脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイントに関する意識調査
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- (4) 設問1ー1、1-2 のまとめと論点
• 気候のティッピングポイントを「よく知っている」⽐率は、会社員や教職員・団体職員など社
会⼈グループでは54⼈(16%)、「ある程度知っている」を加えると113⼈(33%)
であった。(P49
図8データ参照)
• 気候のティッピングポイントは、学術分野での認知度が⾼いが、企業では⾼くはない。⼤学⽣
については環境経営関連のゼミに所属している学⽣以外の認知度は低い。
• 現状で崩壊が懸念される⾃然現象を知っている数は、気候のティッピングポイントの⾔葉を知
らなければ3〜5個、多少知っていれば7〜9個程度であり、10個以上知っていれば専⾨的な
レベル。
• ⾃然現象として選択される項⽬は
〔熱帯系〕「熱帯サンゴ礁の枯死」「アマゾン熱帯⾬林の枯死」
〔極地系〕「グリーンランドの氷床崩壊」「⻄南極⼤陸の氷床崩壊」「冬の北極海氷の崩壊」
〔寒冷地系〕「北⽅永久凍⼟の崩壊」「北⽅永久凍⼟の突発的融解」「⼭岳氷河の消失」
であり、上記以外は⼤幅に認知度が低くなる。
• 16の現象の中で、現在すでに崩壊が近いと⾔われる5つの現象、①グリーンランドの氷床崩
壊、②⻄南極⼤陸の氷床崩壊、③熱帯サンゴ礁の枯死、④北⽅永久凍⼟の突発的融解、⑤ラブ
ラドル海流の崩壊(北⼤⻄洋)
では、⑤以外は選択数の上位に位置している。
論点
• 気候のティッピングポイントの認知度は高くない
→ 16の自然崩壊現象(ティッピングエレメント)は日本から距離が遠いために日常
的な実感に乏しい可能性がある。日本やアジア地域での気候のティッピングエレ
メントの設定が望まれる。そのために実際のロスやダメージにつながっている気
候変動や農業・漁業のダメージなどを利用できないか。
• 職業別に認知度の差が大きい
→ 教職員・団体職員グループで認知度は高く、会社員(サービス系)、会社員(メー
カー系)の順に低下し、さらに大学生の認知度はわずかになる。学術研究からの
アピール力を強化するために、研究者や資金の拡充が必要。 また大学生など若
い世代の推進力を向上するためにも、科学ベースによる教育プログラムを整備
して、意識向上や推進リーダーの育成をねらう。
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