ビジネスインサイツ49
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Junichi Komamura
駒村 純一
1950 年 1973 年 1973 年 1997 年 2003 年 2005 年 2006 年
東京都生まれ 慶応義塾大学工学部卒業 三菱商事株式会社入社 同社イタリア事業投資先 Miteni 社社長 森下仁丹株式会社入社 専務取締役に就任 代表取締役社長に就任
すね。それを満たす財がないというところが日本にも、海外 にもまだ残っているのが実情です。言い方を変えれば、問題 を解決するソリューション型ビジネスを展開したい。 たとえば、弊社はジェネリック医薬品を数品もっていま すが、まだできるのではないかと。ここでシームレスカプ セルに結びつくわけです。他社がやっている剤型を追従し ても二番煎じにすぎません。また、バイオ医薬やワクチン においても、包むという技術は今後非常に重要になってく るでしょう。 シームレスカプセルは仁丹の将来を担う技術です。まだ 業績面でそれほど飛躍している訳ではなく、プロセスの途 中ではありますが、産業用用途への展開を視野に、いくつ か事業の具体化ができてきたところです。シームレスカプ セルはナノやマイクロカプセルと違い、目に見えるもので すよね。形状的にも技術的にも超先端の技術ではないにし ても、 目に見えるという点である種の安心感がある。また、 ばらつきなく均一の粒を自動で作るのは想像以上に難しい のです。そういう物性面でのメリットを優位性として捉え て、あとは既存の技術や手法に対し、競争力を持ちつつ、 それに適した用途をしっかりつくりあげることが重要だと 考えています。
これまでの駒村社長のご経験をふまえ、これからの日本企 業の経営者、経営幹部のあるべき姿についてお聞かせてい ただきたいと思います。 駒村:よく日本では「タイプ別社長」のように、経営者を 分類したようなものを目にしますよね。 私は先人の踏襲であったり、過去の経営者モデルに捉わ れる必要はないと思うんです。これからの経営者は「自分 流スタイル」をつくることが大切。たとえば昨今の TPP 問題にしても、市場や構造など取り巻く経営環境が変われ ば、それに伴い価値観も変わるわけです。だからもっと外 に目を向け、身の回りや世界では何が起きているのか、常 にアンテナを張り情報収集に励んで、分析・判断する力が トップには必要になってくるのです。 そして、あたり前のことですが、経営者は世界中の現場 を自ら知ることが重要です。ともすれば国内での評価が高 まると動きが鈍りそこに安住しがちです。よく日本のトッ プは外向性に欠けると言われていますが、言葉の壁などを 理由にせず、もっとディプロマティックに相手とコミュニ ケーションをとって、情報を自ら取りに行こうとする姿勢 と行動力が大切です。 今の経営者は、先人の踏襲、真似だけでは到底やってい けない時代。目を外に向けて、色々な情報を収集し、分析 し、何より求められるのは「自分流スタイル」だと思いま す。但し、 周囲から支持されない「自(利)己流スタイル」 ではいけないので、視野を広くもって自分研鑽に努めたい と思います。
過去に囚われるな。 必要なのは「自分流」
鈴木 : それでは最後に、 Business Insights の読者層に向け、
鈴木亨の
対談を終えて
会
ひとこと
社の風土や社員のマインドを変えるためのポイント、それは「気づき」であ ると駒村社長は仰っています。 「気づき」を如何に仕掛けていくか。社内に
対するインパクト、 社外に対するアピール等、 ポイントとなるお話をお伺いしました。 今回、何よりも重要なことは、トップも含めて社員全員が過去に囚われない行動を起 こす事であると改めて認識しました。
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