ビジネスインサイツ50
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Tadahito Yamamoto
山本 忠人
1945 年 1968 年 1968 年 1994 年 1996 年 2002 年 2007 年
神奈川県生まれ 山梨大学工学部卒業 富士ゼロックス株式会社入社 取締役 VIP 事業部長に就任 常務取締役に就任 代表取締役専務執行役員に就任 代表取締役社長に就任
に評価する仕組みを導入しました。言うまでもなく ES (Employee Satisfaction)は経営の基盤です。従業員が生 き生きと働ける企業づくりができて初めて、顧客満足につ ながると考えています。
ん。当社も例えば中国では、現地のお客様の声を徹底して 集め、 企画開発したデジタル複合機 「DocuCentre S シリー ズ」が大変好調で、マーケットシェアを格段に伸ばしてい ます。 大切なのはその国の文化や商習慣、 地域ニーズにマッ チした現地マーケティング、つまり「グローカル」ではな いでしょうか。
「直販体制」の強みを生かし 「グローカル」に海外展開
鈴木 : 今、 御社では海外でも現地ニーズに合わせた「グロー カル化」 に積極的に取組まれ、 シェアを伸ばしていらっしゃ います。具体的な内容についてお聞かせください。 山本:当社の特徴は直販体制があるということ。具体的に 言いますと、直接保守サービス、直接販売を持つメーカー であることが一つの強みだと考えています。例えば今、経 済が右肩上がりで勢いのあるベトナムなどでは、日本企業 もさることながら、韓国、台湾、中国等外資系企業の進出 が急増しています。 単純なコピーとは違い、ソリューションやアウトソーシン グサービスといった、より高い価値を求める顧客のニーズに 応えるためには、ベトナムの現行営業だけでは賄えない面も あります。そういうハイブリッドな部分については、日本人 営業のグローバル教育も含め、多くの若手を海外に出してソ リューション、グローバル営業に取組んでいるところです。 グローバル化と一言にいっても、欧米向け機械の一部の 機能を削ぎ落とし安く作っても売れるわけではありませ
イノベーションと社員力向上 こそマネジメントの鍵
鈴木:最後に、山本社長からこれからの日本の経営者、次 世代を担う経営幹部に向けたメッセージをお願いします。 山本:やはり基本はイノベーションです。常日頃から改善 を図り自社の変革に取組んでいないと、たとえ条件的に良 い時期があったとしても、取り巻く環境が大きく転換すれ ばいずれダメになってしまうでしょう。私はいつも「課題 発見能力を持て」と社員に言っていますが、それは会社と いう器だけでは何もできないと考えるからです。お客様と の接点を持つのは社員であり、 社員の集合体が組織であり、 会社ですから。要は「人」なんです。 大局観を持って時代の潮流をみながら、社員力を磨き、 いかに能力を引き出すか。それが我々マネジメントの重要 な役割であると思います。その上に絶え間ない革新、イノ ベーションを積み重ねてこそ、真のエクセレントカンパ ニーへ繋がるのだと思います。
鈴木亨の
対談を終えて
顧
ひとこと
客にソリューションを提供するためには、自社の課題解決を推進しその能力 を高めていくという「言行一致」の考え方、これは山本社長の経営方針実現
に向けた強い想いやブレのない一貫性の現れだと思いました。会社の舵取りを担う TOP たるもの向かうべき方向性の提示と、自らそこに至るまでの具体的なアクショ ンを牽引する意思の重要性を改めて認識させていただきました。
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