ビジネスインサイツ72
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- 意外な才能があらわになることがあ ります︒社員の実力を垣間見る機会 にもなり︑たいへん価値ある取り組 みになりました ﹂ ︵同︶ ら︑誇りをもって自分の仕事に邁進 してほしいと伝えました ﹂ ︵ 林さん ︶ このステップで採用されたのが藤 井の﹁ 既知・曖昧・未知 ﹂ というメ カニズム分析︒ ﹁ 既知というのは︑原因がわかって いるけど着手できていないエラー︒ 曖昧とは︑なんとなく原因がわかっ ているけど検証ができていないも の︒この つは点検の強化で改善で きます︒未知は何が原因かさっぱり わからないものです︒これは個別改 善が必要になります︒設備トラブル を減らすために︑この 層に分けて 考えるという手法を導入しました︒ これは私たちには今までにない発想 で︑大学の研究室で行うアプローチ だそうです︒仮説を立てて調査・検 証し︑仮設のための分析をして︑技 術的に一つひとつつぶしていきま 違和感を感じられるのは人ですか があります︒色や匂い︑手の感覚の
備管理者やオペレーターの﹃ 感度 ﹄
あとはそこに向かう方法を否定せず
に愚直にやってみる︒これが私たち
の行った活動です ﹂ ︵ 深町さん ︶
現在の工場には︑自動車︑関連部
いよいよダントツ工場へ 年目の設備管理
廊下に活動の成果をすべて見える化
品の担当者が毎週のように訪れる︒
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かつてはほめられることが少なかっ
たというが︑今は工場を見て︑受注
考える5 活動は︑ 年で定着し
が決まるほど︒営業担当も︑積極的
S
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た︒次の年からは社長の構想にあっ た次のステップ︑つまりダントツ工 場に向けた取り組みが始まった︒ ﹁ 半導体は︑ ほぼ機械がつくります︒ 設備こそが品質向上の鍵︒ですから 私は︑ 設備管理に関わるチームには︑ 彼らの存在の重要性を説き︑プライ ドをもってほしいと伝えてきまし た︒設備管理こそ︑私たちの企業価 値を上げる根幹です︒そこには︑設
にお客さまを工場案内するという︒
﹁お客さまから工場をほめられるの
は︑うれしいですね︒現在︑生産の
主力はタイですが︑マザー工場とし
て︑われわれにしかつくれない部品
2
す︒これは〝ノウハウの手の内化 〟
が受注できています ﹂ ︵ 林さん ︶
になり︑技術的探究のやりがいにも
劇的な変化の裏舞台は︑ ﹁ 愚直に︑
つながっています︒将来的には︑既
地道に︑徹底的にやる ﹂という熱意
知の領域を %まで押し上げること
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に支えられている︒
3
を目標にしています ﹂ ︵ 田中さん ︶
愚直な活動で現場が成長 工場そのものが商品に
3
現場の改善活動には、合理的アプローチが必要です。たとえ
ば、5S でも後戻りしないようにステップを分けたり、 「なぜ
それをやるのか」 を全員で考えて共有する仕組みです。今回
は、小さな成功体験を積み重ねつつ、社長方 の「考える 5S」
要因として︑全員参加としたことと︑
掛けが大きかった︒
既知 ・ 曖昧 ・ 未知
%、未知が 33%と大幅削減。
%、未知 56%だったものが、
2 年後には既知 51%、曖昧 16
2017 年には既知 40%、曖昧 4
なく︑ほめたりほ
第一製造部 IC設備課 課長
田中 稔彦 さん
められたりという
場があれば︑誰で
がダントツ工場の礎となっています。
KE Y WORD 4
も特別なことでは
JMAC 生産コンサルティング事業本部 シニア・コンサルタント
C O N S U LTA N T V I E W
﹁ 仕掛けといって
愚直な取り組みでダントツ工場へ
達成感を感じる仕
針の実現に向けた活動となりました。 「愚直に取り組む」 文化
たった 年で劇的な変化を遂げた
藤井 広行
もうれしくなりま
すよね︒目標さえ
わ か っ て い れ ば︑
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Business Insights Vol.72
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