実効性の高い経営計画への3つのステップ
課題を解決できる経営計画には、高い実効性が必要だ。「JMACでは経営計画の策定までを3つのステップに分けています。1つめのステップが客観的に実態を把握し、共通認識とすること、2つめのステップが誰にでもわかりやすい戦略を決定すること、3つめのステップが具体的な活動計画の策定です。このステップによって高い実効性を可能にしていきます」さらにポイントとして、(1)明確な前提条件、(2)実現可能でかつ革新性のある目標設定、(3)すべての部門での成果の定量指標化、(4)緊急時のコンティンジェンシー・プラン(復旧計画)の4点をあげる。
特に、中西は前提条件見直しの重要性を強調する。「極論すれば、経営計画は策定した時点から陳腐化が始まっています。それは、環境変化に伴い策定時の前提条件は、時間が経つにつれ刻々と変化するからです。一度立てた経営計画はあまり変更をしないという企業もありますが、JMACでは、前提条件すなわち環境に変化があったら戦略及びその計画はリファインすべきと考えます」未来の変動要因に対し、すべてを予測し、準備することは不可能だ。だからこそ、変化があったときに影響を最小限で留めるために、前提条件の見直しは重要性を増す。現状に合った経営計画にし続けることで、高い実効性の維持が可能となる。
分厚い資料は不要 わかりやすさこそベクトル合わせの要
経営計画策定のために用意される、JMACの雛形は実にシンプルなものだ。「まず、クライアントの予備診断をします。社内の資料をはじめ、競合他社の事業展開など、内部・外部の情報を分析し、その結果を全社中期計画(マスタープラン)としてまとめます。それを受け、経営幹部自らが事業単位別に経営計画を策定していきますが、計画のアウトプットは10枚ほどのものです」分析結果を理解してもらうための資料に枚数は必要ない。明快でわかりやすいからこそ、経営トップから中堅幹部まで多くの人たちに共通理解が行き渡り、ベクトル合わせが可能となる。それが第三者からの視点もふまえた、客観的な資料であることも、理解の浸透には大きな役割を果たす。
前述したように、実際の事業別中期経営計画の策定は、経営陣や幹部自らに中期経営計画を策定してもらう。「クライアントには、自身で中期経営計画を策定する力をつけてもらいます。はじめから完成形で作ることはできないので、JMACの擁する各専門家たちが適宜サポートし、一緒にクオリティを高めます」たとえば、最初に提出される計画は、確実に実現できそうな無難なものになりやすい。内部の人間では自分たちにどこまでやれるのか、客観的に判断できないためだ。「我々は第三者なので、各部門の努力によって、この数値までなら実現できる、などと高い目標設定をアドバイスできます」この検討プロセスを経ることによって、クライアントは実現可能性がありながらも、大きな成長もふまえた経営計画が策定できることになる。
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