ビジネスインサイツ71
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- ビジネスモデルとは︑実は集金モデ ルにあるのです︒ タンザニアやケニアでは︑スマー トフォンでモバイル課金ができま す︒少額の決済はスマホでできるの です︒ そこでWASSHAは︑﹃使っ たちだという︒ ﹁ 造船業の流れを汲む人たちが立ち 上げた会社で︑その技術を応用して︑ 米のもみ殻を使って固形燃料をつく る装置をつくっています︒熱を加え て固めるもので︑原料は100%天 然のもみ殻のみ︒今︑アフリカでも 米づくりが進み︑マダガスカルでは 日本よりも消費量が多いといわれて います︒気候の関係で年に3回くら い米が採れるので︑今や大変な米の 生産国であり︑消費国です︒すると︑ たぶんだけ引き落とします ﹄という シ ス テ ム を 構 築 し ま し た︒1 回 当 たりの金額は小さくても︑毎日毎日 多くの人が使ってくれる︒日本は電 線があって︑電気がある生活が当た り前なので︑こういうビジネスに気 づかないんですね︒発電所をつくる と数百億円かかりますが︑電気の量 り売りなら簡単です︒﹃昨日の夜使っ た量はこれくらいだから︑これだけ 払ってね ﹄というシステムは画期的 数十人で︑ほぼ全員 歳を過ぎた人 という会社の取り組みだ︒従業員は 島県尾道市因島にある﹁トロムソ﹂ さらに紹介したい事例がある︒広
でした ﹂ ︵ 安永さん ︶
大量のもみ殻という廃棄物が出てき
ます︒そこでトロムソの技術と製造
ちろん︑現地の人々はそれを燃料と
して使用できます︒森林伐採も必要
アから依頼が殺到し︑製造設備 台
近くの商談となりました︒2018
年に取り組んだ事例の中で︑もっと
機械装置
ガスカル︑タンザニア︑ナイジェリ
もみ殻固形燃料 製造機械
なくなりました︒この技術は︑マダ
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製 品
で固形燃料の生産を始めました︒も
原材料
また︑ 水まわりや建材製品を開発︑
提供するLIXILの事例もある︒
同社はトイレの先進企業として開発
途上国の衛生環境の向上へ向け︑ビ
媒介する虫や悪臭を防ぐ開閉式の弁
ジネスを展開︒排泄物中の病原菌を
がついた安価な簡易式トイレシステ
を開発し︑これまで ム ﹁ SATO ﹂
に250万台以上出荷している︒
「SATO」 。 LIXIL が開発途上国向けに開発した簡易式トイレシステム
ビ ジ ネ ス と し て は 小 さ く て も︑
SDG sの目標へのインパクトは大
きい︒日本企業には高い技術力があ
り︑それを意外なところで﹁ 持続可
能な社会 ﹂に組み入れることができ
もみ殻
も反響のあったものです︵ ﹂安永さん︶
る可能性がある︒SDG sの の目
標を改めて眺めてみると︑途上国で
のビジネスのヒントが見えてくる︒
﹁ SDG sへの取り組みはビジネス
拡 大 の チ ャ ン ス で あ り︑イ ノ ベ ー
ションを起こすチャンスでもありま
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トロムソのもみ殻燃料 「モミガライト」 の製造プロセス。 アフリカ各国から注文が殺到している。
装置をアフリカに持っていき︑現地
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Rice Husks
工業用 ・ボイラー ・乾燥機 等
商業用 ・レストラン ・学校 等
ユーザー
住宅用途 ・自宅 等
す︒産業や雇用を生み出すことも可
能です ﹂と︑安永さんとフェルダさ
んは日本企業にエールを送る︒
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Business Insights Vol.71
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