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- Human & Organization
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を起こすようになった人が出てきたのも確かだ。そういう 人たちが中心となり、 周りをけん引していった。また、 室長、 室長補佐の人たちが顧客と直接接する機会を増やし、その 中で問題や課題にぶち当たった時はチームや周囲に相談す るなど、組織として連携が取れてきたと川島氏は NTC の 風土の変化を肌で感じている。 2012 年度の宿泊研修後のアンケートでは「わくわく Work」の取組みで NTC の風土が変わったか?という問い に対し、ほとんどの人が「変わった」または「変わりつつ ある」と答えたという。 「この 3 年はいろいろ我慢もしまし たが、たった 3 年で会社の風土を変えられるなんて、それ 自体すごいことだと思っています」 と、 山村氏は目を細める。 今では自発的に勉強会をしようというメールが飛び交っ たり、拠点を超えたワーキンググループで悩みを解決する など、会社全体の風土が変わりつつあることを誰もが実感 として感じられるようになってきているのだ。
また、ノウハウや事例の蓄積と活用目的で「NTC ナレッ ジ」という DB を立ち上げた。これまで人の経験や知識の 中に留まっていた技術やノウハウは継承して初めて価値を もたらす。それを組織にきっちり残し、活用していくこと を目指している。 「現時点では、こちらが載せる情報は見て くれているかもしれませんが、まだ自分達でこういう風に DB をつくっていこうとか、提案してもらう段階までには 至っていません。これからいいものになってくれると期待 しています」 (山村氏) さらに DB に付随して、これまで文書だった作業手順書 を動画に撮って DB に載せる取組みも推進中だ。文章で読 んでもわからないことが、実際に動画で手順を見れば一目 瞭然ということは多いためだ。 「新入社員の育成など、ある程度彼らが戦力となるまでの 教育期間は現場で皆の負担になっていたんです。例えば動 画を見てもらってから説明すると、時間的な負担も減りま すし、理解度も違います。今後そういう活用にもつなげた いと思います」 (川﨑氏) 現時点で目指すべきゴールの半分をやっと超えたのではな いかと話す川﨑氏。 「将来的に、この人に相談したらなんで も解決してくれる…そんな NTC の顔になるような人が何人 か出てきてほしいと思っています」と今後の抱負を語る。 やったことがない、難解な分析だからこそ NTC にお願 いしようとお客さまに言っていただけるよう、信頼される 企業ブランドづくりに向け、これからも NTC の全社をあ げた取組みは続いていく。お客さまと一緒に考え、自ら提 案し、共に発展する NTC の今後が楽しみだ。
目指すゴールは見えてきた!信 頼される NTC を目指して
こうして、組織基盤という土台が築かれる中、新たに NTC が取組み始めたことがある。その一つが「工程管理シ ステム」の導入だ。これまで各室単位でやっていた工程管 理を全社で見える化し、今どの案件がどの段階にあるのか という情報を共有し、生産性向上を狙うものだ。最初は試 験的に数パターンで運用し、2014 年度に本格導入を検討し ているところだ。
行動を
変えていく。
一人ひとりの
語り合いが
腹に落とす
担 当 コ ンサルタントからの一言
「語り合い」で各人・各層の思いをつなぐ
今回は生産性向上が求められた中での取組みでした。まず第一歩目 に腰を据えて取組んだのが、組織基盤の強化でした。職場や階層の
異なる人が各人どんな思いや可能性を持ち、不安を抱えて仕事をしているの
か。泥臭い取組みながら、 経営、 現場の思い、 期待、 可能性を語り合い、 「Would」 吉野 克彦 「Should」 「Could」の関係を地道につなぐ場を作り、丹念に紡いでいくこと が生産性の高い一致団結した組織づくりに繋がったと思います。風土は一日 にして変わらず。しかし、地道な取組みを日々続けることで、よき物語が生 まれ出し、風土も気づけば大きく変わっていくものです。
チーフ・コンサルタント
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