ビジネスインサイツ68
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JMAC イチオシの IoT ツール紹介 Part 2
たった30分で設備の 稼動状況を見える化
シグナルタワーにセンサーモジュールをかぶせるだけで、設備の稼動状況を簡単 に把握できる「デバイスウォッチャー」 。この画期的な製品を開発したのは大分 現できることから、JMAC の IoT 7 つ道具®︎ の 1 つにラインナップされている。代 県中津市にある島田電子工業だ。データ収集から管理・分析もローコストで実 表取締役の島田眞一氏に松本賢治(JMAC)が聞いた。
島田電子工業株式会社 デバイスウォッチャー
sdk-info.com
号を飛ばしていた段階です。その当時は非常に忙しかっ
大手の撤退で新しい事業を模索
松本 光センサーや LED 関連が専門ですよね。
たので、稼動状況を把握して稼動率がわかるようになれ ば、生産計画や作業の合理化、残業削減などに使えるな というのが発想の原点です。
体試験装置や電装回路の設計・製作をメインにしていま す。1976 年 (昭和 51 年) に設立して以来、 大手メーカー との取引が拡大していく中、LED 関連製品の一貫生産、 光センサー素子の生産など事業を広げてきました。一番 多いときで生産量が世界ナンバーワンになるほどの大手 でしたから、2011 年にその大手が事業撤退を決めたと きは、経営的に非常に危うい状況に陥りました。大手の 撤退で供給が途絶えてしまうメーカーさんにウチから製 品を供給できるようになるまで、材料調達のルート確保 などで 2 年半ほどかかりました。同時に、新しい事業の 可能性を探らなければならない時期でもありました。 松本 デバイスウォッチャー(以下、DW)が生まれ るキッカケですね。 島田 実は大手との取引で仕事が忙しいときに、設備
島田 はい。光センサーの開発から組立・評価、半導
設備稼動率を把握し工場を見える化
松本 シグナルタワーの点滅に注目したのは?
島田 初めは設備から信号を採取しようとして、設備 の図面を確認しました。PLC から採るにしてもかなり専 門知識が必要で、勝手にいじると設備本体が動かなくな るリスクもありました。そこでシグナルタワーに配線が あるから、そこから採ればということになり、さらに点 滅するから、光センサーで拾った方が早いということに なりました。自社技術がそのまま使えたわけです。最初 は絶対止められないラインの設備を対象にして、最終的 にはすべての設備のシグナルタワーにつけて、稼動状況 を監視して、工場を見える化しました。 松本 外販への動きはどの段階で本格化しましたか。 島田 当時まだ外販予定はなかったのですが、IoT と
のチョコ停(小停止)で困っていたので、稼動率を集計 することにしましたが、これがなかなか難しい。作業日 報に記録するにしても正確性に欠けるので、それならば
島田 眞一 氏 代表取締役
いう言葉の出現とともに関連技術の価格が下がってきた こと、また他社から販売要望があったことから、新規事 業として外販を決意しました。高かった通信モジュール も価格が下がってきて、さまざまなメーカーから取り寄 せて評価しました。だいたい 1 年半くらいの開発期間で したが、 この通信モジュールの評価に時間をかけました。
シグナルタワーの点滅か ら信号を拾えばいいじゃ ないかと。 松本 その段階では IoT Machine)でもない…。 島田 まだですね。 買っ てきた通信モジュールを テ ー プ で 貼 っ て Wi-Fi 信
でも M to M(Machine to
課題の顕在化、改善、検証ができる
松本 DW は信号の変化だけを捉える仕様ですよね。
島田 はい。通常はポーリング(他のシステムと干
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