ビジネスインサイツ60
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毎回、革新、成長を続けている企業のトップに 経営哲学や視点についてお話しを伺います。 インタビュアー:JMAC
代表取締役社長 鈴木 亨
「絶えざる開発の心」で 未知なることに挑み続ける
グローリー株式会社
〜ワンストップ・ソリューションで世界トップブランドを目指す〜
「新しいものをつくり出したい」 その思いは DNA として脈々と
鈴木:グローリーは 1918 年に創業し、あと 2 年余りで 100 周年を迎えられます。最初にグローリーが 100 年間 大切にしてきたものや DNA についてお聞かせください。 尾上:当社はもともと、電球製造装置の修理会社として 従業員 7 名でスタートしました。当初は修理仕事だけで、 経営が厳しかったため、次第に自社製品を持ちたいという 思いが強くなり、さまざまな製品の開発に挑戦する日々が 続きました。 そのような中、大きな転機が訪れました。当時の大蔵省 造幣局から「アメリカ製の硬貨計数機は大きすぎて使いづ らく、メンテナンスもしにくいから、国産のモノをつくっ て欲しい」と開発依頼を受けたのです。われわれにとって まったく未知の製品でしたが「これに挑戦すれば、自社製 品開発の新しい道が開けるのではないか」と即座に引き 受け、数ヵ月の試行錯誤の末、1950 年に国産初の硬貨計 数機を完成させました。これが通貨処理機事業へ参入する きっかけとなり、 グローリーは新たな道を歩み始めました。
その後、1953 年には民間銀行向けの硬貨計算機を開発 し、大好評を得て多くの銀行に導入されました。以降は通 貨処理機事業を柱に成長し、技術革新を続けながら自動販 売機やコインロッカー、硬貨包装機など、多くの国産初の 製品を世に送り出してきました。 この創業以来持ち続けてきた「絶えず世にない新しいも の、人の役に立つものをつくっていく」という思いは「求 める心とみんなの力」という企業理念となり、今もなお企 業風土・DNA として脈々と受け継がれています。
姫路-東京の夜道をトラックで 保守サービスの重要性を実感
鈴木:尾上社長は 1970 年の入社以来「新しいものをつ くり出す」 という企業風土の中で、 さまざまな業務に携わっ てこられたと思いますが、何かとご苦労も多かったのでは ないでしょうか。 尾上:いろんな経験をしてきましたね。中でも思い出深い のは、営業を担当していたときのことです。従来の商流に 乗らない新規市場で新製品を扱ったときのことですが、当
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