ビジネスインサイツ50
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な知恵やノウハウが共有化される中、結果的 に成果となって現れてきたのが業務品質向上 だ。先にエピソードを上げた「誤検針」にし ても、 「カイロで温める」といったノウハウを 共有することで、誤検針の低減に繋がってい るという。 また、労災事故も劇的に件数が減っている。 「冬になる前に、安全衛生活動をみんなで共有 しました。凍結路面を『ペンギン歩き』で歩 いたらいいとか坂道は『カニ歩き』がいい等 さまざまな実体験や工夫が出てきたんです。 その影響もあるかもしれませんが単純な転倒 事故は少なくなりました」 (岡本氏) ST 活動は事故や誤検針を減らすという職場改善のため にやっている訳ではない。ただ、活動を継続する中で「心 と態度の一致の習慣」が身に付き、結果的に業務品質向上 につながっているのだと鈴木氏は強調する。 最後にパートナーである JMAC について鈴木氏はこう 語る。 「あくまでも『素材』は我々の中にあり、それを筋 立てで整理してくれたのが JMAC。主役は我々であり、 自分達でビジョンを作り上げたと感じられるようにサポー トしてくれた点がよかったですね。また、 『こうあるべき』 という押し付けではなく、 『今はこういう状態なんですね』 という現状把握から始まるんです。そこのアプローチが現 場の納得感に繋がったと思います」 ロジカルな部分も重要だが、実際に行動に移す時に大切 になるのはエモーショナルな部分だ。JMAC の支援はそ の両方を備えていると評価する。 パートナー社員は地元に根差す地域住民たちだ。彼らが生 き生き働くことは結果的に地域貢献につながり、ひいては 電力会社の使命にもつながることだろう。 「社長になった時、 私が社内報に書いたのは『仕事は明るく楽しく元気よく』と いうことでした。ST 活動はそのひとつだと思いますが、み んな一緒に仕事をやっていく、やっていることが楽しみに なってくれれば最高ですね」と石井社長は話す。 北の大地で奮闘する同社。これまで ST 活動を通し培われ た組織力と団結力で、 更なる高い山の頂を目指し続けている。
心理的エンパワー(力を引き出す)の要素
自分達はできる
自己効力感
自己決定感
心理的エンパワー
影響感
よい影響を与えている
自らが選択し、決めている
有意味感
やっていることに意義、意味がある
担 当 コ ン サ ル タ ントからの一言
“率直”な提案が人・
を醸成する!
チームの意識や行動
仲間への期待を持った
人 ・ チームの “土台” があってこそ 『エンパワー』 状態がつくられる
多くの企業では“人・チーム”が力を最大限に発揮し、よい組織文化をつくり、経 営成果を獲得することを目指し日々努力されています。しかし、 “人・チーム”が力 を発揮できている状態=「エンパワー」状態を実現するために必要な“土台”がな い状況で努力を続けている企業が多数見受けられます。継続的に“人・チーム”の 力が発揮される土台として、 『称賛と提案』があります。 『称賛』とは金銭的および 非金銭的な報酬が含まれ、仲間に存在を認められること自体が報酬になりえます。 加えて大切なのが相手への期待から生まれる率直な『提案』です。ほくでんサービ ス様では、この両輪を職場でまわして“人・チーム”で協力しあう意識を高め、行 動を促進することに繋がったのだと思います。
チーフ・コンサルタント
笠井 洋
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