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- Asianization
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リアとは違う中国でその運営をし、品質を安定させ定着化 させることは想像以上に厳しいものであった。 中 国 法 人 設 立 後 に着任し 2013 年 10 月まで General Manager を務めた Andrea Amaini 氏は、当時を振り返 り「着任前に前任者からは、製造についてどのように把握 するか、経理の会計管理の仕方などについては何も説明が なく、ただ文化の違いに配慮するようにとだけ言われまし た。あわせて『中国での礼儀作法』という本を、中国赴任 前に社長の Renato Casappa 氏から渡されました。読んで みると、その時点ではサービスやマーケティングの仕事を する人に相応しい内容で、製造業、製造計画の遂行はイタ リアで行っていたことと同じように推進すればよいのだか ら、自分には当てはまらないという感想でした」と語る。 しかし、着任後その考えは大きく覆される。 「今なら、 中国で会社を運営しビジネスを行う上で難しいこと、そ れは一番に『文化の違い』を挙げたいと思います」と Amaini 氏は笑うが、それほど中国での文化の違いは手ご わいものだった。
制を作り直す必要があった。Amaini 氏は、中国の現実と 直面し模索する中で、この課題に共に臨むパートナーを探 し始める。その際イタリア本社から候補として挙がった 1 社が JMAC であった。製造業での支援実績と、世界のど の地域でも同じサービス提供ができる点、中国での競争力 が判断基準となった。そして決め手となったのが、並行し ながら次に進める予定の製造現場の生産性向上に関する知 見、特にリーン生産にも特化し、両方の課題を関連づけた 施策の提供が可能だったことだ。
改革始動!鍵は 「中国人マネージャー」変革にあり
2012 年 4 月 Amaini 氏が改革に向け JMAC と動き出す。 まず始めにリーン生産に関するワークショップ型研修、そ の後もリーン・マネジメントに関する実務研修を JMAC の支援を受け実施。並行して人材マネジメントに関する改 革にも着手。人材マネジメント改革では JMAC の人材マ ネジメント診断プログラムにもとづき中国人マネージャー に対してアンケート、 インタビューを行い診断が行われた。
壁となった「チーム」より 「個」を重視する風土
何が異なっていたのか、それは中国ではグループやチー ムよりも個人を優先させる特性があるということだった。 「ヨーロッパや今までに経験のある国では、問題に対して チームで対処し、共にその問題について議論するのが常で した。 しかし中国ではそれが難しい。 中国人メンバーはチー ムで働くことに慣れていないかったのです」と Amaini 氏 は振り返る。 中国では一般的によく聞く話だが、 中国人の社員から 「な ぜチームとして他の人と働くことが大事なのか?」 とか 「な ぜチームワークが重要なのか?」といった質問を受けると いう。中国のことわざに「中国人は一人では龍、十人にな ると虫になる」というものがあるが、チームで物事を進め るという概念が薄いということを理解したうえで事業を運 営しなければならない。 Amaini 氏は、着任後ほどなく数人の中国人マネー ジャーが退職するという経験をした。そのうちの一人は職 務に適さない人材を配置転換したところ退職したという。 中国人マネージャー層の立直しを図るために採用を行 い、実務のマネージャー層がチームとして仕事ができる体
▲ CASAPPA 社の製造部品
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