脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイントに関する意識調査
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- 本報告書について
本報告書は、 2023年5⽉に気候⾮常事態ネットワーク(CEN)/NPO法⼈ゼリ・ジャパン
と株式会社⽇本能率協会コンサルティング(JMAC)が共同で、東京⼤学名誉教授の⼭本
良⼀先⽣の監修のもと実施した「脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイント
に関する意識調査」についてまとめたものです。
地球温暖化はグローバルレベルの緊急課題ですが、⼀⽅で各国の脱炭素の取り組み姿
勢には温度差があり、⽇本は欧⽶と⽐較して活動が遅れており、今後アジアの推進役を
果たすためにも、取り組みを⼀層加速させる必要があります。そのために本調査では、
脱炭素の取り組みが、各⽅⾯でどのように捉えられているかを改めて確認をした上で、
どうすれば遅れを取り戻せるのか、その戦略を考えることをねらいとしました。
本調査のコンセプトとして、「ティッピングポイント」をキーワードに取り上げていま
す。このティッピングポイント(Tipping Point)という⾔葉は、物事がある⼀定の閾値を
超えると⼀気に広まっていく時点のことを表し、⽇本語では転換点または臨界点と訳さ
れます。まだ⽇本では⽿慣れない⾔葉ですが、以前より気候科学の分野で使⽤されてお
り、地球温暖化による気候変動が⼀気に進んでしまう時点のことを気候のティッピングポ
イント(CTP:Climate Tipping Point)と呼んでいます。また逆に、こうした気候変動の
流れを⾷い⽌めるポジティブな取り組みが、⼀気に社会に広がっていく転換点のことを
社会的ティッピングポイント(STP:Social Tipping Point)と呼び、どのような活動がこ
うした現象を⽣み出すのか、とくに欧⽶において研究が活発化しています。
アンケート調査の中では、こうしたティッピングポイントの認知度をはじめ、気候変
動によって現実に被っているロスやダメージの状況、脱炭素に向けたテクノロジーの認
知度、最後に社会的ティッピングポイントの認知度と期待されるアクションについて質
問をしています。
本調査はティッピングポイントに関する⽇本で初めてのものと考えます。そして、こ
の調査結果が⽇本の脱炭素化に向けて、より⼤きな社会的ティッピングポイントを⽣み
出すきっかけになることを願っています。
〈推進事務局〉
気候⾮常事態ネットワーク(CEN)/NPO法⼈ゼリ・ジャパン
事務局⻑
⽵内光男
株式会社⽇本能率協会コンサルティング(JMAC)
常務取締役
⻲ケ森昌之
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