ビジネスインサイツ50
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Human
&
人と組織(チーム)の力を最大化することを目的に JMAC が 支援した企業事例をご紹介します。
Organization
『称賛と提案』活動で 人・組織の意識と行動を変革!
~職場の活性化が業務品質向上へ~
方向性を共有するには 「ビジョン」しかない
2007 年 4 月に社名変更を経て発足したほくでんサービ ス株式会社は、北海道電力株式会社(以下北電)が供給す る電気に関わるお客さま接点業務を担う北電のグループ企 業である。グループ全体で広大な北海道のインフラ供給に より、道民の生活を下支えしている。同年 10 月、北電本 体の料金部門が同社へ集約される形で、新たに料金事業部 が発足した。 それまで同社の検針と料金請求関係業務は個人事業主と の委託方式であったが、料金事業部発足と同時に彼らを従 業員(パートナー社員)とした。その背景について、取締 役社長 石井孝久氏はこう話す。 「会社組織にした主たる目 的は、効率化と業務品質向上が狙いでした。北海道は過疎 化も進んでおり、 郡部での検針業務は人材の確保も難しく、 チームや組織単位で補っていく必要があったのです。ある 種、時代の流れでもありました」 「 『幻 (ビジョン) がなければ、 民はほしいままにふるまう』 --- 旧約聖書の箴言の中にあるこの言葉は、料金事業部中 長期ビジョン「STart.」の冒頭でも引用されている。この 言葉に込めた意味を、取締役 お客さまサービス事業部長
鈴木裕文氏はこう話す。 「向かうべき方向が明確に示され ていなければ、個々人はそれぞれが良いと思う方向に目を 向け、目指すべき目的も組織もバラバラになってしまいま す。 だから方向性を共有するためにビジョンが必要でした」 新組織を構成するのは年齢や性別、キャリアもバラバラな パートナー社員、 正社員、 そして北電からの出向社員である。 「これまで個人で完結していた業務でしたが、 今後はどうやっ て仲間と仕事をしていくのか。チーム、会社全体の仕事と認 識し、立場の垣根を越えて共有化していかねばなりません。 意識改革をする上でまず必要だったのがビジョンだったんで す」 (石井社長) この料金部門のビジョン策定は 2010 年下期からスタート し、 JMAC が加わった。約 1 年掛けメンバーの思いのこもっ たビジョンが出来上がった。 しかし、それを推進するのは、さまざまな出身の社員た ちだ。 「ビジョン」という言葉自体何を意味するのかとい うレベルからのスタートだった。 「ビジョンをわかりやす く説明するために、 例えば登山を例に話をしたりしました。 山頂が見えていても、道の途中でいろいろなことが起きた り、天候が変わったりもしますね。そういうことに対処し つつ、山から目を離さないのがビジョンを持つということ なんです」 (鈴木氏) 料金部門のビジョンは、 中期的な 「ありたい姿」 として 「私
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