ビジネスインサイツ49
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- Human & Organization
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IT ホールディングスグループ TIS 株式会社
これまで様々な組織変革に技術 KI を活用し、社内に広く 浸透している TIS 株式会社。同社は 2011 年 4 月に 3 社 合併した。それぞれの文化、風土の融合を図りつつ、合 併シナジー効果を出そうと、全社的に技術 KI を展開させ た。その導入のプロセスや成果、今後の展望についてお 聞きする。
常務執行役員 コーポレート本部 副本部長 コーポレート本部 人事部 人材育成室長
後藤 康雄
Yasuo goto
竹川 智子
Tomoko Takekawa
もって言ってくれたことで、早い段階で手を打ちプロジェ クトを修正することができたんです」 直接メールや口頭では言い出しにくいことも、一堂に会 する対面の場だからこそ発信でき、建設的な議論ができる のだ。技術 KI は現場との距離を縮め、適切な手を打つた めの有効なマネジメント手法だと後藤氏は話す。
うという仕事のやり方でした」 (後藤氏) そのためソランもユーフィットも比較的上意下達がはっ きりした中での仕事が中心で、特定の問題解決手法を全社 的に導入する必要性に迫られていなかった。つまり、それ ぞれの文化風土の違いにより、マネジメントスタイルも異 なっていたと言えるだろう。
3社合併! 新生 TIS 誕生
そんな中 2011 年 4 月、TIS はソラン株式会社(以下ソ ラン) 、株式会社ユーフィット(以下ユーフィット)と合 併した。IT ホールディングスグループ内で親和性の高い 3 社ではあったが、 当然企業文化や風土は 3 社 3 様に異なっ ていた。 「TIS はどちらかというと、SI 志向。我々から顧客へ提 案し、受注してしっかり仕上げ、次の運用までつなげてい こうというスタンス。ユーフィットもそれに近いところは ありますが、大きく違う点は生い立ちが銀行系というこ と。傘下の企業と一緒にシステム開発をやってきた経緯が あり、顧客がある程度はっきりしていたんです。ソランは 顧客がある程度コントロールする中で、役割をきっちり担
TIS流 組織・文化の融合は、 技術KIで共通言語から
しかし、文化・風土は違えど、3 社合併のシナジー効果 を生み出す仕組みづくりが不可欠だった。 文化風土の違う人材が入り混じっていく中で、業務の標 準プロセスであったり、企業文化の融合を早期に図ってい く必要があった。そこで、共通のコミュニケーション手法 として技術 KI を全社に再展開した。 「現場でやる仕事の手順、考え方というのは統一した方 がいい。技術 KI のいいところは、直接仕事そのものに対 して手順化をしていることで、どんな仕事にも適用できる 点。我々の仕事は、チームで一つのソフトウェアを作り上 げるものですから、個人の能力とチームとが両輪となり、 生産性をあげていくものだと思うんです。そういうところ
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