ビジネスインサイツ62
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毎回、革新、成長を続けている企業のトップに 経営哲学や視点についてお話しを伺います。 インタビュアー:JMAC
代表取締役社長 鈴木 亨
〜マネジメントの原点は「次の一手をどう打つか」を考え続けるところにある〜
時代の変化を捉え、 既成概念を突破する
株式会社岡村製作所
自分のやりたいことができる会社 それが岡村製作所だった
鈴木:中村社長は大学の理工学部を卒業後、1973 年に 岡村製作所に入社されましたが、会社を選んだ理由や入社 当時の印象についてお聞かせください。 中村:私は理工学部で経営工学を専攻し、工場運営に関わ る生産計画や運搬工学などを学びました。卒業後はこれか ら伸びる会社、やりたいことができる会社に入りたいと 思っていましたので、この会社は面白そうだと感じた岡村 製作所に「物流の改革をやりたい」との想い から入社し ました。 新入社員のころは毎日物流センターに行って、フォーク リフトでモノを運んだり机を組み立てたりと、自分にでき ることを一生懸命やっていましたね。高度経済成長期で世 の中も会社も活気に溢れていました。創業者の社長は業務 改革が好きで、当時まだ珍しかったオンラインシステムを 1966 年に導入するなど、常に何か新しいことをやってい こうという自由な風土がありました。システムキッチンや 移動間仕切りなど、業界に先駆けて世界からいいものをい ち早く導入し、多角化に向け新規事業にも積極的に取り組 んでいて、それを面白いと感じるような個性的な人が当時
の岡村製作所にはたくさんいましたね。
わずか 27 歳で部長に。経営で 大切なことは、このとき学んだ
鈴木:中村社長は入社 5 年目、27 歳のときに設計施工管 理部長に就任されました。初めて部門を統括することに なって、どのようなことをお感じになり、またそれがその 後のマネジメントに対する考え方にどう影響したのかにつ いてお聞かせください。 中村 : 設計施工管理部では、お客様のところで製品を搬入、 組み立てをする工事の施工・管理をしていました。お客様 のところに部材を持ち込んで製品を組み立てるのですが、 自社工場から部材が入らず、作業が遅れて納期に間に合わ ないということがたびたび起こっていました。そのたびに 私は責任者としてお客様のところへ謝罪に行き、部材の手 配に奔走しました。 このときに学んだのが、 「経営は、少し先を見てプロセ ス全体を考え、 何か手を打っていかないと成長もしないし、 利益も上がらないし、顧客も失う」ということでした。売 上げの予測をして、設備投資により工場の能力をアップさ せない限り、自分がいくらお客様に謝っても解決する話で
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