ビジネスインサイツ75
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- 生産準備での効果(専用設備の縮小)
のイネーブラー︵ 目
フェーズ
的達成を可能にする手段 ︶は、
﹁モ
うになりました。
量産型での検証期間を短縮できるよ
を未然に防ぎ、試作型をなくしても
長い年月をかけて技を習得した「 匠の動作データ」か
ら、筋肉の動きを逆計算、逆解析。データを見ながら
習得できる仕組みをつくり上げた。モーションキャプ
チャーやアイトラッカーなど、最新のIT 機器を活用して
技能を数値化して伝承している。
デルベース開発 ﹂
﹁デジタルトラン
スフォーメーション﹂﹁サイバーフィ
ジカルシステム﹂の つ。これらの
取り組みは生産準備の効率化はもち
ろんですが、お客さまへの提供価値
製品進化の容易性 Better
つ紹介します。まず、マ
事例を
ツダの商品の特色のひとつである
の向上にも応用しています。
多数工程対応
ハード対策無
設備対応追加
局所の専用
2
4
1
3
0
スクラップ
&ビルド
3-A
の三次元的な流れをゼブラ模様で可
実に再現するために、形状そのもの
ます。デザイナーの意図を製品に忠
り、デザイン意図とかけ離れていき
た数ミクロンの面形状の違いによ
です。
魂動デザインにおいては、
たっ
イン意図を量産で再現する取り組み
﹁ 魂動デザイン﹂と呼んでいるデザ
い ま す。 も う ひ と つ が、 私 ど も が
最後に、フレキシブル生産の進化
がもたらす、カーボンニュートラル
につなげています。
産準備をできるということで効率化
まり、専用設備だけを変更すれば量
用設備の活用が可能になります。つ
化させることで、車種を超えての汎
専用設備として準備するやり方に進
り方から、変動部のみを極小化し、
ラップ&ビルドで繰り返してきたや
こ どう
視 化 し、 デ ザ イ ン デ ー タ、 成 形
年に自社工場での
への貢献についてお話しします。マ
なったのです。たとえば、ミクロレ
込み、職人技を量産化できるように
上で﹁ 魂動デザイン﹂としてつくり
つまり、最高級の難易度をデジタル
とで、すべての使用エネルギーを削
地での準備活動期間を短縮させるこ
ギーを低減し、省エネを進めます。
工程を革新することで、加工エネル
することを表明しています。工法、
カーボンニュートラルの実現へ挑戦
ツダは
から実車まで同じ物差しで
ベルにこだわった
﹁ 金型 ﹂製造で
す。この金型こそ、従来は匠の職人
一気通貫につくり込んでいきます。
技が不可欠でした。この匠の技を、
減していきます。フレキシブル生産
タイムに数値化しながら、体の使い
︵❸︶
。技 能 カ ル テ を も と に リ ア ル
せていきます。
ルという視点を加え、さらに進化さ
をスピード軸にカーボンニュートラ
また量産準備プロセスも革新し、現
機器を活用して技能を数値化
方そのものを指導することで、短期
間に高い技能を持つ人材を育成する
ことが可能になりました。
ラーではなく、これまで培ってきた
従来の実機によるトライアンドエ
ものです。これまでの機械加工や車
易性 ﹂を縦軸にした 軸で評価した
容易性 ﹂を横軸に、
﹁ 台数対応の容
取り組みの効果を❹に示しまし
た。生産工程における﹁ 製品進化の
カーボンニュートラルの
実現へ挑戦していく
計測技術や塗膜設計の技術を活か
﹁ソウルレッド﹂
に代表されるボディ
し、各要素をモデル化することで工
体のサブラインでの大がかりなスク
カラーの〝 高意匠色 〟の実現です。
2
0
3
5
EG (エンジン)
法を決定し、量産準備を短縮化して
講演後、JMAC 代表取締役社長・小澤勇夫と
E
0-E
スクラップ
&ビルド
機械加工
D
C
A
E
I
T
ステップ 1
設備対応
追加
ステップ 2
C
0-D
3-B
多数工程
対応
車体サブ
車両組立サブ
2-B
台
数
対
応
の
容
易
性
プレス・車体メイン
塗装・車両組立メイン
ステップ 3
組立サブ
1-B
B
金型仕上げ作業の動作の分析
●
ステップ 4
PT 素材・PT 組立メイン
A
ハード対策無
TM 組立サブ
局所の専用
2
❹生産ビルディングブロック構想によるフレキシブル生産の進化
3
本稿は2023年3月3日(金)に開催した「第10回 ものづくり・現場力事例フェア」における弘中 武都氏の講演を再構成したものです。
Business Insights Vol.75
9
2
2
Better
❸フレキシブル生産の進化
「匠(Takumi)」育成技能伝承システムの構築
∼モーションキャプチャーによる技能解明/育成指導
技能のカン・コツを定量化して分解・評価
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