徐々にあがる要求のハードル 物流に求められることとは企業にとって、物流は必要不可欠な工程だ。90年代以降、多くの企業はこの工程をアウトソーシングすることでコストダウンを図ってきた。しかし、昨年後半から、この物流分野の再評価・再構築をしようという動きが加速している。「企業の置かれた経済環境の悪化に伴い、外部流出コストである“物流”のコストダウンを目指そうというわけです。けれども、ずっとアウトソーシングを行ってきたがゆえに、荷主である企業側には評価や改善、管理のノウハウが失われてしまったケースが非常に多いのです」長年この領域を専門とし、多くの案件を手がけてきたロジスティクス・ソリューション・センター長、小澤勇夫は現状をそう語る。 ブラックボックス化した物流ノウハウを取り戻す!物流のアウトソーシング化は、企業に一定のコストダウン効果をもたらした。しかし、企業はそれによって別の課題に直面している。「たとえば、同業他社と比べてリードタイムを1日短くとか、小ロットでも提供できるといった物流での付加価値をつけて、事業そのものの競争力向上を目指したいと考えている企業があるとします。ところが、アウトソーサー側である物流業者にはこうした要求に応える体制がなかったり、頼みたい企業自身が内部の生産部門や営業部門とどう連携したらいいのかわからないといった現象が起きて困っているのです」この問題を解決するには、物流担当部門が原材料調達から製品の到着までの工程を管理する機能を取り戻し、どのような改善をすれば目標を達成できるのか、物流工程を再構築する必要がある。「アウトソーシングへのリクエストは複雑・高度化していく方向にあるにもかかわらず、物流業務が企業にとってブラックボックス化している現実に注目すべきでしょう。今回の不況で発生した自社内の余力を物流分野で活用しようと考える企業も少なくないため、この点は大きな課題といえます。もっとも、アウトソーシング自体は今後も進行していくと思いますが、すべてを任せるのではなく、業務の中身を見える形にする、見る機能を取り戻すことが重要なのです」単に製品を運ぶだけでは完結しない業務になりつつあり、今後、荷主と物流業者の関係も変化していくと小澤は考えている。 荷主と物流業者双方にメリットを! 現場主義だからこその解決策実際にJMACへの依頼主は、荷主である企業または物流業者のどちらかだが、いずれの場合でもコンサルティングそのものは2つの企業に行わなくてはならない。そこで効果を発揮するのが、“2つの企業双方の立場でコンサルティングができる”というJMACならではの対応力だ。JMACには製造業である荷主の業務改善と、物流業者の業務改善を同時に手がけるノウハウがある。「たとえば、物流業者だけにコストダウンを要求する方法では、それによる品質の低下など、長期的に見たときお客さまにとってマイナスになることもあります。どちらにとっても実現可能な改善案で、且つ最終的に企業目標を達成できるようにお手伝いしなくてはなりません」 |
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