ビジネスインサイツ62
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上下昇降デスク 「Swift (スイフト) 」
姿勢に着目した新しいワークスタイルの提案
え、経営するうえで大切にされていることをお聞かせくだ さい。 中村:社長になる前も、次のポジションを任されるたびに 「自分にできるのか」と自問自答してきましたが、社長に なれと言われたときは一番衝撃的でした。 「わかりました」 とは言いましたが、 「本当に自分に全うできるのだろうか」 と 1 週間悩んだものです。 しかし、 「世の中にはスーパーマンなんか一人もいない のだから、自分のカラーを出すしかない」と思い、割り切 りました。社長になってからは、 「こういうことが起きた、 これはどういう尺度で、どう判断すべきか」と考え続けて いるので、毎日が勉強のようなものです。 経営というのは、会社が今まで積み重ねてきたものを、 うまく効果が出るように業務をつなげたり、仕組みを変え たりすることだと思っています。仕事は、みんながそれぞ れよくしようと思ってやっているわけですから、それらが うまくつながれば成果が出るはずですし、良い方向に行く ようにつなげていくのがマネジメントだと思っています。 そして、社員一人ひとりの意識が変わらなければ会社も 変わっていきませんから、彼らがやりやすくなるように背 中を押してあげることが大切だと思っています。私が部長 のときから「責任は私がとるから、思い切りやれ」と言っ てきたのもこのためです。また、彼らが「こういうことを やってみたい」と言ってきたらよく話を聞いて、それをい いと思ったら同じように背中を押してあげることが大切だ と思っています。
長時間同じ姿勢をとることは身体への負担が大きく、さ まざまな健康リスクが指摘されている。そこでオカムラが 提案するのは、 立ち姿勢を積極的に取り入れる働き方。 立っ たり座ったりを繰り返すことで、健康維持、効率向上など の効果が得られるだけでなく、職場内コミュニケーション の活性化、 「働き方改革」の推進も期待できる。
減に結びつき、会社の競争力が高まる、すなわち利益が増 える」ということを浸透させていきました。 言葉で言うだけではなく、自身も何かすべきだと考えて いた私は、まず当時 2 つあった赤字工場の黒字化に取り 組みました。毎月各工場を回って、課長以上を集めた経営 審議会を行い、現場での改善活動を進めて、数年後にやっ と 2 工場とも黒字にすることができたときは、うれしかっ たですね。 そのうちのひとつの工場では当初、製品 1 台をつくる のに 30 分かかっていました。私が「1 台 10 分以内でつ くれば黒字になるから、それを目指そう」と言うと、みん な最初は半信半疑の様子でしたが、 「精神力だけではでき ないから、設備投資もするし改善活動もやって、とにかく トライしてみよう」と言ってスタートしました。 その後、一人ひとりが工夫を重ねてムダをなくしていっ た結果、今ではそれができるようになりました。5 年かか りましたが、 人の能力は本当にすごいと改めて感じました。 あのとき私は目標を与えただけで、実際にやり遂げてくれ たのは現場の方々です。事業部長や事業所長が信じてつい てきてくれたからこそ実現できたのだと思っています。
変革への挑戦を続け、 新たなステージを目指す
鈴木: 「つなぐ」と「背中を押してあげる」 、とても貴重な お話で、中村社長が今までずっと貫いてこられたポリシー を伺えたような気がします。中村社長は今後、岡村製作所 をどのような会社にしたいとお考えでしょうか。方向性や 目指したい姿などについてお聞かせください。 中村:岡村製作所は 1945 年の創業以来、数々の変革を遂 げてきました。現在は、近未来を洞察して、そのコンセプ トをもとに新製品の開発・提案・販売を行っています。 2015 年 1 月に発売した上下昇降デスク「スイフト」は、
「つなぐ」 「背中を押す」マネジメ ントが会社と人を育てる
鈴木:中村社長は 2012 年に社長に就任されました。入 社以来 40 年間、いろいろな部門や会社の歴史をご覧に なってきた中で、自ら社長になったときのお気持ちや心構
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