ビジネスインサイツ49
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TIS において技術 KI の促進にご尽力いただいた 後藤氏(左)と竹川氏(右) 新宿の TIS 本社にて
に技術 KI はとても役立つのではないかと」 (後藤氏) プロジェクト計画はある程度プロジェクトマネジャーが概 略をつくるとしても、その内容自体はチームメンバーへと展 開していかなければならない。その際プロジェクト背景やア ウトプットが何であるか、そのチームの役割が何であるかを 明確にする必要がある。また、さまざまなタスクや課題をば らし、どんな技術を使うのかといったことを議論しながら、 仕事を細分化して見える化する必要がある。その上で、個人 にタスクを割り当てていき、納得して進めてもらうような仕 事の段取りが大切となる。その後はきちんと PDCA でまわ していけばよいわけだ。 「やっていること自体はオーソドックスだと思うんです。 大切なのは同じ概念、同じ言葉で違和感なく仕事ができる かで、それができて初めて新たな知恵も生まれますし、コ ミュニケーションの活性化にもつながると思うんです。そ れを全社に展開していきたかったのです」 (後藤氏)
具体的な施策は三つ。一つは 11 部門を対象にした半年間 のコンサルティングで、もう一つがリーダー向け基礎研修、 そして、三つ目は社内の「推進役研修」だ。 現場部門での円滑な双方向情報伝達と業務課題解決を 狙いとしたコンサルティング実施にあたっては、TIS と JMAC コンサルタントで対象部門ごとに具体的な目標づ くりを喧々諤々やりあった。 「目標づくりにおいては、現 場でのヒアリングも実施。私と事業部長も入り、その内容 を聞いてレビューを繰り返し、合意と納得の上で計画と目 標をつくっていったんです。ですから、最初の段階は 2 ケ 月を掛け、かなり丁寧なスタートだったのではないかと思 います」 (後藤氏) 。その際担当したチーフ・コンサルタン トの中村素子は「今回は部門ごとに活動するため、それぞ れの事業部長とこの活動でどこを目指すのか、そのために どういうコンサルティング方針でやっていくのか、 「そこ までやるか」といわれるレベルまで踏み込んだ計画を策定 しました」と話す。 また、技術KIを受け入れる共通基盤づくりを狙いとし たリーダー向け基礎研修については、実施目的や目標を設 定し、カリキュラムも一から開発。大規模な基礎研修実施 へと一気に進めた。中心となった、コーポレート本部人事 部人材育成室長 竹川智子氏は言う。 「ユーフィットもソ ランも、こういう手法の研修は過去に一度も実施したこと がありませんでした。リーダー層に『これはうちのチーム でも使える!』と実感していただける形にアレンジして作 り込みました。研修の評判は上々。最初の取っ掛かりとし ては、狙いどおりの感覚をもってもらえたと思います」と 振り返る。半年間のコンサルティングとリーダー向け基礎
技術 KI 導入の柱となった 三つの施策
TIS で の 技 術 KI の 取 組 み の 歴 史 は 長 く、 過 去 に Business Insights でもご紹介した「 『New ちけっと』活動 (Vol.39) 」のように、その効果や威力を実際に経験してき た幹部も多い。 「前の『New ちけっと』の時は段階的に導 入しましたが、今回は 3 社合併により全体で技術 KI を実 施するわけで、少しでも評判が悪いと推進できない。満を 持して取り組む必要があったのです」 (後藤氏)
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