ビジネスインサイツ75
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- AS K U L LOGIST
C O N S U LT I N G C A S E 1
き彫りになりました。会社設立から
できていないと感じている部分が浮
業員が重要だと考えているが実現は
配置を行ってほしいなど、多くの従
で改善してほしい、適正に管理職の
したところ、給与の納得性が低いの
革を早く進めたい。
えていたが、一方で、できる限り改
は自分たちでつくる必要があると考
さんも、会社の根幹となる人事制度
沼英雄さんは当時を振り返る。中村
ていました ﹂と代表取締役社長・天
で人事制度改革をやるべきだと考え
﹁ 係長 ﹂
また副センター長の下は、
だったり﹁ 統括リーダー﹂だったり
こっていた。
異なる業務を行うといったことが起
は、転勤先でそれまでとはまったく
ンターに転勤となった副センター長
う。人事異動でAセンターからBセ
同じでも役割の大きさがまったく違
年が経った当時、人事総務部とし
ていかなければならないと思ってい
走してくれそうな
に支援
﹁ 外部に丸投げせずに私たちが主
体的に改革を進めることができ、並
た。組織図上の位置づけは同じなの
と拠点によって名称が異なってい
てもそろそろ時代に合った形に変え
たところでした ﹂︵ 人事総務部部長・
ただその改革には、アスクルロジ
ストならではの物流部門と配送部門
中村力さん ︶
レベルでも効果が出そうなプレゼ
め手は専門的知見を持っていて実務
していただくことに決めました。決
給与・賞与にバラツキがでていた。
に名称が異なることで、人事評価や
のコンサルタントの
と言ってもいいほど事業体が異なる
センターと配送営業所では別の会社
難い状況であった。全国にある物流
でさえ一枚岩になれているとは言い
独立しており、役員・本部長クラス
つの部門は別会社のようにそれぞれ
村さん ︶
を持ってできると感じました ﹂
︵中
分たちだけで進めるよりスピード感
イメージがしやすかったんです。自
だったので新しい人事制度導入後の
具体的なケースの説明を交えながら
中村文生さんの提案は、理路整然と
ン。
のだ。たとえば、配送の面から考え
人事制度改革にあたって、まず問
題となったのが組織体制だ。物流セ
年 月に実施
始まりは
した﹁ 組織文化調査 ﹂だった。良い
る大きな壁を取り払い、一体となって
アスクルロジストの人事制度改革
には、物流部門と配送部門の間にあ
るとまとめて作業する方がいい。
代理としての副センター長を1人設
たとえばAセンターはセンター長の
ンターにはそれぞれセンター長の下
つまりAセンターとBセンターで
は、
﹁ 副センター長 ﹂という役職は
図参照 ︶
。
ンター長が 人設置されている︵ 下
当の副センター長と事務担当の副セ
に副センター長が置かれているが、
点、改 善 点 な ど ア ン ケ ー ト 調 査 を
くの従業員が﹁ 評価制度 ﹂と﹁ 育成
制度 ﹂の改善を望んでいることがわ
かった。
顧客と﹁ 並走する ﹂
JMACと改革を推進
置、一方でBセンターには倉庫内担
方で物流センターの運営効率を考え
ると小口配送の方が運びやすい。一
という大きな部門の壁があった。
そこで、人事制度改革の方向性を
次の 点に絞った。
J
M
A
C
最適な形を目指すことが必要だった。
重要だと考えているが
実現できていない課題
2
﹁ 会社の成り立ちや独特の背景が
ある。だから外部の力を借りず社内
「副センター長」という役職は同じでも役割の大きさがまっ
A センターとB センターでは、
たく違う。また、組織図上の位置づけは同じでも
「係長」
「統括リーダー」と名称が異な
ることもあった
10
行った結果、アスクルロジストの多
「組織文化調査」の定性コメントを構造化して問題点をはっきりさせた
﹁ 集まった人事制度に対するコメ
ントをカテゴリーごとに分けて整理
Business Insights Vol.75
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副センター長
(庫内担当)
係長
統括リーダー
フロアリーダー
副センター長
(事務担当)
組織図上の位置づけ
は同じでも、拠 点に
よって名称が異なる
副センター長
(センター長の代理)
Bセンター
Aセンター
センター長
同じ役職名でも、
役割が大きく異なる
センター長
7
4
改革前の組織体制
J
M
A
C
2
2
0
1
9
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