請にさらされている。ライン・スタッフ体制を取っている企業では、開発業務を行うライン人員の増員と、彼らを補佐するスタッフ人員の削減という形で対応してきた。しかし、「このやり方では本質的に解決することはできない」、と塚松は考えている。「開発スピードを上げたいのにライン人数が増えれば、調整のための時間のほか、意志決定の機会も、それにかかる時間も増加してしまいます。それなのに、スタッフの人数は減っているので、ラインの負担は増えてしまうのです。このような状況は、ヘビーライン&プア・スタッフの構造に陥っているとでもいえるように思います」 長期的視野が可能にする 不可能領域からの製品開発力今後、企業は経営の舵取りをどのように行っていけばよいのか、将来の見通しと方策を求める声は多くの業界から聞こえてくる。経済環境の悪化により、そうした要望はこれからも増えていくだろう。激しい状況の変化にも強く、独創性をもった企業体質を現実にするには、どういったことが必要となるのか。どの企業も、不況に負けない企業価値を模索している。 |
文化と気質の違いを超え、新たなる形に進化した日本の技術と、イタリアのコンサルティング事情もご紹介いたします。 |
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