ビジネスインサイツ60
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設立:1944 年 11 月(創業:1918 年 3 月) 資本金:12,892,947,600 円 従業員数:3,262 名(2015 年 3 月 31 日現在) 主な事業内容:通貨処理機、情報処理機および通貨端末機器、 自動販売機、自動サービス機器などの開発・ 製造・販売・メンテナンス
グローリー株式会社は 1918 年(大正 7 年)に創業し、 2018 年に創業 100 周年を迎える。 「絶えざる開発の心」を 創業当時から大切に受け継ぎ、時代の要請に応える画期的な 製品を次々と世に送り出してきた。2011 年に代表取締役社 長に就任した尾上広和氏は 2012 年、英国・タラリス社を買 収し、グローバル展開に一気に加速をかけた。今回、新たな イノベーションを仕掛けた尾上氏に、100 年続くグローリー の DNA の強み、そしてグローバル展開を図るうえでの苦労 や喜び、今後の展望についてお聞きした。
尾上 広和
代表取締役社長
時は姫路からのダイレクト営業・ダイレクト保守でした。 製品は良かったのですが売るのがたいへんで、しかも製品 が故障するたびにわれわれが夜中に姫路から東京までト ラックを走らせ、修理に向かっていました。やはり、それ なりの体制を整えてからでないと物事はうまくまわってい かないな、と感じたものです。 そこから思ったのは、われわれが培ってきた販売・保守 体制の中での一番の強みは保守サービスにある、というこ とです。顧客満足度は、品質・価格も重要ですが、故障し たときにいかに早く対応するかで決まります。安心して使 えることが一番大切なのです。 そしてその後は、企画・開発・生産・販売・保守サービ スまでグループ一貫体制の構築に努めました。今ではこれ が、われわれの大きな強みとなっています。グループ内で すべてを行うため意思決定が速いのはもちろんのこと、メ ンテナンスをすることでお客様の使い勝手を知ることがで き、次の開発に生かせます。この好循環が、さらなる顧客 満足度の向上につながるのです。 われわれは「グローリーを世界のトップブランドに」と いうグループビジョンを持っていますが、顧客満足度ナン バーワンになれば世界のトップブランドになれると思って います。
世界トップブランドを目指す グローバルマネジメントの流儀
鈴木:かねてより積極的なグローバル展開を続けてきたグ ローリーですが、2012 年に貨幣処理機大手・英国タラ リス社を買収し、一気に加速をかけました。買収のねらい や、尾上社長のお考えになるグローバルマネジメントにつ いてお聞かせください。 尾上:私はこの買収で、タラリスが欧米で持つ「販売・保 守サービス網」を活用し、海外事業の成長に弾みをつけた いと考えていました。 タラリスは海外で一番の競合企業で、銀行窓口用入出金 機で世界シェア 4 割を占め、世界 22 ヵ国に直販・直メン テナンス網がありました。子会社化してからは、タラリス が他社製品を納品していたところには自社製品を入れ、製 品開発では技術交流を図りながら、それぞれの強い分野を 伸ばしてきました。現地ニーズを見極め、顧客基盤の強化 を進めた結果、 現在はお互いにシナジー効果が出ています。 しかし、グローバルでの統合というのはやはり難しいも ので、最初の 1 年間はなかなか融合できず苦労しました。
Hirokazu Onoe
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