ビジネスインサイツ72
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- 新美 篤志 氏 (にいみ あつし)
に事業活動を続けています︒ きも多いようです︒
ものづくりの現場で働く人こそ 市場で求められるものを 生み出すことができるのです︒
A T S U S H I N I I M I
くりを支える人材育成にどのように取り組むべきか、ゲストスピーカーを
日本能率協会コンサルティング(JMAC) は 2016 年度より、生産技術部門
長クラスの方々と共に「日本のものづくり」 の現状や今後の方向性、ものづ
お招きして交流会を行っています。生産技術部門が「これからの生産現場
ものづくりの現場の 誇るべき価値
石田 新美さんには︑JMAC 生 産技術幹部交流会の座長を務めてい ただき︑これまで 期︑ものづくり
て感じるのは︑訪問先や講師を引き
の第 回は龍角散の千葉工場の視察
受けてくださる企業はみなさん元気
でしたが︑ ﹁マーケティングの重要
がいい︒よい企業というのは〝 企業
性 ﹂という社長のお話は︑私も学び
の使命を果たしている 〟企業です︒
がありました︒
つまり︑変化していく世の中やお客
石田 同社はマーケティング戦略
さまに対し︑それを受け入れ︑対応
で︑ 年間で売り上げを 倍にされ
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成果をお聞きしたり、2019 年度からは 「現場 ・現物 ・
を支え、発展させる」 ことがテーマ。外部の有識者
から 「これからのものづくり」 に関する体験談/研究
現実」 として魅力的な取り組みをされている工場見
学するなど、生産技術部門の部門長同士の「相互啓
生産技術幹部交流会
発」 を図るネットワーキングの場となっています。
に関わる方々との交流を深めてまい りました︒講義や工場視察などのプ ログラムを行ってきましたが︑どの ような感想をお持ちですか? 新美 ものづくりという仕事におい て︑多業種が集まる機会は大変刺激 になります︒私自身も再認識する部 分が多く︑まだまだ学ぶところがあ ると感じました︒とくに︑工場訪問 は現場の熱がダイレクトに伝わり︑ 非常に説得力がある︒これは続けて いきたいですね︒そして全体を通し
していける力があるということ︒そ
たというお話でしたね︒
のために継続的に人を育て︑競争力
新美 うまく時流に乗り︑V字回復
を上げて︑きちんと儲けている︒そ
されましたが︑その戦略はマーケテ
して知恵を使って賢くお金を使い︑
ィングと生産現場の改善努力にあっ
再投資して次に備え︑サステナブル
たわけです︒生産現場担当者もマー
ケティングの重要性を理解したから
石田 異業種間の視察はさらに気づ
可能であったと再認識しました︒上
流 ︵ 経営 ︶ から下流 ︵ 販売 ︶ まで見渡
新美 ものづくりの現場には必ず悩
せるのは ﹁ 生産現場ならでは ﹂ です︒
みがありますから︑違う業界を見る
マーケティングから商品企画があ
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1971年 3月名古屋大学工学部航空学 科卒業、同年 4 月トヨタ自動車工業 (現トヨタ自動車) 入社。1999 年、生 技管理部長。2009 年、取締役副社 長を経て、2013 年、株式会社ジェイ テク ト取締役会長就任。2018 年より 同社アドバイザーに就任。生産技術 幹部交流会では座長を務める。
株式会社ジェイテクト アドバイザー
ことで学びがあるのでしょう︒先日
り︑製品開発があって生産技術者が
行われた生産技術幹部交流会第 期
いる︒生産管理でどうつくるかを考
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Business Insights Vol.72
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