ビジネスインサイツ62
- ページ: 3
- TOP Message
設立:1945 年 10 月 資本金:18,670 百万円(2016 年 3 月 31 日現在) 従業員数:2,927 名(2016 年 3 月 31 日現在) 主な事業内容:スチール家具全般、産業機械その他、商品陳列機 器その他の製造 ・ 販売、 建築業や各種セキュリティ 機器に関わる付帯工事・設計・製造・販売 など
3
株式会社岡村製作所は 1945 年(昭和 20 年) 、 「協同の工業・ 岡村製作所」として創業した。オフィス家具・商環境の店舗什 器などの開発 ・ 製造 ・ 販売を一貫して行い、そのシェアは国内トッ プである。 「座り仕事」と「立ち仕事」をひとつの机で可能にす る上下昇降デスク「スイフト」を開発し、話題となったことは記 憶に新しい。2012 年 6 月、社長に就任した中村雅行氏は 27 歳 という若さで部長に抜擢されて以降、既成概念にとらわれない発 想で数々の改革を断行してきた。今回、中村氏に当時の想いや 経営者にとって必要な視点、今後の展望についてお聞きした。
中村 雅行 氏
はなく、せっかくとった注文も全部ダメになってしまう、 と痛感したのです。 この 7 年間の経験は、その後経営企画部長としてシス テム改革を行う際に大いに役立ちました。施工現場には、 川上で起きたミス、たとえば営業の手配、工場の設計、製 品の運搬などのミスがすべて集約されます。川下側から川 上を見てきた経験から、 「全体の仕組みの中で、どこをど う変えれば会社が変わっていくのか」 「ここを成功させる ためには何をやるべきか」といったことがわかるという点 では、現場を知っているか知らないかは大きかったように 思います。 企業はこうやってトライ&エラーを重ねながら仕組みや 理想的なプロセスをつくっていくのだなと実感し、この一 連の経験は今でも社内のシステムや業務のあり方を考える ときに非常に役立っています。 ついてもあわせてお聞かせください。
代表取締役社長
中村:製品開発を担当したときは、製品を開発するという よりは開発の仕方を変えて、新たな市場をつくり出すこと に注力しました。 当社では、イスや机、キャビネットなどの製品ごとに専 門の開発担当者をつけています。今でこそお客様が使う シーンに合わせた製品の提案・提供をビジネスの主軸とし ていますが、当時は担当者ごと個別に開発していたため、 それぞれの製品のデザインや色がバラバラでした。 私が 「お 客様はイスと机を一緒に使うのに、何かおかしくないか? あわせてひとつのものをつくろうよ」と言うと、開発担当 者は「それは難しい」と消極的でした。そこで、 「予算は 私がとってくる。失敗してもいいから、君が企画して、と にかくやってみないか」と言って任せてみました。そうし て開発されたのが、 デザインや色を統一した「F シリーズ」 です。これは、1991 年に岡村製作所初の「総合型オフィ スファニチュア」として発売されました。 そして生産本部長の時代には、利益に直結する生産現場 づくりを目指しました。そのためには、現場にいる一人ひ とりの意識に働きかけることが必要ですから、 「現場の力 を全社の競争力に変える」という標語をつくり、 「現場の みなさんの 1 秒の積み重ねが最終的にその製品の原価低
Masayuki Nakamura
チャレンジの場をつく り任せる 信頼関係で生まれる成果
鈴木:経営企画部でシステム改革を行ったのち、製品開発 担当のオフィス家具部長や生産本部長と、開発や生産の現 場で改革を司るお立場となりました。具体的にはどのよう な改革に取り組まれたのでしょうか。マネジメント方法に
- ▲TOP