ビジネスインサイツ57
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設 立:2009年4月1日 (株) が純粋持ち株会社制への移行にともない設立) (サントリー 資 本 金:10億円(1684億円) 従業員数:1,058名(19,375名) 主な事業内容: 清 涼飲料水の製造
※( )内はサントリー食品インターナショナル株式会社
サントリープロダクツ株式会社は 2009 年、サントリー 株式会社の純粋持株会社制への移行に伴い、清涼飲料水 の製造会社として設立。国内に 9 工場を持つ国内最大規 模の清涼飲料製造会社である。ビール醸造技師として豊 富な現場経験を持つ代表取締役社長の垣見氏は、現場を 信頼し、大切にしてこそ強いものづくり企業へと成長で きるとの信念を持っている。垣見氏の、現場やマネジメ ントへの想いについてお聞きした。
垣見 吉彦
技能で一番になるから、お前は技術でトップになれ」と 言われたことです。双方が支え合って強くならなければ ならないと思いましたね。技術者と技能者のチームワー クでものづくり現場を支えて行こうと決意しました。そ の一つの事例が、製造現場の衛生管理です。雑味の無い クリーンな味のビールを造るための製造現場の徹底した 衛生管理は、それを熟練の技能にだけ頼るのではなく、 科学によって最適で合理的な技術として確立する必要が 有ると考えて、洗浄工学を現場のメンバーと一緒に勉強 し、ビール工場の洗浄技術体系を確立しました。これ は、その後に装置の大型化、自動化を進めるための必須 技術となりました。次の受け手のことを考えて技術と技 能が支え合い、ともに成長しながら一気通貫でものづく りをすることの大切さを実感したのです。私にとって、 この京都工場での原体験はとても大きなものでした。
代表取締役社長
垣見:自分が本当の意味でマネージャーとしての責任を 果たせたと思ったのは、ある工場に醸造技師長として赴 任したときです。 当時、その工場ではある日常管理のトラブルが発生し ていました。この工場のメンバーは高い固有技術を持っ ていることを知っていた私は、その技術をどう生かして いこうかと考えました。そこで、一人一人が力を最大限 発揮したいと思える工場にする必要がありましたので、 全員で「どういう工場にしていきたいのか」を徹底的に 話し合いました。 こうして、「まず、社内から一番信頼される工場を作 ろう」という話になり、そのためにはどうしたらよいの かを更に話し合い、「全員が自分たちのプロセスに責任 を持つものづくりをしよう、それで信頼を取り戻そう」 との結論に至り、約1年間にわたって工場全体で 自分 たちのものづくりとは? と自らに問いかけながら苦闘 をした結果、成果を出すことができました。ものづくり 現場は全員の力で作っていくわけですから、一人一人が 力を最大限発揮するためには、お互いの志の共有、即ち コミュニケーションが何よりも大切だと感じました。 私はこれまでの経験から、ものづくり企業にとって現 場は最も大切だと思っています。現在も国内の9工場は年 に3、4回ずつ回って、現場のメンバーと直接コミュニ
Yoshihiko Kakimi
ものづくりの現場では コミュニケーションがすべての要
鈴木:工場勤務には様々な出来事があったと拝察いたし ます。マネージャーの時代に、 いいビール をつくっ ていくためご苦労されたことをお聞かせください。
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