ビジネスインサイツ49
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毎回、革新、成長を続けている企業のトップに 経営哲学や視点についてお話しを伺います。 インタビュアー:JMAC
代表取締役社長 鈴木 亨
~ニーズは身近なところにあり。 「気づき」こそさらなる飛躍の鍵だ~
社員の意識と組織の変革で 閉ざされた会社を開国へ導く
森下仁丹株式会社
過去の経験に引き寄せられた 森下仁丹への道
鈴木: 2003 年、経営危機的な状況の中、駒村社長は森下 仁丹へ入社されました。まずはそれまでの経緯についてお 話しいただきたいと思います。 駒村:私は元々三菱商事で、スペシャリティケミカル、い わゆる精密化学品の分野で輸出主体の業務に従事してい ました。70 年代後半から 80 年代にかけ、オイルショック 等を契機に「商社の冬の時代」が到来し、商社もいわゆる コーディネーターの役割から自らリスクを取り、事業投資 をしていく方向に舵を切ったんです。私もその流れに乗っ て、イタリアでスペシャリティケミカル分野のある事業会 社を買収。さらに 96 年からその会社の事業規模拡大に伴 い、現地で実際に経営に携わることとなり、そこでフッ素 化の技術においては世界トップクラスに持ち上げるまでに 至りました。 そんな中、イタリアでの赴任の年限があける 2003 年頃、 商社を取り巻く環境はさらに変化し、資源やITや流通関 連が主流の時代になっていました。スペシャリティ分野で 生きてきた私にとっては、総合商社という枠組みの中でこ
の先の自らの将来を考えた時、これまでの経験をより活か せる分野にチャレンジしたいという思いが勝り帰任を待た ず辞表を出したんです。時を同じくして、森下仁丹で経営 立て直しのため人を探しているという話が私に舞い込みま した。それが私と森下仁丹との出会いです。
挫けない強さを育んだ イタリアでの事業経験
鈴木:大阪の老舗オーナー企業へ単身で乗り込んでいく。 そういう面で不安はなかったですか? 駒村 : 当時の私にはそういう思いは全くありませんでした。 それはイタリアでの事業経験で鍛えられた耐性があったこ とが大きいでしょう。そこでの相手は大半が外国人。社員 はラテン系気質の人々です。仕事はイタリア国内に留まら ず、世界的なマーケットに対応して、多種多様な国籍の人 を相手にするのがルーティンワークでした。ですから、日 本的な価値観やモラルでは判断できない事の方がはるかに 多く、厳しい経営環境で挫けない強さと折れない柔軟性が 育まれたんだと思います。 また、元来、イタリアはオーナー企業が多い。それに、
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創 業 : 1893 年(明治 26 年)2 月 資 本 金 : 353,740 万円(2013 年 8 月 31 日現在) 従業員数 : 280 名(2013 年 3 月現在) 主な事業内容:医薬品、医薬部外品、医療用具ならびに 食品等の製造および販売
本年、創業 120 周年を迎える森下仁丹は、今や「シーム レスカプセル」に代表される最先端技術企業として、年商 約 100 億に達する優良企業だ。しかし、駒村社長が入社 した頃には市場からやむなく退場という瀬戸際にまで追い つめられていた。古い企業体質や従業員の意識をいかに改 革し、企業再生を図ったのか。そのプロセスや今後の戦略 について駒村社長にお聞きした。
駒村 純一
私がイタリアで買収した企業を経営するときも、自分が オーナーの気概で経営にあたりました。相手がオーナーだ からと言って構えたり引いたりするのではなく、自然体で 飛び込めたのではないかと思います。 分野は異なりますが、 その時の経験が森下仁丹の企業規模、売上高から見てどこ か通ずる点が多かったことも、同社へ思い切って飛び込ん だ理由のひとつかもしれません。
代表取締役社長
ブランドへの過信が強く、いいモノを作れば放っておいても 売れるだろうという感覚から抜け切れていなかったんです。 その上、自分達の会社を拡大しよう、企業を大きく育て ようという意識も希薄でした。そんなことをするよりも、 今までやってきたことを踏襲し、これまで通りのんびり やっていれば、当時の業績くらいは維持できるとどこか考 えていたように見えました。 しかし、その考えはもはや通用しなくなっていました。 私の入社時点で多額の損失計上が懸念され、一つ間違える と債務超過を起こして市場から退場してもおかしくない瀬 戸際の状況だったんです。ですが、社員は皆危機感など感 じていなかった。というより、会社の真の実態を理解して いなかったのです。
Junichi Komamura
閉ざされた組織は 窮地に立たされていた!
鈴木:実際に森下仁丹へ入られて様々な違いに驚きも感じら れたかと思います。当時の状況についてお聞かせください。 駒村:いざ森下仁丹に入ってみると、とにかく大変な状況 にありました。会社の中で社員は皆、一つひとつの点の集 合体。どういうことかと言うと、つながりある線や組織と いう面を作っているわけでもなく、社員という点がポツポ ツ点在して、ところどころでいくつかの小さな集まりを 作っているような状況でした。IT 環境に例えると、まさ に LAN、Local Area Network のような感じです。 外に対しては鎖国状態。結局は森下仁丹の過去のやり方や
自分の常識は非常識!? 気づきを持てば視野は広がる
鈴木:変革の過程で、土台となる社員の意識改革、組織風 土改革に取組まれたと思います。その仕掛けやご苦労など についてお聞かせください。 駒村:社員研修やセミナーなどを実施しましたが、そうい
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う教育は殆んど機能しませんでした。当時はとにかく事な かれ主義で日々楽しく仕事ができさえすればいいという状 態でした。ですから、学習意欲が湧いて来ない。そこで、 できるだけ多くの社員と話をする場を設けました。自分の 業務に関するケーススタディーです。最初の頃は、週に1、 2度夕方 10 人前後に集まってもらい、気楽にフリートーキ ングの場を設けました。といっても、しゃべるのはほとん ど私だけの状態でした。なぜなら自分の思っていることを 人の前で表現するという経験を多くの人がもっていなかっ たからです。だから逆にこちらが質問を用意して、まるで インタビューでもするかのように、私が質問しては聞き出 すということを繰り返しました。 まさに暖簾に腕押し。孤立感を強く感じながら、それでも 挫けず 2 年以上の歳月を費やしたんです。その過程で、違う 世界を見てきた中途採用者が徐々に増えていき、彼らを中心 にだんだん会話が弾むようになりました。転職歴のある彼ら が新しい風を吹き込むことで、閉ざされた環境にいた社員達 も、もしかするとこれまでの自分の常識は非常識で、外の常 識は違うのではと感じるきっかけになったんです。 もう一つは「気づき」です。当時の社員は物事を点では 見られるのですが、その周辺に関連するヒントや可能性、 活用できる要素があるのにそれを見つけ出す意欲に欠けて いたんです。そこで、 とにかく雑学でもなんでもよい、 様々 な物事に興味をもってもらい、そこにある情報が少しでも 仕事に関連すればいいからと、 常日頃から 「気づき」 をもっ てもらうように促しました。要は常に好奇心を持ち、身の 回りの情報に、もしかしたら商品のニーズがあるかもしれ ないという疑いの目やアンテナを張り、視野を広げてもら えるような取組みを始めたのです。そんな気づきが結果に 繋がるに連れて、 社員の視野が徐々に拡がって行きました。 もちろん、どんな仕掛けをしても、全く響かず変わらな い人がいるのも事実です。だからそういう人に対しては、 具体的にそのポジションで必要なことを上げ、ある時点が きた時にそれが達成できなければ、ポジションを替わって もらいました。そうして結果的に若い人がそのポジション に就くようになっていったのです。あの時点では変われな い人が組織の中枢を占めると改革はできません。一方で無 秩序に変わればよいと言う訳でもなく、変われなかった人 達にも適所が存在したのです。そこのパワーバランスを上 手く使うことも組織改革には不可欠なのです。
自社の技術をマーケットへ どんどん打ち出せ
鈴木:御社の技術力をマーケットにどんどん発信していく ことにも重きを置かれていますね。 また SNS でも自社ペー ジを Facebook で設け、そこで多くの社員を登場させる など、外向きの発信に重点を置かれています。どのような 視点や意図をお持ちでしょうか? 駒村:これまで展示会では自社商品の PR が中心で、たと えばこういう技術を持っていますというアピールはしてこ なかったんです。今オープンにしている白蟻の擬似卵や、 レアメタルを回収するシームレスカプセルの技術について も、国内外の展示会に多数出展し、広告やニュースリリー スもどんどん出して、弊社はこういう特許も取得しました という情報を積極的に打ち出しました。そういう地道な活 動を通し、 メディアからも注目を浴びるようになりました。 展示会はどうしても B to B 中心です。業界では知られ ていても、消費者向けになると、まだ古いあの「仁丹」だ けをやっている会社と思われがちなんです。だからメディ アへ積極的に打ち出すことで、こういう技術を生かした B to C の製品であったり、弊社が今どういう風にヘルス ケア分野の中で変わっていっているのかを盛り込んでもら い、徐々に森下仁丹が変わってきたという印象を消費者の 方に持ってもらえるようになりました。
飛躍のカギはニッチと ソリューション型ビジネスにあり
鈴木:社長ご就任から今年で 7 年目を迎えられます。こ こまで企業改革を押し進められ、業績面でも売上高約 100 億に達するまでに成長されました。ここからさらに企業と して飛躍されるために、今後の御社の戦略、方向性につい てどのようにお考えですか? 駒村:ステレオタイプや追従型ビジネスでは勝機はありませ ん。やはりターゲットとなるのはニッチです。隙間を見てい く、つまり市場の中の穴ぼこだったり谷間だったり、ニーズ があるにも関わらずシーズがないというところを攻めたいで
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Junichi Komamura
駒村 純一
1950 年 1973 年 1973 年 1997 年 2003 年 2005 年 2006 年
東京都生まれ 慶応義塾大学工学部卒業 三菱商事株式会社入社 同社イタリア事業投資先 Miteni 社社長 森下仁丹株式会社入社 専務取締役に就任 代表取締役社長に就任
すね。それを満たす財がないというところが日本にも、海外 にもまだ残っているのが実情です。言い方を変えれば、問題 を解決するソリューション型ビジネスを展開したい。 たとえば、弊社はジェネリック医薬品を数品もっていま すが、まだできるのではないかと。ここでシームレスカプ セルに結びつくわけです。他社がやっている剤型を追従し ても二番煎じにすぎません。また、バイオ医薬やワクチン においても、包むという技術は今後非常に重要になってく るでしょう。 シームレスカプセルは仁丹の将来を担う技術です。まだ 業績面でそれほど飛躍している訳ではなく、プロセスの途 中ではありますが、産業用用途への展開を視野に、いくつ か事業の具体化ができてきたところです。シームレスカプ セルはナノやマイクロカプセルと違い、目に見えるもので すよね。形状的にも技術的にも超先端の技術ではないにし ても、 目に見えるという点である種の安心感がある。また、 ばらつきなく均一の粒を自動で作るのは想像以上に難しい のです。そういう物性面でのメリットを優位性として捉え て、あとは既存の技術や手法に対し、競争力を持ちつつ、 それに適した用途をしっかりつくりあげることが重要だと 考えています。
これまでの駒村社長のご経験をふまえ、これからの日本企 業の経営者、経営幹部のあるべき姿についてお聞かせてい ただきたいと思います。 駒村:よく日本では「タイプ別社長」のように、経営者を 分類したようなものを目にしますよね。 私は先人の踏襲であったり、過去の経営者モデルに捉わ れる必要はないと思うんです。これからの経営者は「自分 流スタイル」をつくることが大切。たとえば昨今の TPP 問題にしても、市場や構造など取り巻く経営環境が変われ ば、それに伴い価値観も変わるわけです。だからもっと外 に目を向け、身の回りや世界では何が起きているのか、常 にアンテナを張り情報収集に励んで、分析・判断する力が トップには必要になってくるのです。 そして、あたり前のことですが、経営者は世界中の現場 を自ら知ることが重要です。ともすれば国内での評価が高 まると動きが鈍りそこに安住しがちです。よく日本のトッ プは外向性に欠けると言われていますが、言葉の壁などを 理由にせず、もっとディプロマティックに相手とコミュニ ケーションをとって、情報を自ら取りに行こうとする姿勢 と行動力が大切です。 今の経営者は、先人の踏襲、真似だけでは到底やってい けない時代。目を外に向けて、色々な情報を収集し、分析 し、何より求められるのは「自分流スタイル」だと思いま す。但し、 周囲から支持されない「自(利)己流スタイル」 ではいけないので、視野を広くもって自分研鑽に努めたい と思います。
過去に囚われるな。 必要なのは「自分流」
鈴木 : それでは最後に、 Business Insights の読者層に向け、
鈴木亨の
対談を終えて
会
ひとこと
社の風土や社員のマインドを変えるためのポイント、それは「気づき」であ ると駒村社長は仰っています。 「気づき」を如何に仕掛けていくか。社内に
対するインパクト、 社外に対するアピール等、 ポイントとなるお話をお伺いしました。 今回、何よりも重要なことは、トップも含めて社員全員が過去に囚われない行動を起 こす事であると改めて認識しました。
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改革を経て攻めの姿勢へ転じる! 新たな文明堂銀座店の歴史が始まった
ビジネス成果に向けて JMAC が支援した 企業事例をご紹介します。
組織変革で 「本物のカステラ」の 伝統を後世へつなぐ
株式会社文明堂銀座店
文明堂グループは創業 113 年という歴史ある老舗 企業だ。関東および東北・北海道を販売エリアと する文明堂銀座店は、震災等度重なる苦難を乗り 越えてきたが、古い企業体質が足かせとなり、厳 しい経営状況から抜け出せない状態が続いてい た。そんな中、本物のカステラの味と伝統を守る ため、痛みを伴う組織変革を断行した。改革を通 し文明堂銀座店はどのように変わっていったの か。これまでの取組みを紹介する。
吉川 精二
取締役社長
Seiji Yoshikawa
度重なる苦難を乗り越え 老舗の歴史は続く
「文明堂」のルーツを辿ると、明治 33 年、長崎の地で カステラを中心とする菓子製造販売業を創業した頃まで遡 る。かつて伝統産業の老舗や商家では「暖簾分け」は珍し いことではなかった。 「文明堂」も大正 3 年に東京へと進 出し、昭和 28 年には勝どき工場を開設。その後株式会社 化や、分社化を経て「文明堂銀座店」が誕生した。今もカ ステラへのこだわりと職人の技を継承する歴史ある企業で ある。
その長い歴史の中では、関東大震災、第二次世界大戦と 様々な苦難を乗り越えてきた同社だが、2011 年、東日本 大震災で再度被災し、甚大な被害を被った。当時の状況を 吉川精二取締役社長はこう振り返る。 「当社の船橋工場は京葉食品コンビナートにあるんです が、ここは埋立地でして、実際に中の設備は相当動いたり 傾いたりで、再稼働までに約 2 週間くらいかかりました。 また、宮城の東北営業所は鉄筋だったため評価としては半 壊までに至らなかったものの、実際には外壁もひどくひび 割れ、退去も考えなくてはならないレベルまで被害を受 けたんです」 。自社の生産機能がストップしたことに加え、 お客様も多い東北の営業拠点を被災した影響が重なり、し
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震災で被災し、被害を 受けた東北営業所が新 しく生まれ変わった。
ブルーシートで覆われた外壁 ばらく売上など期待できるような状態ではなかった。 一方同社では震災以前から老舗企業ならではの課題も抱 えていた。社員はお客様目線の意識が薄れており、今まで と同じことを続けていれば良い、また変えることができな い組織体質も目立っていた。 「たとえば商品開発でいうと、カステラはガリバー的な 商品。長らくお客様にも信頼いただいていますし、老舗専 門店ならではの役割があるんじゃないかと。だから、 『あ の文明堂が?』と言われるような思いきったことができな かったんです」 (吉川社長) カステラは 10 斤、12 斤という木枠があって、風味を損 なわないよう、食べる直前に切る、またはちぎって食べる のが一番おいしいのだ。しかし、顧客や市場のニーズが変 わる中、ある種そういうタブーにも踏み込まないとタイム リーにマーケットへ対応できなくなっていた。思い切って 固定観念を捨て、 客観的に物事を見られるような柔軟さが、 当時の文明堂には求められていた。 もらいたいという強い想いがあり、常駐でコンサルタント に入ってもらったのです」 (吉川社長) 。従来にない常駐型 の経営ボードメンバーとして抜擢されたのが、シニア・コ ンサルタントの溝口直樹だった。 当時の状況について溝口はこう振り返る。 「文明堂銀座 店は老舗としての、 『カステラの本物さ』 を持っていました。 ですが、それだけでは全国的にこのブランドを守り続ける のが厳しい状態だったのも事実です。また、 『カステラの 本物さ』へのこだわりが、高コスト体質にも繋がっていま した」 カステラは昔から日本人に馴染みのある菓子。また三笠 山、 世に言う 「どら焼き」 もそうだが、 人気があるがゆえに、 老舗ブランド品に追従した商品を他分野からの参入も含む 多数のメーカーが投入してきた。味・価格帯・サイズ・日 持ちやフレッシュ感も千差万別な商品が市場に多く出回っ ていた。こういった商品とも戦わなければならない。昔な がらの老舗の味を知っている人ばかりが消費者とは限らな い。本物の味を知って欲しいというフロントランナーの意 地をかけた戦いが始まった。 「ただマーケットを追いかけるのではなく、老舗の味を 守っていくために、市場でこういう商品と戦って構図を ひっくり返さないと。危機感と老舗としてのプライドを 持って、打ち負かす必要がある。それがここに来た私の使 命」と、溝口は語る。
二人三脚ではじめた組織の 抜本的改革
そのような厳しい経営環境下、今から約 1 年半前、吉 川氏は社長に就任する。決して楽な船出ではなかった。そ こで、古い体質を見直し、新たな文明堂銀座店へと再生す るために、JMAC へ支援を依頼したのだ。 「元々、当社は JMAC さんとお付き合いがあったのですが、他のコンサ ルティング会社と違い、戦略を立てるだけでなく、現場に 入り込み、事実を掴んでフレキシブルにカスタマイズして いただけるところに期待して支援をお願いしました。そし て、今回はじっくり腰を据えて二人三脚で経営改革をして
痛みを伴う改革の末、戦え る素地が生まれ始めた
もちろん、ひっくり返すといっても容易ではない。まず は収益をあげ、品質、製造、商品開発、営業、流通、販売、
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銀座の一等地に、2010 年リニューアルオープ ンしたアンテナショップ東銀座店カフェにてイ ンタビューに応える吉川社長
コストに至るあらゆる面で総合的にバランスをとって、競 争力を高めなければ市場で打ち負かすどころか、生き残れ ない。そのためにも、強い「文明堂銀座店」へと変革して いく必要があった。 「老舗の体質では、元々下から上へボトムアップしにく い風土があったのも事実です。また、新しいものを受入れ ずらい組織ではありました」と吉川社長は言う。 そんな古い体質を変革すべく、今回の改革で大鉈が振る われた。 「社長は『陽』 。表舞台で社員へ前へと進むメッセージを 発信し、 リーダーシップをとって引っ張る役割です。一方、 私は 『陰』 。 社長の黒子として改革を実行する役割なのです。 そこはまさに二人三脚でした」と、溝口は話す。そんな改 革の過程での象徴的なエピソードを吉川社長は語る。それ は物流における大きなトラブルだ。 全社の業績改善とコスト削減を進める中、物流面でもコ スト削減方法を模索していた。当時は埼玉にある委託先に 箱詰めから配送まですべて委託していたが、その委託先で は専用の作業場所を確保して業務を行っていたため、業績 が悪化して物流量そのものが減る中でもコストダウンへの 協力が仰げなかった。ちょうどそのころ、工場が勝どきか ら船橋市へ移転する。物理的な距離の問題も加わり、食品 コンビナートという場所柄、移転を機に3PL の形で物流 業者変更を行った。しかし、蓋を開けてみれば、理想とは かけ離れたひどい状態に陥ったのだ。 「お歳暮などの物流量が増える繁忙期に、物流がパンク して対応できなかったんです。もう欠品だらけという有 様で、お客様にも大変ご迷惑をおかけしてしまいました」
(吉川社長) 。これでは死活問題。すぐさま社長を筆頭に工 場の人間まで総出で夜通し対応にあたったものの、結果的 にすべてをカバーできず、信頼を損ねて一部の顧客を失っ た。これまで業者に丸投げしていたがために、社内にデリ バリーノウハウなるものが全く残っていなかった。まさに 自社の抱える弱点が露呈した出来事だったと吉川社長は振 り返る。 しかしこの物流問題解決を通して感じられた変化もある という。各セクションの次世代を担う 40 代の社員達が自 主的に動いた。全社のことを理解し、自部門の役割を考え 行動し始めたのだ。今では物流問題は解決し、出荷までの 全工程を把握し欠品そのものを防ぐ仕組みも出来上がって いる。 「 『禍を転じて福と為す』ということわざじゃないで すが、ピンチをチャンスに変えた象徴的な出来事でした」 と吉川社長は話す。 一方こうした出来事や、一連の改革の過程で、古い体質 から抜け切れない古参の社員達との別れもあった。 「今回 の改革で離れていった社員がいたことは大変残念で辛い出 来事でした。しかし、組織の体質を変え筋肉質な体制を目 指すには、仕方のない痛みだったと思います。試練を乗り 越え、今では組織が強くなったという手ごたえを感じてい ます」と吉川社長は話す。
「売れ筋(ヒット)商品」 は改革の賜物
自社の現実を直視するために、吉川社長が就任後すぐに
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行ったことがあるという。 それは個室だった社長室を出て、 社員の執務エリアへ席を置いたことだ。 「一人ひとりの顔 も見えますし、電話でのトラブルも全部もれ聞こえる。な んだってすぐに対応できる訳ですよ」 (吉川氏) 。社長は身 近な存在になり、社内の風通しは当然よくなった。 そして、商品開発許可や社内決裁のスピードアップにも 取組んだ。 「開発許可が欲しければダイレクトに社長に持っ ていける。昔の古い体質の時は、1週間かかったものが今 では1日で済むこともあります。とにかくスピーディーな ところが今までと大きく体質が変わった点」と、吉川社長 は話す。すぐに提案が承認されればやりがいも生まれ、当 然マーケットや新製品に対する意識も変ってくる。 そのような中で、今、売れ筋商品も生まれてきた。 「今 回ヒットしたのは、 夏のギフト用のセット商品なんですが、 これは実は 40 代の社員たちが中心となって、前年も試し た商品でした。その上で、売れ筋商品群や価格ゾーンなど を分析し、ボリューム感も出し、商品力を高めた商品だっ たんです」 (吉川社長) 今、この年齢層の社員が中心となり、新たな取組みとし てトライアルしているものがヒットしつつあるという。 「昔 の商品を 2 年、3 年と継続して売り込んで、お客様に買っ ていただける時代ではありません。それを社員が認識して 新商品をどんどん出していくという意識に変わってきてい る。それは改革の賜物であり、その結果こういうヒット商 品も生まれているんです」と吉川社長は話す。
「本物」のカステラ文化・ 伝統を後世へ伝えたい
最後に、これからの商品戦略について吉川社長は語る。 「当社は直営店もありますし、流通チャネルとして百貨店、 量販店もあります。それぞれがどういう顧客をターゲット にしているかで、売れ筋となる商品構成や品ぞろえ、価格 帯もかわってくると思うんです。それを精査しないといけ ない。単に量販店向けが安ければいい訳じゃない。価格は もちろんですが、見栄えやボリューム感といったバランス が大切なんです」 。その上で、フラッグシップの直営店の 存在が意味を持ってくる。 銀座界隈にあり、 ハイクオリティ な商品を求める顧客に支持されているという 「ブランド力」 があるからこそ、 また量販店向け商品も生きてくるわけだ。 文明堂銀座店はまだ改革の真っ最中だ。 「着地点を目標 値へより近づけられるよう、この1年が勝負になります。 なんとか結果を出し、ゆくゆくは次世代の幹部たちへ安心 してバトンタッチできるような基盤がつくれるよう、引き 続き JMAC さんにはサポートいただきたいですね」 (吉川 社長) 古い企業体質改善を図りつつ、カステラの伝統や文化を つなげていく。まだ改革ははじまったばかりだが、 『本物 のカステラ』を後世に残すため、新たな「文明堂銀座店」 として既にチャレンジは始まっている。本物を届ける老舗 店が顧客ニーズやマーケットに対応してどういう商品を投 じてくるか、これからの同社の戦略に期待したい。
「伝統」と「進化」 、
高めて勝ち抜く
顧客目線での
商品力 ・ 販売力を
担 当 コ ンサルタントからの一言
シニア・コンサルタント
「静」から「動」の企業力&体質力が 菓子業界・老舗企業の生き残りの道
菓子業界は、震災影響および第一次顧客である流通業界の構造変化により、 厳しい状況が続いている。その結果、体力の無い・体質変化の出来ない老舗 企業の淘汰が始まっている。 日本人の「食」への要求は、さらに肥えていく。しがらみを捨て、その要求 に足元(コスト)をしっかり固めながら、タイムリー&スピーディーに、老 舗の味とブランドを守り&高めて、必死になって応えていく。ピンチは最大 のチャンス。 老舗企業には、 激しい競争を勝ち抜く潜在的ポテンシャルがある。
溝口 直樹
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Human
&
人と組織(チーム)の力を最大化することを目的に JMAC が 支援した企業事例をご紹介します。
Organization
技術 KI による共通の 業務推進基盤づくりで 新たな風土・文化づくりに貢献
技術 KI が現場との 距離を縮めた
TIS 株式会社(以下 TIS)は 1971 年に株式会社東洋情 報システムとして設立以降、金融業や製造業をはじめとす る幅広い業種の企業において、基幹システム構築、運用等 を手掛ける大手システムインテグレーターだ。2000 年に 現社名へ変更し、その後も様々な IT 関連企業との M & A を経て、事業規模を拡大。2008 年 4 月には株式会社イ ンテックホールディングスと同社とで共同持株会社「IT ホールディングス株式会社」を設立した。現在は同グルー プの中核企業である。 TIS は 1995 年頃より QMS (品質マネジメントシステム) 構築を本格化させ、技術 KI(Knowledge Intensive Staff Innovation Plan:知識集約型スタッフの生産性向上)の 全社導入を図った。 「当時、私は部長になる前くらいでした。技術 KI に初 めて触れ、それ自体の内容についてはすごくいいものだと 思ったのですが、とにかく負荷が大きい。ネガティブにと らえる人が多かったのも事実です」と常務執行役員 後藤 康雄氏は当時を振り返る。しかし、負荷と労力が多い一方 で、部下とのコミュニケーションが増え、現場との距離が
技術 KI の効果性を高める 4つの 活動キーワード
KI は、 「見える化」と「知恵集め」に取り組む活動です
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日常の見える計画 ⇒見える化
計画上で ●全体/アウトプット/課題/問題/異常/手順/ ●一人ひとりの思い/考え ●現場・現物・現実 ●成果…などが見える化される
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ワイガヤミーティング ⇒オープンマインド化
ミーティングで ●全員参加・全員平等 ●定期開催 ●オープンマインドで本音議論不安・気がかり。 モヤモヤアイデアも堂々と他者の意見を尊重 ●笑う・見る・聴く・しゃべる ●マネージャーの意思決定
3
正しいマネジメントスタイル ⇒合意と納得化
マネージャー / チーム間 / チーム内で ●意見の相違 ●イメージギャップ 腑に落とす ●対立部分
Y:やったこと W:わかったこと T:次にやること
YWT(振返り) ⇒改善サイクルの推進力
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●予実差の把握●気づき●仮説検証●課題発掘●次の行動宣言 ●予実差の把握●気づき●仮説検証●課題発掘●次の行動宣
縮まり、これまで見えてこなかった現場の実態と課題が見 え始めたのも確かだ。 後藤氏はあるエピソードを語る。 「2006 年頃、私は事業 部長だったのですが、報告上はうまくいっていると聞いて いたあるプロジェクトについて、発表会の場で一社員が直 接私に訴えたんです。 『後藤さん、知っているんですか? このプロジェクト、トラブっているんですよ』と。勇気を
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- Human & Organization
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IT ホールディングスグループ TIS 株式会社
これまで様々な組織変革に技術 KI を活用し、社内に広く 浸透している TIS 株式会社。同社は 2011 年 4 月に 3 社 合併した。それぞれの文化、風土の融合を図りつつ、合 併シナジー効果を出そうと、全社的に技術 KI を展開させ た。その導入のプロセスや成果、今後の展望についてお 聞きする。
常務執行役員 コーポレート本部 副本部長 コーポレート本部 人事部 人材育成室長
後藤 康雄
Yasuo goto
竹川 智子
Tomoko Takekawa
もって言ってくれたことで、早い段階で手を打ちプロジェ クトを修正することができたんです」 直接メールや口頭では言い出しにくいことも、一堂に会 する対面の場だからこそ発信でき、建設的な議論ができる のだ。技術 KI は現場との距離を縮め、適切な手を打つた めの有効なマネジメント手法だと後藤氏は話す。
うという仕事のやり方でした」 (後藤氏) そのためソランもユーフィットも比較的上意下達がはっ きりした中での仕事が中心で、特定の問題解決手法を全社 的に導入する必要性に迫られていなかった。つまり、それ ぞれの文化風土の違いにより、マネジメントスタイルも異 なっていたと言えるだろう。
3社合併! 新生 TIS 誕生
そんな中 2011 年 4 月、TIS はソラン株式会社(以下ソ ラン) 、株式会社ユーフィット(以下ユーフィット)と合 併した。IT ホールディングスグループ内で親和性の高い 3 社ではあったが、 当然企業文化や風土は 3 社 3 様に異なっ ていた。 「TIS はどちらかというと、SI 志向。我々から顧客へ提 案し、受注してしっかり仕上げ、次の運用までつなげてい こうというスタンス。ユーフィットもそれに近いところは ありますが、大きく違う点は生い立ちが銀行系というこ と。傘下の企業と一緒にシステム開発をやってきた経緯が あり、顧客がある程度はっきりしていたんです。ソランは 顧客がある程度コントロールする中で、役割をきっちり担
TIS流 組織・文化の融合は、 技術KIで共通言語から
しかし、文化・風土は違えど、3 社合併のシナジー効果 を生み出す仕組みづくりが不可欠だった。 文化風土の違う人材が入り混じっていく中で、業務の標 準プロセスであったり、企業文化の融合を早期に図ってい く必要があった。そこで、共通のコミュニケーション手法 として技術 KI を全社に再展開した。 「現場でやる仕事の手順、考え方というのは統一した方 がいい。技術 KI のいいところは、直接仕事そのものに対 して手順化をしていることで、どんな仕事にも適用できる 点。我々の仕事は、チームで一つのソフトウェアを作り上 げるものですから、個人の能力とチームとが両輪となり、 生産性をあげていくものだと思うんです。そういうところ
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TIS において技術 KI の促進にご尽力いただいた 後藤氏(左)と竹川氏(右) 新宿の TIS 本社にて
に技術 KI はとても役立つのではないかと」 (後藤氏) プロジェクト計画はある程度プロジェクトマネジャーが概 略をつくるとしても、その内容自体はチームメンバーへと展 開していかなければならない。その際プロジェクト背景やア ウトプットが何であるか、そのチームの役割が何であるかを 明確にする必要がある。また、さまざまなタスクや課題をば らし、どんな技術を使うのかといったことを議論しながら、 仕事を細分化して見える化する必要がある。その上で、個人 にタスクを割り当てていき、納得して進めてもらうような仕 事の段取りが大切となる。その後はきちんと PDCA でまわ していけばよいわけだ。 「やっていること自体はオーソドックスだと思うんです。 大切なのは同じ概念、同じ言葉で違和感なく仕事ができる かで、それができて初めて新たな知恵も生まれますし、コ ミュニケーションの活性化にもつながると思うんです。そ れを全社に展開していきたかったのです」 (後藤氏)
具体的な施策は三つ。一つは 11 部門を対象にした半年間 のコンサルティングで、もう一つがリーダー向け基礎研修、 そして、三つ目は社内の「推進役研修」だ。 現場部門での円滑な双方向情報伝達と業務課題解決を 狙いとしたコンサルティング実施にあたっては、TIS と JMAC コンサルタントで対象部門ごとに具体的な目標づ くりを喧々諤々やりあった。 「目標づくりにおいては、現 場でのヒアリングも実施。私と事業部長も入り、その内容 を聞いてレビューを繰り返し、合意と納得の上で計画と目 標をつくっていったんです。ですから、最初の段階は 2 ケ 月を掛け、かなり丁寧なスタートだったのではないかと思 います」 (後藤氏) 。その際担当したチーフ・コンサルタン トの中村素子は「今回は部門ごとに活動するため、それぞ れの事業部長とこの活動でどこを目指すのか、そのために どういうコンサルティング方針でやっていくのか、 「そこ までやるか」といわれるレベルまで踏み込んだ計画を策定 しました」と話す。 また、技術KIを受け入れる共通基盤づくりを狙いとし たリーダー向け基礎研修については、実施目的や目標を設 定し、カリキュラムも一から開発。大規模な基礎研修実施 へと一気に進めた。中心となった、コーポレート本部人事 部人材育成室長 竹川智子氏は言う。 「ユーフィットもソ ランも、こういう手法の研修は過去に一度も実施したこと がありませんでした。リーダー層に『これはうちのチーム でも使える!』と実感していただける形にアレンジして作 り込みました。研修の評判は上々。最初の取っ掛かりとし ては、狙いどおりの感覚をもってもらえたと思います」と 振り返る。半年間のコンサルティングとリーダー向け基礎
技術 KI 導入の柱となった 三つの施策
TIS で の 技 術 KI の 取 組 み の 歴 史 は 長 く、 過 去 に Business Insights でもご紹介した「 『New ちけっと』活動 (Vol.39) 」のように、その効果や威力を実際に経験してき た幹部も多い。 「前の『New ちけっと』の時は段階的に導 入しましたが、今回は 3 社合併により全体で技術 KI を実 施するわけで、少しでも評判が悪いと推進できない。満を 持して取り組む必要があったのです」 (後藤氏)
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研修、そして推進役研修、三つの施策が連携して相乗効果 を出したと言える。
会が多くなかった部門でも、複数のチームでマネジメント KI を実施するなど、自分たちから発案し、行動するにま で至っている。これも成果の一つと言えるだろう。
成果は随所で出はじめた
今回、 技術 KI 導入の背景には桑野社長の意向もあるが、 ラインの風通しをよくすることも目的の一つだった。 「合 併したのですから、当然ラインで人材が入り交ざるわけで すね。そんな中、経営層から様々な指示が出た時、うまく 現場に伝えていけるのかという大きな課題がありました」 (後藤氏) 。事業部長から現場の人まで参加する技術 KI 発 表会は、様々なメッセージを伝える有効な場となった。 また、現場サイドでの成果例について「あるチームでは リーダーに仕事が集中し、 抱え込む状態になっていました。 部下が若いから任せられないと思われていたので、ではこ ういうやり方でやってみたらどうかとタスクの見える化を 提案しました。すると、部下は書き出されたタスクを見て 状況を把握し、自ら積極的に仕事を引き受けにいく姿勢に かわりました」と竹川氏は一例をあげる。 「結局、今まで彼らも相談するところがなかったと思う んです。ところが話せば事業部長も他の人も反応し、アド バイスし、一緒に考えてくれる。それを実感すると色々な 情報を積極的にあげるようになった。結果的にコミュニ ケーションが活発になり、風通しもよくなったんです」と 後藤氏は話す。 これまでマネージャー層が部門の問題について話合う機
技術KIの更なる 定着を目指す
今後の課題について後藤氏はこう話す。 「かつて 『ちけっ と活動』の時もそうでしたが、何事においてもマンネリ化 は避けられない。それを打破し、上手く定着させることが 最大の課題です」TIS では技術 KI 定着のため、各部門に 推進リーダーを置き、研修を受けた推進役が技術 KI を部 門内に深く浸透させけん引している。 「我々の仕事はお客様満足度を向上させることが必須で す。顧客満足度をあげることで次の領域確保につながりま すし、ひいてはお客様が競争相手に勝って事業を拡大し、 また我々に仕事を任せてくださる。お客様の成功こそが 我々ビジネスの成功なのです。今後はこれまで以上にお客 様の視点に立った要素も、技術 KI の中に組み込んでいき たい。そういう面からの支援も JMAC さんにお願いした いと思います」と、展望について後藤氏は語った。 2011 年、3 社合併を機に「チーム力向上施策」と銘打っ て展開された今回の TIS 技術 KI は、これまで一定の成果 を上げつつも、まだ会社全体に浸透し、真の威力を発揮す るプロセスの途上だと言えよう。今後も技術 KI を、同社 がさらなるシナジー効果を発揮しつつより一層の風土・基 盤づくりの武器として活用し続けていくことを期待したい。
担 当 コ ンサルタントからの一言
「見える化」することから
職場の変革が始まる
メンバー一人ひとりが
日 常 の 泥 臭 い 課 題 を 語 り、
継続的に改善し続ける組織への第一歩は 「見える化」 から
IT ・ 情報システム業界は、 時代をけん引し急速に成長拡大してきました。 成熟期に差し掛かった現在では、一人ひとりが成長しながら生産性の 高い仕事の進め方をすることが求められています。TIS さんでは「個 人の急速成長」と「チームで戦う力」の両輪をバランスよく展開され ています。 その結果、職場の中に次々とドラマが起こり、継続的に改善し続ける 風土へと変わっています。
チーフ・コンサルタント
中村 素子
「技術 KI」の実践内容に触れ、体感できる機会をご用意いたしました。詳しくは巻末の「Information」をご覧ください。
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Asianization
アジアを中心に「戦略」 「マーケティング」 「人材養成」の 3 視点から JMAC が支援した企業事例をご紹介します。
~農業ビジネスの新たなモデルをグローバルへ~
川下へのビジネス展開で、 「農業生産マルチサポート事業」を 世界へ広げよう
住友商事株式会社
農薬トレードビジネスからディストリビューションへ。時 代の変遷と伴に、農薬事業を川下へと広げていった住友商 事は、2011 年、ルーマニアで農業資材販社アルチェドを 買収した。はるばる東欧の地で、新たなビジネスモデルを 構築していった背景は何なのか。また川下の 3500 もの農 家を相手に、 どのような働きかけ、 サービスを展開していっ たのか。アルチェド買収の意図やプロセスをお聞きすると ともに、今後の戦略、展望についてお話しいただいた。
アグリサイエンス部 部長 アグリサイエンス部
為田 耕太郎
Kotaro Tameda
Takeshi Ishihara
石原 壮
ディストリビューションの 皮切りとなった東欧の地
住友商事は農薬ビジネスにおいて、半世紀以上にわたる 実績を持つ総合商社だ。主に日本のメーカーが製造した農 薬を海外へ販売する役割を担ってきたが、80 年代後半か らの円高進行により、取り巻く環境が一変。さらに追い打 ちをかけるかのように、商社不要論が持ち上がったのもこ の頃だ。いわゆる商権問題も浮上する中で、残ったのは市 場規模が小さい地域やそれなりのリスクを伴う後進国、発 展途上国だった。
「我々だけではなく、どこの商社にも農薬部隊がありま したが、みんな同じ時期、同じ問題に直面していました。 選択肢として、後進国、発展途上国向け農薬ビジネスを対 象とする商社として生き残っていくのか、それとももっと 川上・川下へと守備範囲を広げていくのか。そのほとんど は後者の方に、しかも川下へと舵を切ったのです。 」と話 すのはアグリサイエンス部部長 為田耕太郎氏だ。 そんな中、同社は 90 年代よりディストリビューション へ進出する。ターゲットになったのは東欧。 「北米、西欧 であれば、既に競合大手がいる中で、後発として入ってい かねばなりません。その時点でトレード自体の仕事があま
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ミクロ・マクロの両面から、ビジネスを可視化するという考え方 戦略の理解 多様な業務プロセスの 知識 グローバルな多様性の 理解
方 法 うまいやり方
繰り返し性 信頼性 / 効率性
遵 守 想定通りに実施
安定性
活 用 変動に対応
効率性・柔軟性 季節変動・環境変化
プロセス可視化と評価の技術
現状の 可視化
安定性の 可視化
リスクの 可視化
効率の 可視化
具体的 対策
目的・評価にかなったアウトプット
りなかった訳で、既存商売の延長で入っていくには勝ち目 がないのではと。しかし、東欧は我々が川下へ向かう判断 を下した頃、社会主義体制から民主化されたばかり。つま り、 全くスクラッチの状態からのスタートだったわけです。 ですから競合大手とも同じ土俵で、後発の不利がない市場 で戦える状況だったのです」 (為田氏) そして、 92 年にハンガリー、 94 年ポーランド、 97 年ルー マニアへと販社を設立するに至る。その数現在 24 か国。 それが住友商事の農薬販社であるスミアグログループだ。
アルチェドは 1990 年に設立されたルーマニア最大規模 の販社。国内の約 1/3 に当たる 3500 の中規模農家に、農 薬や種子、肥料などを販売していた。販社ビジネスをディ ストリビューションからさらに掘り下げ、新たな領域へと 深化させていくことを模索していた住友商事にとって、こ れはまさに絶好のチャンスだった。 とはいえ、全く新しいモデルへのチャレンジには違いな い。 「当然、会社の中で最初は総スカンでした。地域は東 ヨーロッパ、債権債務関係となる相手は農家、しかもその 数 3500。 どうやってお金を回収するんだと。 会社を説得し、 承認を得るには、いかにそれを紐解きわかりやすくするか という『可視化』が不可欠だったのです」 (為田氏)
絶好のタイミングで浮上した 農業資材販社の売却話
東欧革命を経て東ヨーロッパでプライベート企業が出 現し始めたのが 90 年代以降。それから約 20 年が経過し、 当時 30 ~ 40 代で起業した経営者たちが、経営の世代交 代を迎える時期にさしかかっていた。そんな中、当時スミ アグロ・ルーマニアの客先だった農業資材販社「アルチェ ド」の売却話が浮上する。
重要なのは「可視化」 そこに JMAC の経験が!
しかし、いざ「可視化」を試みるも、トレードからディ ストリビューションへ入っていった時とは決定的な違いが あった。それはものづくりのプロセスが、これまでの販売
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に根差したところにはなかった点だ。ものづくりにおける 効率化やリスク、改善方法などは、内部だけで進めると大 きなものが抜け落ちる可能性がある。 「以前、実現しなかった別の案件で JMAC にお世話にな り、その時可視化に関してはその道のプロのテクニックが あると感じていたんです。今回についても、顧客と販社と いう接点はありましたが、 その先は農家。 どういうオペレー ションになっているか全体像が見えなかったのです」 (為 田氏) また、 住友商事には投融資委員会という重要案件を審議、 検討する重要なステップがあり、必ずしも農薬に関する専 門知識のない経営層に納得してもらい、承認を得る必要が あった。なおさら可視化は重要だった。そこで外部からの 視点をもって、オペレーション上のリスクと可能性をとら えた可視化を実現することを目的に、今回のルーマニアの 案件を JMAC へ依頼したのだ。 「まず最初に、現状について1時間程度話しました。そ の時点では自分たちの要件も明確に定まっていない状況で した。それが、2 回目の打ち合わせの時、要はこんな感じ のアウトプットを作らないといけないんですよね?と逆に 参考になるものを提示いただいて。それがどんぴしゃり だったというか、確かにこういう風に説明したら、社内で もよくわかるだろうなと。何より当社のニーズをよく理解 されていましたし、予想以上に具体的な絵が見えてきたん です」と為田氏は振り返る。
方によってはそういうリスクもあったのです。そんな中、 結果的に誰一人として退職しなかった。初めて日本人を見 るという人も多い中、向こうによいイメージを残せたので はないかと。そこはありがたかった点ですね」 (為田氏) ま た、今 回 の 案 件 で は ミ ラ ノ に 拠 点 を 置 く JMAC Europe からイタリア人コンサルタントも参画。 「イタリ アの案件ではないにしろ、ヨーロッパ人同士、同じラテン のカルチャーということで、日本人だけより若干敷居が低 くなり、 警戒感が薄らいだというメリットがあったのでは」 と話すのは当時、住友商事で買収を担当し、現在アルチェ ド 経営企画部長 石原壮氏だ。 「実のある情報の取り方は形にはめるのではない。こう いう人たちだから少しやり方を変えよう、いや、こういう 風に接した方がいいなど、お持ちのパターンが一つではな いと思うんです。JMAC のコンサルタントはそういう引 き出しをたくさん持たれていると思いましたね」と為田氏 は語る。 そして、現地調査最終日となった 2010 年 7 月 9 日、現 地での最終報告会が実施された。 「農薬の専門知識がなく、 かつルーマニアも初めてというコンサルタントが、短期間 で上手く図に落とし込み整理して説明されるのにはびっく りしました。我々も社内で農業関連ビジネスについては専 門外の関係者に説明、 説得していかねばならないわけです。 だから専門外の方の視点からフォローされた資料は後に大 変役立ちました」と、その時の状況を石原氏はこのように 振り返った。
慎重を期した現地調査
その後、事前にコンサルタントへ農薬勉強会も行い、あ る程度下知識を積んだ上で現地視察へ赴いた。視察段階で はまだこの話がまとまるかどうかもわからない状態だ。し かも、元々顧客であり、万一話がまとまらなかった場合、 案件が実現できないのみならず、既存のビジネスにも影響 が出かねない。だから、 とにかく慎重を期す必要があった。 「各ラインの上の人間は背景もわかっていますし、情報 も持っている。しかし、その下は情報をシェアしていない 状況。なぜはるばる日本から来た人間に込み入った話を聞 かれるのかと警戒したり、戦々恐々となって、このディー ルが終わった後に最悪退職してしまったりしないか、やり 交渉から約 2 年半、ついに 2011 年 7 月、住友商事がア ルチェドの発行株式の 90%を取得することで合意に至っ た。何より即効性があったのは、資金面だ。 「もともとアルチェドの銀行借り入れ枠は 500 万ユーロ しかなかった。ですから、できるだけキャッシュを生むと ころへと、農薬に 7 割、種子に 2 割強、そして残り少し が肥料という風に儲かる順に運転資金を使っていたんで す。ですが 3500 の顧客が同じ割合でそれらを買っている 訳ではありません。要はこちらの都合でそうなっているだ
必要なのは 「規模、ファイナンス、地縁と人脈」
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けで、サプライヤーがサプライしきれなかった部分という のを、我々が入って資金的に余力ができたことで、今商売 が広がっているわけなんです」 (為田氏) 為田氏はさらに次のように分析する。まず、住友商事が 資本参加して強化された強みはファイナンス力だと。 農業は種をまいて作物ができるまでそれ相応の時間がか かる。収穫してそれを売って初めてお金になる訳で、運転 資金がなければ農業は成り立たない。 「資金調達は農家の 自己資金、 国、 銀行、 流通業者の4つしかない。東欧の場合、 もともと国がやっていたのが急になくなったわけで、市場 はスカスカの状態でした。そんな中で我々が入っていった ときに、資金調達においては他に比べて圧倒的に有利でし た」 。このように規模とファイナンス力については、この モデルで絶対に負けない自信があった。 一方で、住友商事の力をもってしても勝負できない点は 「人脈や地縁」だった。そこで、買収後も現社長にこれま で通り会社の顔を務めてもらい、社員達にも継続して勤め てもらえるよう、住友商事は黒子に徹した。 「当時、サプ ライヤーからも日本品しか扱わなくなるんじゃないかとい う疑念の声が上がりました。我々は自ら価値を毀損するよ うなことはしないし、マネージメントも戦略もかわらない と説明したんです」 (為田氏) いざ仕入れ段階になると、従来より条件もよく、これま で供給できなかった部分をカバーしたり、買いの条件も よくなったと顧客からも好評だった。 「アルチェドがこれ まで築いてきた顧客とのよい関係を変わらず継続できたの は、買収の進め方やその後の入り方によるところが大き
「農業生産マルチサポート事業」の 世界展開を視野に
住友商事がアルチェドを傘下に収め、まもなく 2 年が経 過する。2012 年は売上高前年比 20%アップなど順調な推 移を見せているが、本領発揮はまだこれからだ。買収後、 穀物を保管するサイロを増設し、貯蔵量や買取量を増やす 取組みや、農機の取扱いも始めた。 「これが即ビジネス上 の収益に直結する訳ではないですが、これぞ最大のサービ スで、何より顧客離れ防止につながると思うんです。農機 についても、特定の品を担ぐのでなく、彼らがほしい物の 間に入る。その部分もファイナンスという感じですね」 (為 田氏) こうして川下の農家へ、必要とするものをワンストップ で提供するという新たなビジネスは、今後は農業関連資材 に留まらず、保険や金融サービス、生活資材にまで広げて いく余地がある。これはいわゆる「農業生産マルチサポー ト事業」とも言えるだろう。 今後、住友商事では今回のルーマニアでの成功事例を各 国でカスタマイズしながらグローバル事業として展開する ことを目指している。この新たなビジネスモデルが住友商 事農薬事業の柱になるだけでなく、各国の農家の安定経営 への貢献や、世界の食糧不足問題改善の一翼を担うことに もつながるだろう。今後の同社の農業ビジネスの事業展開 に大いに期待したいところだ。
プロセスの理解は 人 の 理 解 で あ り、 ビジネスの 見通しである。
かった」と為田氏は語る。
担 当 コ ンサルタントからの一言
可視化 はビジネスの A to Z (見える化)
新興国へ進出する、サプライチェーンのポジションを拡張するなど、新たなビジ ネスへのチャレンジには必ずリスクが付きまといます。正しい戦略が、正しくプ ロセスに落とされてこそ、成功が見えてきます。さらに、流通チャネルや現状 の業務プロセスと、新たなビジネスモデルの相違など、関係者が共通に「見え る」ことで、議論が進み、知恵も生まれるのです。大きなチャレンジを、無謀 ではなく、 知恵を出し合って推し進める。成功のスタートは 「可視化」 あります。 住友商事さんは、 ファイナンスだけでなく、 事業の中身にまで踏み込んで評価、 判断され、経営に携わられた点が成功のポイントでありました。
才川 哲治
チーフ・コンサルタント
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ことを大切 JMAC では、一人ひとりの「意」を「育てる」 す。 いま にしています。これを「iik 塾」とよんで タントの「意」 このコーナーでは日々奮闘する若手コンサル を様々な視点でご紹介します。
(い いく)塾 i ik
山本流ワークライフバランスのとり方
コンサルタントという仕事はクライアン トへの訪問を除けば時間の使い方を自由 に設計できる点が特徴です。一方で成果 が全てであり、提供するアウトプットで 評価が決まります。そのために労も時間 も惜しまずに “ヒーヒー” 言いながら日々 自己研鑽にも取り組んでいます。 「平日はクライアントを訪問、 夕方に移動、 夜はクライアントとの食事も多く、休日 は研究会やプロジェクト打合せ+プライ ベート」といったサイクルです。 時間の使い方が自由である一方、仕事を しようと思えばいくらでも時間を掛けら れます。その為、プライベートの時間 は意図して作り出す工夫をしています。 ワークライフバランスをセルフコント ロールすることが上手くなったと思いま す。そのポイントは 3 つ。 ①手帳は家族イベントから埋める
生産革新センター
権でしょうか!) 。また、仕事はどこで もできる特徴も活かし、意図的に自宅で 仕事をする時間を作ります。早く帰り子 供を寝かしてから夜仕事する・或いは朝 早く仕事をすることもできるからです。 家族の理解・協力を得るには触れ合う時 間を長く取ること、それが自身のエネル ギーにも繋がります。最後に移動時間も 無駄にはしません。平日は地方出張も多 く、 移動時間が週 10 時間程度あります。 この時間はできる限り本など読み、仕事 以外のことで学ぶ時間を持つようにして います。 ある面では割り切ることも重要。優先 順位を決め、バランスの取れた充実生活 を目指しています。
②自宅での仕事の時間を作る ③移動中は自己啓発の時間に使う どの仕事でも共通ですが、家族の理解・ 協力なしに生活は成立しません。家族イ ベントは重要ミッションとして、例え平 日でも押さえます(コンサルタントの特
山本 真也
本質を追究し、新たなコンサルティング 技術の確立にむけて
経営コンサルティング事業本部 SCM 革新センター所属の武 今年で 7 年目になります。 新卒で JMAC に入社し、 田啓史です。 今回は、若手コンサルタントが日々どのような学びをしている のか知っていただこうと思います。 所属部門にもある通り、私の専門領域はサプライチェーンマ
SCM 革新センター
武田 啓史
「日本における、本来の SCM に対する認知度の の先生方と、 低さ」について問題意識を共有し、それを解決するための研究
会を立ち上げることになりました。日本においては、SCM の 導入に際しシステム導入ばかりが着目され、本来考えるべきマ
ネジメント(SCM)です。最新の SCM の動向について勉強 をするために、昨年の秋から半年間、出身大学が主催する社会
ネジメントのあり方などが欠落してしまったという経緯もあ り、経営層を中心に SCM がマネジメントにおける有効な考え 方として認識されていません。そこで研究会では「経営者に響
人大学の SCM 講義を受講しました。その講師は大学の先生を はじめ、企業で実務を経験された方、コンサルティング会社の 学びました。
「SCM スコアカード」 、 「SCM 管理会計」 く SCM」を命題に、 といったキーワードで現在取組みをしています。 このような取組みは私だけでなく、JMAC の若手コンサル タントは、それぞれの専門領域で、ネットワークを広げ、対外 活動も含め自己研鑚に取り組んでいます。
方などが務められ、最新の SCM の動向や具体的な事例などを これだけですと、単なる自己研鑚ということになってしまい ますが、この講義を通じて、受講されていた生徒の方々や講師
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- グローバル化の進展により、高度化・複雑化が急激に進み、経営環境の変化も激しくなって
確かなコンサルティング技術と改革実行力のシナジーで、 確かなコンサルティング技術と改革実行力のシナジーで、 高度化する経営課題解決に貢献 高度化する経営課題解決に貢献
新生 JMAC 新生 JMAC 発足記念セミナー 発足記念セミナー
﹄ に ﹃ モ ノ づ く り 企 業 ﹄ に お け る ﹃ モ ノ づ く り 企 業 お け る 将 来 ナ ビ ゲ ー シ ョ ン 将 来 ナ ビ ゲ ー シ ョ ン
います。そのため、 モノづくり企業は、 経営の更なるスピード化と効率化を余儀なくされてます。 グローバル化の進展により、高度化・複雑化が急激に進み、経営環境の変化も激しくなって 従来、日本能率協会グループでは、同じDNAをもった2つのコンサルティング会社が、そ います。そのため、 モノづくり企業は、 経営の更なるスピード化と効率化を余儀なくされてます。 れぞれの専門領域を追求してきました。 従来、日本能率協会グループでは、同じDNAをもった2つのコンサルティング会社が、そ この度、 JMACは、経営戦略〜機能改革〜基盤改革を網羅したフルサービス会社(旧JM れぞれの専門領域を追求してきました。 AC)と、 TPMに特化した専門サービス会社(旧 JIPM‑s)が、 統合して、 新時代のコンサルティ この度、 JMACは、経営戦略~機能改革~基盤改革を網羅したフルサービス会社(旧JM ング会社として生まれ変わりました。 AC)と、 TPMに特化した専門サービス会社(旧 JIPM-s)が、 統合して、 新時代のコンサルティ 私たちは、 TPMという確立したコンサルティング技術と、幅広い柔軟なコンサルティング技 ング会社として生まれ変わりました。 術の両面で、皆様に従来以上の改革構想力 ・ 改革実践力で貢献すべく、進化を続けてまいります。 私たちは、 TPMという確立したコンサルティング技術と、幅広い柔軟なコンサルティング技 今回の発足記念セミナーでは、今後の改革の道筋に焦点をあて、モノづくり企業として、日 術の両面で、皆様に従来以上の改革構想力 ・ 改革実践力で貢献すべく、進化を続けてまいります。 本の強みを生かした改革視点を共有し、ご参加企業間のディスカッションを通じて、気付きを 今回の発足記念セミナーでは、今後の改革の道筋に焦点をあて、モノづくり企業として、日 深めていただく内容となっております。 本の強みを生かした改革視点を共有し、ご参加企業間のディスカッションを通じて、気付きを 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。 深めていただく内容となっております。 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
グ 〜 グ 〜 〜〜 ロロ ーー ババ ルル 展展 開開 でで 活活 かか すす 日日 本本 のの 強強 ささ
対 象
対 象 参加費 参加費
製造業の経営者、役員、事業本部長、工場長の皆さま
製造業の経営者、役員、事業本部長、工場長の皆さま ご招待(無料) ※事前登録制。定員になり次第締め切らせていただきます。 ご招待(無料) ※事前登録制。定員になり次第締め切らせていただきます。 14:00〜17:00(各会場とも同じ) 14:00〜17:00(各会場とも同じ)
開催場所・日時 開催場所・日時
10 月 31 日(木) 10 11 月 月 31 06 日(木) 日(水) 11 11 月 月 06 11 日(水) 日(月) 11 11 月 月 11 13 日(月) 日(水) 11 12 月 月 13 02 日(水) 日(月) 12 12 月 月 02 09 日(月) 日(月)
名古屋 ミッドランド会議室 名古屋 ミッドランド会議室 仙 台 トラストシティカンファレンス 仙 台 トラストシティカンファレンス 福 岡 JR 博多シティ会議室 福 岡 JR 博多シティ会議室 富 山 富山国際会議場 富 山 富山国際会議場 広 島 TKP ガーデンシティ広島 広 島 TKP ガーデンシティ広島 東 京 ベルサール八重洲 東 京 ベルサール八重洲
100 名 100 名 50 名 50 50 名 名 50 30 名 名
プログラム(予定) プログラム(予定)
12 月 09 日(月)
30 50 名 名 50 名 100 名 100 名
はじめに 新生JMACのご挨拶 グローバル競争における日本企業の課題
はじめに 新生JMACのご挨拶 グローバル競争における日本企業の課題 競争力ある商品の企画・開発 競争力ある商品の企画・開発 ◎グローバル化における品質/コストの 課題 ◎コストつくり込みのポイント
◎ ◎品質つくり込みのポイント グローバル化における品質/コストの課題
源流での品質つくり込みプロセス ・ チームづく り ◎品質つくり込みのポイント 源流での品質つくり込みプロセス ・ チームづく り りの強みを生かしたモジュラーデザイン ◎日本のものづく コストつくり込みのポイント 設計・生産技術・製造一体のマスタープラン型開発 日本のものづく りの強みを生かしたモジュラーデザイン 設計・生産技術・製造一体のマスタープラン型開発
モノづくりの極限追及
◎生産性・収益性の高いモノづくりを実現
モノづくりの極限追及 ◎ロスゼロを目指した極限追及の活動
◎ロスの未然防止の仕組みづくり
◎継続的改善と現場・現物による実践重視の人材育成 ◎人と設備の体質改善による企業の体質改善 ◎生産性・収益性の高いモノづくりを実現 ◎ロスゼロを目指した極限追及の活動 ◎ロスの未然防止の仕組みづくり ◎継続的改善と現場・現物による実践重視の人材育成
交流型ディスカッション
◎人と設備の体質改善による企業の体質改善 ◎全体意見共有化 ◎全体意見共有化
交流型ディスカッション ◎品質/コストつくり込み課題に対する取り組み方法 ◎直面する課題への相互啓発
■お申込み・問合せ先
◎品質/コストつくり込み課題に対する取り組み方法
◎直面する課題への相互啓発
■お申込み・問合せ先 株式会社日本能率協会コンサルティング マーケティング本部
株式会社日本能率協会コンサルティング マーケティング本部 TEL:03‑3434‑0982 TEL:03-3434-0982
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http://www.jmac.co.jp/service/event/ http://www.jmac.co.jp/service/event/
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