ビジネスインサイツ75
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- AS K U L LOGIST
C O N S U LT I N G C A S E 1
東京、大阪はじめ仙台、横浜、名古屋、福岡など全国 13 の物流センター拠点を構える。多品種アイテムをシステム的に在庫管理し、配送する体制を整えている
る目標設定もやりやすくなっていま
ようになっています。自己申告によ
役割を担うべきかがはっきりわかる
とつ上の等級にいくにはどういった
イクルを回していく。
留学の形式も取り入れ、経験学習サ
ていく予定だ。他拠点へ短期・交換
職種別の専門教育プログラムも行っ
す﹂
︵ 中村さん ︶
お客さまのよろこびにつながる。今
満足度を高めていけば、ゆくゆくは
が、やりがいもあります。従業員の
つ解決していくのはたいへんです
後も従業員の声を聴いて進化させま
す﹂
︵ 泉さん ︶
天沼社長が教育の重要性を強く感
年、 全 国 行 脚 し
じたのは
主 体 的 に 学 ん だ り、社 員 同 士 が 職
ラ ム の 整 備 で は な く、社 員 自 ら が
む。目 指 す の は 単 な る 研 修 プ ロ グ
化した教育だ ﹂と天沼社長は意気込
﹁ 人事評価制度のベースができた
今、次に必要なのは人事制度と一体
る教育が必要だと感じました ﹂
︵天
るための専門知識や経験を手にでき
トで、現実と理想のギャップを埋め
な会社全体で横串を刺す制度とセッ
は、できる限り公平感が保てるよう
モチベーション高く働いてもらうに
ではいつか疲弊してしまう。つねに
﹁ 拠点ごとに運営がうまくいって
いるからといって、現場に任せきり
アスクルロジストの人事制度改革
は従業員のモチベーションを上げた
とです ﹂
︵ 天沼さん ︶
化によって豊富な人材を創出するこ
につながる。目指すのは、育てる文
境づくりがアスクルロジストの進化
る気のある人材がより成長できる環
えていくものだと考えています。や
﹁ 人事制度に正解はありません。
外部環境や会社の戦略に合わせて変
場の好事例などを共有したりでき
だけでなく、事業の幅を広げる可能
従業員の声を聞いたときだった。
る﹁ 大学 ﹂のような場。人事総務部
沼さん ︶
性をも秘めている。
新しい価値を創造する
﹁ LOGIST大学 ﹂構想
人材開発課課長の坂井博基さんは、
制度はつくっただけでは機能しな
い。導入後、どのように運用されて
面談を行っているかを確認し、でき
﹁ 定期的な座談会を通じて、しっ
かり運用されているか、規定どおり
今回のプロジェクトの最大の特徴は、人事部門のメンバー
と経営層
(社長・役員・本部長)が一体となって検討を進め
た点。人事制度改革は、多くの関係者を巻き込み、議論を
まとめるのにも多大な時間とパワーを要します。アスクルロ
ジストのみなさんは、プロジェクトの推進方法として〝茨の
道″を選びました。経営層や人事部門のメンバーが、人事
制度の「先」を見据えていたからです。人事制度改革の本
質は制度そのものの検討だけでなく
「会社のめざす姿」も検
討すること――同社のみなさんから私自身も多くのことを学
びました。
大学の構想を次のよ
うに話す。
とがその定着に大きく影響する。
メージです。あるセンターの事例を
ていないところがあればフォローす
中村文生(なかむら ふみお)
チーフ・コンサルタント
いるか検証し、アップデートするこ
﹁ 講座を開講し知識を埋め込むの
ではなく、事例を﹃ 共有 ﹄し、互い
共有し議論して新たな価値が生まれ
るようにしています。会社と従業員
に﹃ 共創 ﹄し、
﹃ 共に学ぶ ﹄というイ
を
る仕掛けをつくりたい。全国各地に
がともに成長するための環境づくり
拠点がある当社だからこそ、
〝
にする︵ = つの拠点の好事例を
が私たち人事総務部の仕事ですか
沼社長も続ける。
他拠点に展開する ︶
〟を実践してい
﹁ 教育制度の不満も人事評価制度
の納得いかない点も、従業員のリア
ら ﹂と泉さんは言う。中村さん、天
さん ︶
ルな声や悩みを吸い上げ、一つひと
く場になることが理想です ﹂
︵ 坂井
大 学 で は、 等 級 別
の教育プログラムを実施する一方で
※社名・役職名などは取材当時(2023 年 3 月)のものです。
Business Insights Vol.75
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本社、配送、物流といった事業ごと、
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