ビジネスインサイツ50
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「ST 活動」を浸透させるため、中心となって活 動を推進した事務局メンバーの皆さん (左から) 鈴木氏、葭内氏、船木氏、佐藤氏、岡本氏
よしうち
たいものは何なのか?それは 『称賛と提案』 ではないかと。 しかも中長期ビジョンのサブタイトルが『~成長(S)を 確かな (T) ものに~』 なんですね。 『称賛 (S) と提案 (T) 』 の頭文字をアルファベットにした時、なんと ST と合致す るじゃないかって!それはもう盛り上がって『ST 活動』 というネーミングに決まったんです」 (岡本氏) ではここで具体的に「ST 活動」について触れておこう。 まず 5、6 人が 1 チームとなり、 「6 つの価値観・行動宣言」 を念頭に置いたチーム目標を設定する。さらに個人目標を 服の胸や袖に着けて、社内やお客さまへの宣言として日々 実行に移している。 「最初は ST 活動、自主的な活動と言っても、何をやれ ばよいかわからないという声が多かったんです。難しく考 えるんじゃなく、日々自分やチームができること、例えば 『いつも笑顔でいます』 『必ず挨拶をします』など簡単なも のから始めましょうと。それを「スモールスタート・ス モールゴール」 という “キーワード” で示しました。また、 ここの事業所ではこんな素晴らしい取組みをしているよと か、いい事例を出し合えばいいんだとお話しました。それ は面白い、それだったらできるかもしれないと皆が思うよ うになり、今では現場の推進リーダー自ら情報を送ってく れるようになりました」 (岡本氏) そうして生まれたのが ST 活動の取組みを記事にしたト ピックス通信「Short Talk」 (このタイトルも「S」と「T」 にこだわっている) 。発案したのは岡本氏。良い事例を形 にして伝えずにはいられなかったという。現在 42 号まで 発行され、今では掲載されることが社員のモチベーション アップにつながるなど、積極的な ST 活動のバックアップ
に一役かっている。
会議の在り方を一変させた 「ファシリテーション」
また、ST 活動を推進していく上で導入したのが「ファ シリテーション」の姿勢とスキルだ。まずは各事業所の推 進リーダー全員に向けた研修が行われ、その後順次その下 のチームリーダー層を対象に継続して行われている。ワー クショップ形式のこの研修は、職場で実施される ST チー ムミーティング (30 ~ 60 分) で、 リーダーがどのようにチー ムメンバー自身が自分の感情も含めて自由に分かち合うこ とに貢献できるのかを目的とした実践研修である。 「これまで会議といえば、誰かが発言して、それに対し て意見を出すというパターン。だいたい発言する人は決 まっていたんです。それが、ワークショップで付箋を使い 必ずそれぞれが発言し、 意見を出すわけです。批判はせず、 最後に発言者へ拍手。 動きがあり面白いなと思いましたね」 と話すのは、料金部 料金計画課長 佐藤宏昭氏だ。 「最初は『拍手するの?』というとまどいの雰囲気だっ たのが、今では誰かが発言すると自然と拍手が沸き起こ るんです」と JMAC の笠井も話す。また、お客さまサー ビス事業部 料金部長 葭内(よしうち)保志氏も「ワー クショップは宣言なんです。例えば課長会議でもワーク ショップを取入れていますが、課長全員が私はこうするん だと皆の前で宣言するわけですから、宣言するだけの覚悟 も生まれます」と本ワークショップを高く評価している。
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