ビジネスインサイツ68
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うになって、安く利用できたのは幸いでした。 そして完成したプロトタイプで子供たちのワー クショップを開いて面白いことを発見しました。 最初は紙にアイデアを書いて、その後で MESH を 使うことにしたのですが、紙に書くところで止 まってしまうのです。書ける子は全体の 2 割ぐら い。そこで 2 回目のワークショップでは、最初か ら MESH にしました。そうしたら子供たちがすご く生き生きして、周りのモノと MESH を組み合わ せるのです。用意していた 100 円ショップのグッ ズと組み合わせるアイデアがどんどん膨らみ、子 供たち同士のコミュニケーションも活発になりま した。これが新しい学び方だろうなと思いました。 製品化では、開発期間や工数のバランスを見な
萩原 丈博 氏 Startup Acceleration 部 Business Operation Team MESH project プロジェクトリーダー
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沼田 洋平 氏 Startup Acceleration 部 Business Operation Team
がら最初の MESH を 4 つに絞り、クラウドファンディ ングも活用し、2015 年 7 月に発売しました。応援して くださる方の意見を取り入れながら改善する必要もあり ましたので、資金目的というよりコミュニケーションの 一種として活用した面が強いです。
せを試して感覚的につかむのはいいことだと思います。 MESH であれとこれをつなぐとこうなるね、という考え を 1 度体験すると、MESH でなくてもそういう発想が自 然に出てきたり、 日常業務の中で、 ここにセンサーがあっ たらこれができるよねとか、気づきがパッと出てきたり します。MESH を体験する前に、危険物エリアの感知や 在庫のカウントなどの例を出すと「他に似たようなシス テムがあるよね」となって自分でやる感覚に結びつかな い。最初に遊んで、 「これで◯◯ができる」という体験 をしていくことが大事だと思います。
「誰でも発明家」で拡がる発想の幅
――MESH を取り入れた JMAC の研修はいかがでしたか。
沼田 MESH を取り入れた JMAC のカートファクト
リー研修に参加してまず気がついたのは、IoT で生産現 場を改善できる幅は非常に大きいということ、MESH は 生産現場の効率化についての 「学び」 を加速化させるツー ルになるということです。さまざまなものと組み合わせ てプロトタイピングしていく、検証していくということ ですから、生産現場の改善促進に MESH が使えるとい う自信にもなりました。 「誰でも発明家」という MESH のコンセプトは家庭で も職場でも共通することですが、最初は B to C として アプローチしていたため、今回 B to B でも解決の幅が広 がる可能性を見出せたのは大きな収穫でした。 MESH を見ただけでは伝わりにくい場合は、研修のよ うな形でのプランが前提にあって、MESH を使ってもら うのがいいですね。商品のソリューションからアプロー チするのではなく、スキルセットを与えるという場で す。IoT 化による生産性向上を学べる場があったうえで MESH があると、もっと伝わりやすいはずです。
――子供たちのように「遊びながら」は大人では難しい?
「つく る・経験・共有」を定着させたい
――MESH の今後、将来像については。
萩原 MESH には 2 つ意味があります。1 つは Make、 共有できて、また次のものをつくるというサイクルを定 着させたい。もう 1 つは「MESH:網」 。人と人、モノ と情報、アイデアが形になって網の目でつながっていく ことで、課題解決のやり方も「創造的課題解決」が当た り前になる時代が来るとうれしいですね。 化している状況です。たとえば学校教育とそこで MESH がどう使われていくか、網の目の交点としての教育現場 があって、授業との接点にもなっていくという状況で、 新しい価値が生まれてくることを期待しています。工場 と MESH についても、同じです。新しいチャレンジと 課題に絡み合うことによって新しい価値が出てきている 状況で、MESH でその接点をどんどん増やして形にして いくのが私の目標です。 沼田 MESH が世の中に出て 3 年過ぎ、その網が具体
Experience、Share の頭文字、つくる・経験・共有です。
萩原 たとえば、工場でもオフィスでも最初に MESH
で遊ぶというか、職場内のさまざまなモノとの組み合わ
MESH のさらに詳しい情報は 2019 年 2 月 15 日開催「第 6 回 ものづく り・現場力事例フ ェア(IoT 会場) 」で ⇒
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