ビジネスインサイツ77号
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- 区切って考えたり。生産技術に挑戦
で開発したり試験をしたり、工程を
テーマを与えることです。自分たち
すね。あとは、上の人たちが面白い
境を、各社さんは検討してほしいで
昼間にトライアルができるような環
て納品してくれますが、日本はまだ
すので、サプライヤーはそれに入れ
トサイズの標準化などを行っていま
でしょうね。たとえば欧米はパレッ
牟田 おそらく個別最適になってし
まって、全体最適になっていないん
効率や精度は高いのですが⋮。
そこまでいっていません。いろいろ
は不可欠ですから。
なパレットがあるとトラックの積載
効率も悪くなりますから。さらには
取り入れたりすることも重要ですね。
石田 原理原則も大切ですが、技術
を組み合わせたり、新しい考え方を
ばなりません。サプライヤーとも一
はそういうことも考えていかなけれ
そのままラインに流せます。技術者
たらいいですよね。
棚が不要になり、
い課題が生まれます。トヨタ自動車
もばらつきや誤差など、避けられな
ではなく現実世界なので、どうして
題ですね。ものづくりはバーチャル
専門領域だけでなく
俯瞰で見られる技術者に
牟田 そう思います。私は車両全体
の生産技術部門を見ていたことがあ
緒に考えていけたら、日本の物流全
では
車両の組み立て順に運んできてくれ
りますが、
﹁これはどの工程に組み
体の効率も良くなると思いますよ。
導 入 は 早 く、 設 備 設 計 の
込めばよいか ﹂など構造図を見なが
化 は 急 速 に 進 み ま し た。し か
工程では引き受けたくない。ところ
装部門、組み立て部門など、自分の
ね。
石 田 人 材 育 成 の 課 題 も あ り ま す
ほしいです。
で見ることができる技術者が増えて
いう疑問を持ち、理解しながら生産
討できる場づくりが必要です。そう
多く、オフラインでも生産準備を検
しバーチャルだけでは難しいことも
牟田 そうです。新しい取り組みは
技術者にとって非常に興味深い。社
3
がスルーで見てみると一番効率がよ
内競技会や社内外の大会などを目標
サプライチェーンを俯瞰的にスルー
く、コストがかからない工程がわか
技術部門で議論を深めてほしいです
ら考えるわけです。ボディ部門、塗
ります。生産技術をマネジメントす
に成果を出していくのもいいです
牟田 最近はサプライヤーで設計し
生産技術は
﹁ 手の内化 ﹂が大切
ます。
夫できることはまだまだあると思い
ラクにできるかというテーマで、工
ね。産官学で一緒に取り組むことも
ですよね。
くっていくことも大事
白いテーマを社内でつ
いますが、そういう面
りを変えたと言われて
プレス ﹂*はクルマづく
石田 テスラの﹁ギガ
牟田 いろんな知識やノウハウをど
れだけ持っているとか、期待できる
ものづくりを楽しんで。
失敗の許容はとても重要。
る側は前後工程がわかっている必要
生産部門および開発設 計部門の
シームレスな収 益 改 善・体 質 改
善 活 動を主 軸として企 業 支 援を
行う。事 業 戦 略・生 産 戦 略・技
術 戦 略・知財戦 略を組み合わせ
た「マネできないものづくり戦略 」
を推進。
ね。素材部門でも後工程をどれだけ
石田 秀夫
できると思います。
(いしだ ひでお)
人材をどうやって育成すべきかは課
JMAC 取締役
生産コンサルティング事業本部長
シニア・コンサルタント
があり、それはつまりサプライヤー
のこともわかっているということ。
専門領域に加えて幅広い知識があっ
てこそ、レベルの高い生産技術が生
まれるということです。
石田 今、サプライチェーンのお話
がでましたが、日本は欧米に追いつ
けない部分がありますよね。工場の
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Vol.77
*ギガプレス:巨大な鋳造機で、車両の前後部を一体成型する技術
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