ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- ﹁ 全体最適 ﹂にはなっていないの が問題です︒限られたメンバーの
ジェクトを立ち上げました︒
ラス トワンマイルで最適なサービスを提供する。
フォームをつくる︒そのためにど
まず私どもがスポンサーにな
こと協力ができるかを考える時代
11.17 TOP INTERVIEW SESSION
中でオープン化するのがファース トステップですが︑次は全体を標 準化していく必要があります︒こ こから途端にエゴが出るんです ︵笑︶ ︒個社のエゴというよりは︑ グローバルで︑どこの国のスタン ダードが世界共通になるかという 競争になる︒しかし︑効率化を考 えると世界標準をつくらなければ なりません︒日本がガラパゴス仕 様をつくってはいけないのです︒ そのためには︑ まさに ﹁ 国家戦略 ﹂ レベルの取り組みが必要だと思い ます︒ もサービスをスタートさせる動き が始まっています︒ ここに問題があります︒日本人 がのんびりしていると︑日本クオ リティよりもサービスの質が低い ものが︑世界標準になってしまう 可能性があるということです︒逆 に︑ヨーロッパは食の安全という 観点で︑とても厳しい基準をつく の標準化 ﹂がまた遠のいてしまい してみても類がなく︑これまでは し今︑中国で小口のクール宅配需 要が爆発的に増え︑ヨーロッパで ます︒ 関係省庁︑ 極めてガラパゴス的でした︒しか そこで 年ほど前に︑ 同業者を巻き込んで︑クールの小 口貨物の世界標準をつくるプロ
り︑関係省庁︑同業者もご参加い
になっています︒そして︑それを
ただきました︒日本のクール配送
国 境 を 超 え て 実 現 す る︒ 今 回 の
を担う企業であれば使える標準を
ISO化はまさに︑脱自前化だっ
考 え な が ら︑ ﹁ 英国規格協会
たと思います︒
︵BSI ︶ ﹂ の ﹁PAS ︵パス︶ 規格﹂ 2020 年に発行されたクー
による基準をつくってもらったの
ル宅配のISOは︑企業がどんど
です︒BSI は世界最古で最大
ん採用する動きが始まっていま
の︑標準をつくる協会です︒そし
す︒実は︑日本基準でISO化さ
て次に経済産業省に全面的に担っ
れる第一号なのです︒日本もルー
ていただくようにし︑この基準を
ルメーカーの一翼を担えるように
︵ 国際標準 ︶化しました︒ ISO
なることは夢ではない︑というこ
ISO化は 欧 米を含めて主要国
とを示すことができました︒
の議論に参加する国の100 %
の賛成が必要になりますから︑た
日本のクール宅配を 世界標準にする
ガラパゴスといえば︑クール宅 配︑ 私 ど も の サ ー ビ ス で い う と ﹁クール宅急便 ﹂があります︒日 本人にとっては至極当たり前の日 常的サービスですが︑世界を見回
いへんではあります︒そのため︑
食の安全を世界でリードしてきた
﹁ ラストワンマイル﹂ の ヤマト品質は どう変わるのか
フランスの協力は不可欠で︑フラ フィジカルインターネットが導
ンス郵政傘下にあるDPD とい 出てくれました︒
入されると︑自前のサービス品質
う輸送事業者が強力な支援を申し
はどうなるのか︑という議論が出
てきます︒ 年前に︑私どもの荷
るかもしれない︒すると︑ ﹁ 世界 ま さ に︑ フ ィ ジ カ ル イ ン タ ー
物がオーバーフローして﹁この荷
ネットのキーワードである﹁オー
物をどうするか ﹂となったとき︑
プン化 ﹂です︒もう自前主義では
それを他の事業者に依頼する︑あ
ないということです︒自社のやり
るいはシェアリングを活用するこ
方で最適なものをつくり上げる時
とで乗り越えることを考えまし
代は終わり︑オープンなプラット
た︒しかし︑ ﹁ ヤマトの宅急便の
注:PAS 規格:Publicly Available Specification の略で、一般に公開された誰でも使用できる規格のこと。 「公開仕様書」 と訳され、業 界内でリーダーシッ プを取る企業が正当化された基準として制定することが多い。規格開発期間が 1年以内で発行できる。
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JMAC 40th Anniversary
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