ビジネスインサイツ57
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毎回、革新、成長を続けている企業のトップに 経営哲学や視点についてお話しを伺います。 インタビュアー:JMAC 代表取締役社長 鈴木 亨
〜コミュニケーションと価値観共有で現場力を引き出す〜
一気通貫のチーム力で新価値を創造!
サントリープロダクツ株式会社
入 社後2年 間で ものづくりの一気通貫を経 験
鈴木:垣見社長は、大学で発酵工学を専攻されてサント リーに入社されましたが、発酵工学を学ばれたきっかけ や、入社当時の思いなどをお聞かせください。 垣見:実は私は、「柳ヶ瀬ブルース」で有名な岐阜市柳ヶ 瀬の出身で、実家は酒屋を営んでいました。お酒に囲まれ た環境で育ちましたので、自然に自分でもお酒を造ってみ たいと思うようになり、大学で発酵工学を学びました。 当時のサントリーはトリスウイスキーから、角瓶、オー ルド、ローヤルと価格帯も特色も違うウイスキーがありま した。「うまい」「安い」のキャッチフレーズで人気のト リスウイスキーを飲みながら、いつかはローヤルを飲む ぞ、といった気概が日本の社会を元気づけていたように思 います。お酒にはそういう役割があると感じていましたの で、迷うことなくサントリーを選びました。 入社後配属されたのは品質保証のセクションで、1年目 は麦芽や果汁などすべての原材料の品質規格書作成に携わ り、実際にサプライヤーの工場を訪問して品質管理の確認 も行いました。2年目はお客様からの声を受けるセクショ
ンになり、お客様のお褒めの言葉やお叱りといった生の声 を聞く機会に恵まれました。 この最初の2年間で、ものづくりの始めである原材料の 調達と、お客様が飲まれる瞬間に至るまでを考えること で、ものごとを一気通貫で見ることと体系的に考える基礎 をしっかり学んだと思います。よりよい製品を提供するた めにはどうすべきなのかを徹底的に考えたこの経験は、 後々の仕事にも非常に活きてきたと思います。
技術と技能が融合してこそ 成果につながる
鈴木:一気通貫でものごとを見ることを学び、実際のも のづくりに携わられていかれる中で、技術者としてどの ような経験をされたのでしょうか。 垣見:入社3年目でビール工場に異動になり、そこから26 年間ビールの技師としてビール製造に携わってきまし た。最初に配属されたのは京都のビール工場で、サント リーの2つ目のビール工場でした。今でも印象深いの が、当時製造の最前線にいた班長から「醸造の仕事は、 技能と技術が融合してこそ成果につながるものだ。俺は
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