ビジネスインサイツ50
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業転換により役割がガラッと変わったことで、カスタマー サービスのメンバーにも大変な努力と変革を要しました。 もちろん、変革と一言でいっても、モノ売りからコト売 りへという事業構造の変革は人材の再教育も、組織の再設 計も伴います。長年 50 年近く慣れ親しんだ事業から、 まっ たく 180 度違う事業をやっていく訳ですから、それはも う会社の文化まで変えるような大きな変革でした。
ソリューションは、我々の中にもあるということです。 自社の生産サイドで起きている問題を理解し、 解決せずに、 顧客に対して問題を聞きだし、ソリューションを提供でき るでしょうか。自社や自分の業務の中で日常的に課題を発 見したり、さまざまな気づきを持ち、改善するという繰り 返しの中でこそ、 そのような能力は培われると思うんです。 さらにもう一つが、C レベルコンタクトです。これはい わゆる CEO、CIO、CFO といったトップレベルへのアプ ローチです。基本的にソリューションサービスとなってき ますと、 「機械を1台買ってください」という次元の話で はなくなります。業務プロセスの変革を伴い、今までの仕 事のやり方をガラッとかえてもらうとなると、ボトムアッ プ営業だけでは難しい面があります。しかも、大きな経営 課題を掌握されているのはそういう C レベルの方なんで すね。ですから、当社の執行役員には皆、担当するお客様 を持たせています。やっと今、その仕掛けも成果を上げる ようになってきたところです。
「言行一致」がお客様の 課題解決につながる
鈴木:製品革新も事業変革も、共通項は「お客様」だと仰 いました。そのお客様の課題や悩みを分析してソリュー ションを提案し、新たな価値提供を図る上での具体的な方 針や課題解決のアプローチについてお聞かせください。 山本:弊社では毎年年度初めに経営方針を出しています。 2011 年は「Go to Customers」と定めました。実は当社 は基本的に毎年新たな経営方針を挙げてきましたが、この 「Go to Customers」は 2009 年から 3 年継続しました。つ まり、まだお客様のもとに行っていないと。それは、行く だけではダメだということなのです。 例えばある製造メーカーのお客様にしても、図面のよう な出力系の仕事がある開発部門だったり、コピーを扱う総 務部門だったり、従来はそういった使ってくださっている 部門に足しげく通っていたところがあります。しかし、お 客様の経営改革やソリューションを目的とした時、企画や 情報システム、営業部門なども対象となるわけで、管理部 門や関係部門の方だけ訪問しても不十分、これでは新たな 気づき、 提案に繋がらないのです。それを社員に言い続け、 この経営方針を3年継続しました。 また、全社運動で「言行一致」を掲げました。当社はコ ピーや価値を顧客に提供するメーカーです。例えば自動車 や医薬品メーカーにしても、何かしらの価値をつくり顧客 に提供しているわけです。だから我々も図面をつくること が最終目標ではないでしょうと。使いやすい複写機を安く 作れることが価値創造の一つの最終プロセスであり、やが て物ができれば在庫管理も必要ですし、リードタイムの問 題、品質、コスト、原価低減など、どの製造メーカーも同 様の悩みや問題を抱えているはずです。つまり提供できる
目指すは信頼される 「エクセレントカンパニー」
鈴木: 「言行一致」は素晴らしい取組みですね。お客様に自社 の例をあげて提案する上でも、社内の改革は重要ですが、具 体的にはどのような改革に取組まれているのでしょうか。 山本:2012 年度の経営方針は「Challenge for Excellent Company」と定めました。 「言行一致」の究極は、エクセ レントカンパニーに行きつくと思うんです。社員の士気が 低く、会社は赤字で減収減益。そんな会社がいくらかっこ いいことを言っても、誰も耳を貸しませんよね。 例えばモノづくり企業だったら、 「あなたの会社はさて おき、この商品だけはいいね」と言って買ってくれるお客 さんもいるかもしれません。ですがひとたび、我々は「課 題解決の富士ゼロックス」と謳い、 生産性向上や環境構築、 コミュニケーション改善を提案するときに、じゃあそう言 うあなたの会社はどうなんだ?と問われるのは当然でしょ う。部下やチームのモチベーションが低い会社が、顧客満 足を実現できるはずがありません。 2012 年 度 は「 自 ら 考 え、 行 動 す る 」 人 材 育 成 に 向 け、イノベーションや業務改革に挑戦する行動を積極的
2014年 2月14日 (金) に山本氏をお迎えし 「JMACトップセミナー」 を開催いたします。詳細は巻末のinformationをご覧下さい。
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