ビジネスインサイツ77号
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- な る と、た と え ば 海 外 の サ プ ラ イ
産技術者になってしまいます。そう
す。そうすると、技術を知らない生
た部品が納入されることもありま
わってほしいです。
しながらでも自らつくることにこだ
なる。そうならないためにも、失敗
ライヤーごと行かなければならなく
いうように。そうすると、海外でプ
場、これはヨーロッパの工場⋮⋮と
このテーマはアジア地区のマザー工
ので、
海外に行く人もいるわけです。
レゼンをすることもあり、モチベー
ヤーに指導ができなくなるという課
ションも上がってくるのです。
マネジメント層は
生産技術に働きがいを
石田 生産技術の未来はどうなって
いくとお考えでしょうか。
牟田 まずものづくりの未来に目を
向けると、日本は資源をもっと有効
利用できるはずです。海外から材料
す。そしてチャレンジと失敗を繰り
牟田 技術情報は海外を含めてアン
テナを高く張って見ることが重要で
くる技術のことだけでなく、環境ま
ります。ですから技術者はものをつ
ネルギーを有効活用すべき部分もあ
を輸入して加工するだけではなく、エ
うやってつくっているかわからない
返す。これが絶対に必要。あと 年
石田 各工場をまたいだ共通の課題
解決はいい取り組みですね。
エンジニアでは困るはずですよ。そ
牟田 ちょっと苦言を呈すると、仕
様書が書けない人も増えている。ど
えていますからね。
石田 大企業になるほど、手配する
だけの﹁カタログエンジニア﹂が増
題もでてきます。
石田 生産技術は﹁ 手の内化 ﹂が大
切ということですね。
牟田 そうです。
﹁ 手の内化 ﹂がで
きないと、海外進出する場合にサプ
こに興味をもたせてあげることが、
ほしいです。
工程が必要なのかなど疑問をもって
陣も製造現場に足を運び、なぜこの
経営側には重要だと思います。経営
めていくと、
できる日がくるのです。
しれない。絶対にできると信じて進
もしたら人間も空を飛んでいるかも
それから﹁ 働きがい ﹂を感じられる
現場づくりを。これからの時代はハ
技術 ﹂という視点もよいと思います。
で意識を広げてほしいですね。
﹁ 環境
でする必要はないわけです。
そこで、
すが、似たようなことを複数の工場
出してくる。それはいいことなので
う ﹂と、各工場がオリジナリティを
みも似ていて﹁ 俺たちはこうしよ
牟田 そうそう。昔のトヨタは、工
場ごとに﹁ 俺流 ﹂がいたんです。悩
らみが大切、という。
仕組み ︶をされていましたね。横に
石田 あとは大学や研究所の知見を
集めて連携することで、新しい技術
それが上司の役割です。
クアップだけを考えておけばいい。
もしれません。管理者は最後のバッ
が見えなくても、彼らが見つけるか
さい。自分の頭の中には成功の道筋
い ﹂と言ったらやらせてあげてくだ
者 が﹁ こ う い う こ と を や っ て み た
量の大きさは必要ですよ。若い技術
牟田 私はたくさん失敗してきまし
たからね︵ 笑 ︶
。やはり管理者の度
矛盾しますよね。
牟田 だから技術者は生産現場を
を回して
も っ と 知 っ て、
ことに挑戦する余裕がない。
とは、問題の解決に追われ、新しい
すよね。生産現場で起こっているこ
石 田 何 か に チ ャ レ ン ジ し た く て
も、悩んでいる現場は少なくないで
ことが生産技術の未来には重要です。
のある場づくり、場を与えるという
ンジしたいときにできる、働きがい
ニケーションは不可欠です。チャレ
すから、マネジメント層がベクトル
ラスメントがない指導が求められま
石田 失敗の許容はとても大事だと
思いますが、目標管理制度はそれと
工場を横断してテーマごとに技術者
石田 牟田さんは以前、ショップ軸
活動︵ 各工程︿ショップ﹀を工場横断
を集め、
﹁ショップ軸 ﹂として一緒
を生み出すことを楽しんでほしいで
をしっかりと示すこと、そしてコミュ
に解決してもらいました。面白かっ
すね。
るはずです。期待しています。
いけば新しい発想が必ず生み出され
P
D
C
A
で連携し、
情報共有などを行う活動・
たのが、海外工場も含めて実施した
記事内容に関しては、取材時
(2024 年 3 月)のものです。
Business Insights Vol.77
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