ビジネスインサイツ77号
- ページ: 25
- 生産技術だからできる
効率化と良品化
生産技術幹部
石田 牟田さんはトヨタと日野自動
車で生産技術の現場を長年見てこら
れ ま し た。
交流会の座長も務めていただき、次
車ではトラックの工場を見てきまし
た。 生 産 管 理 か ら 物 流、 サ プ ラ イ
チェーンまで、たくさんの経験をさ
せてもらいました。安全対策への意
識も高くなり、作業手順書も一生懸
命つくりましたね。
石 田 牟 田 さ ん と い え ば、 や は り
︵グローバル・ボディ・ライ
生産技術にはまだ
できることがたくさんある。
技術に何が必要なのか、未来に向け
さんのご経験から、これからの生産
南いただいております。本日は牟田
キシブル・ボディ・ライン︶が主流
牟田 そうですね。当時は複数のモ
︵フレ
デルを流す大量生産型
ン︶をつくられたことですよね。
インでも実現するべく生産技術も
まれない。尖ったデザインを量産ラ
は上がりますが尖ったデザインが生
期があります。そうすると生産効率
にシンプルな型づくりを目指した時
か、今後どうするのかを考えるべき
くったラインが今どうなっているの
牟田 上の人は現場に出てこない人
も増えていると聞きます。自分がつ
することは?
未来の工法をつくれるはず。
てお話をお聞かせください。
で し た が、 少 量 ラ イ ン が 可 能 な
世代に向けたものづくりの姿をご指
牟田 トヨタでは乗用車、日野自動
です。当初の計画台数でつくったラ
インではなく、汎用的なラインを考
れてこないのが気がかりです。
牟田 はい、長く使われたラインの
コンセプトです。新しいものが生ま
は長く使われていま
石田
すね。もう 年くらいでしょうか。
が強いんです。
シンプルにしていきたいという思い
ちは、
いろんなことに挑戦したいし、
になったわけです。生産技術の人た
たテーマをもつといろんなことを調
いはなくしてしまおうとか。
そういっ
インを半分にしてしまうとか、ある
未来の工法をつくっていきます。ラ
新しい技術や工法にチャレンジして、
ていると悔しいんです。そうすると
牟田 生産技術に携わる人は他社事
例もよく見ていて、自分たちが負け
石田 生産しやすく、商品性も満た
すということですね。
わけです。
産技術が入ることでどちらも叶える
とから生産技術を希望する人が減っ
めない、夜間も仕事が入るというこ
新しいトライアルをするとなると休
ときは本当に楽しいんです。
しかし、
ものづくりは、さまざまな仕様を
決めて、それでうまく出来上がった
なんです。
産技術に求められるし、できるはず
から良品をつくればいい。それが生
えていく時期にきていると思います。
石田 開発設計と生産技術の連携の
重要性についてはいかがでしょうか。
べるようになる。生産技術にはまだ
ているとも聞きます。だから平日の
石田 そうですね。汎用化を進めて
フレキシブルなラインとして使って
牟 田 昔 は、 試 作 は 開 発 チ ー ム が
行 っ て い ま し た。デ ザ イ ン で 言 う
できることがたくさんあるんですよ。
G
B
25 L
牟田 型もそうですね。検査して調
べて良品とするのではなく、1回目
いくことが重要ですね。
と、海外生産が活発化した際に、現
石田 今の生産技術の人たちに期待
れ、シンプルでスリムな生産が可能
されるほど、主流になりました。生
は
チャレンジすることが大事です。要
(むた ひろふみ)
牟田 弘文 氏
早 稲田 大 学 理 工学 部 卒 業。
1978 年トヨタ自動車工業( 現
トヨタ自動 車 )入社、2006
年常務役員、11年専務役員、
17年日野自動 車 顧 問、同6
月同社取締役副社長。20 年
特別技監、21年アドバイザー
就任後、23 年退任。
F
B
L
産ラインにフレキシビリティが生ま
5
と
は
Design
For
Manufacturing
を生
Manufacturing For Design
G
B
L
地でも型メンテナンスが出来るよう
Business Insights Vol.77
25
G
B
L
J
M
A
C
年を待たずに世界展開
元日野自動車株式会社
アドバイザー
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