MFCA導入には、部門間のクロスファンクショナルな体制が必須でもある。体制構築には、納得しうる分析結果と実績を提示し、各部門の責任者にMFCAの有効性を理解してもらう必要がある。その際、コンサルタントなどMFCA導入をサポートする側が生産現場の実態を理解していることが大きな影響を与えるという。「実現可能性が高く、わかりやすい導入計画・改善案であれば、現場の気持ちも動きやすいものです。その業界のプロが納得するだけの説得力がいるのです」
下垣は、工場など生産現場には必ず足を運ぶ。対象の業種を専門とするコンサルタントとともに視察することもある。「MFCA専門家が課題を絞り込み、各専門領域のコンサルタントが適切な改善案を検討します。JMACはモノづくりに精通したスペシャリスト集団ですから、個別に事情が異なる製造現場に対して常に最適な提案を行えるのです」

2011年を目処に、MFCAはISO14051として国際標準化される方向にある。また、サービス業や流通業などその他の分野でも適用できる。下垣は「将来的にMFCAは、基幹システムで重要な役割を果たす」と見ている。
ロス低減の先には何があるのか？JMACでは、事業全体のエネルギー・資源の効率を向上させ、カーボンオフセット、ステークホルダーとの双方向コミュニケーションまでを視野に入れた経営戦略プログラム『エコ（ECO）ひいき計画』（商標出願中）を提唱する。「真に環境に配慮した企業、事業、製品、サービスに挑戦する戦略を描いて行動すること、それが『エコ（ECO）ひいき計画』です。EcologyとEconomy、2つのエコを両立するには、長期計画のもと現実的な企業戦略が必須です。環境の取組み（エコ）でひいき（＝評価）される企業を増やすこと、それが地球環境を救うことになるのです」早すぎる概念と言われた『Eco-Ecoマネジメント』から5年、JMACは時代を先取りするビジョンを提案し続けている。