ビジネスインサイツ67
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TOP Message
毎回、革新、成長を続けている企業のトップに 経営哲学や視点について語っていただきます。
JMAC トップセミナー 誌上講演
未来を拓くヒントは、先人の言葉にあり 人と企業を育てる 「十の教訓」
〜 JMAC トップセミナー「先人十訓 ~私が学んだ十の教訓~」より〜
株式会社 ジェイテクト
「今後気をつけます、はダメ ! 」 まずは仕組みをつくれ !
私は 1976 年(昭和 51 年) 、当時のトヨタ自動車工業 に入社しました。トヨタでは生産、営業、海外を転々とし ましたが、ベースは生産管理マンです。トヨタには、トヨ タ生産方式をつくった大野耐一さんがおられました。残念 ながら直接教えを請うことはできませんでしたが、大野さ んのお弟子さんたちがまだ社内にたくさんいた時代に、さ まざまな方に出会い、数々の貴重な教えを受けました。そ れを整理して書き留めたもののうち、10 のエピソードを 選んで持ってきたのが今日の話です。 さて、本題に入ります。1 番目は「今後気をつけます、 はダメ!」という新入社員時代の話です。配属 3 ヵ月目、 私は資材管理課で材料を手配する仕事をしていました。し かし困ったことに、当時はコンピューターから出てくる数 値の精度が低かったので、 毎回修正が必要でした。そこで、 先人十訓①
其の一:仕組創造 今後気をつけます、はダメ! 其の二:徹底追究 「なんでだ?」を 5 回繰り返す 其の三:現場主義 カローラが 500 万円にならない理由 其の四:戦略必勝 儲かっとるかね?
もう修正しなくていいように、システム部に私の担当工 場のデータだけを全部キャンセルしてもらって、自分で 1 からデータを正しく入れ直しました。ところがその処理結 果が出た翌日、社内は騒然。システム部が間違えて全工場 のデータをキャンセルしていたのです。責任を感じてデー タの復元を手伝いましたが、3 日間夜通しの作業は本当に たいへんでした。 やっと一件落着して課長のところに行き、 「今後、こう いうことがないように気をつけます」と言うと、 「君がガ ンバったことはわかっているけど、その『今後気をつけま す』というのは気に入らないね」と言われたのです。 「気 をつけますというのは、 マネジメントの道から外れている。 マネジメントの第一歩は、ボーッとしていても異状があれ ばそれを知らせるランプがついて、そこに飛んでいけばい い仕組みをつくることだろう」と。あれは私にとって最初 の洗礼でしたが、ずいぶん勉強になりました。今でも忘れ られない教訓です。
「なんでだ? 」を 5 回繰り返し 真因を追究する
2 番目は「 『なんでだ?』を 5 回繰り返す」という話で、 いわゆる 5why、5 なぜです。資材管理の次は生産企画に 行きましたが、そこの係長はトヨタでも有名な「なんで
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