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創 業 : 1921 年(大正 10 年) 資 本 金 : 45,591 百万円(平成 25 年 3 月 31 日現在) 従業員数 : 連結 : 41,714 名 (平成 25 年 3 月 31 日現在) 単独 : 10,651 名 (平成 25 年 3 月 31 日現在) 主な事業内容:ステアリングシステム、軸受、駆動部品、 工作機械、電子制御機器などの製造・販売
トヨタ自動車時代、生産技術畑で長らくトヨタ流ものづく りを牽引し、最終的に副社長としてものづくり基盤を支え られてきた現(株)ジェイテクト新美会長。世界をリード するトヨタ流ものづくりの原点やその根幹、また、北米で の豊富な経営経験を踏まえ、新美流マネジメント・経営哲 学についてお話しをお聞きした。
新美 篤志
ということと、 「少し調子がよくなってきたからといって そこに安住するんじゃなく、条件を厳しくして次の課題に 取組みなさい」ということが言いたかったわけです。要は 「今の実力で何が一番ムダが少ないかを考える」ことが大 事で、レベルが上がればさらに条件を厳しくし、同じよう に考える。その繰り返しで常によりベターな状態を追求す ることこそ大切だということなんです。それがトヨタのも のづくりの原点だと思います。 のを作ってしまったという反省がまずあるわけです。
取締役会長
大切なことは「一つずつ作る(ロットで作らない) 」こと、 そして「売れるスピードで作る」ことです。そのために少量 でも大量に作るのと同じ原価で作れるよう追求する。 そして、 一つずつ流れるように作り、しかも売れるスピードで作ると なると、不良は出せない訳ですよ。だから不良が出たらその 原因をひとつずつ地道に解析して手を打つ。そして、誰が見 ても無駄がわかるように表面化させる仕組みを生産システム の中に仕掛ける必要があった。その為にいろいろな道具がつ くり出されてきました。そのひとつが 「かんばん」 なんです。 また、よく先輩達に言われたのは「お前の眼は節穴か」 という言葉です。 「あれはなんだ?」と指摘され、自分の 目で見て考えてみろと。それで考えて「わかりました。こ うです」と説明すると、 「じゃあどうしたらよいんだ?」 と言う風な問答になる訳です。要は「こうこうしなさい」 ではなく、考えさせて答えを自分で導き出させてこそ人は 成長するということなんですね。 トヨタでは「創意工夫」という提案制度があるんですが、 その制度を始めた時に募集した会社代表標語で「よい品 よ い考え」というフレーズがあります。よい考え方に基づい て物事、仕事をしないとよい物はできない。よい考えとは、 例えば「安心、安全」とか、使っていただくお客様の立場 からよい品とは何なのかを探求し続けるという考えじゃな
Atushi Niimi
知恵を絞るから よい品ができる
鈴木:トヨタ流ものづくりは世界をリードし続けるトヨタ の根幹です。その基本的な考え方をお聞かせください。 新美:トヨタには「7つの無駄」という言葉があります。動 作の無駄、在庫の無駄、加工そのものの無駄など全部で7つ ありますが、中でも「作りすぎの無駄」が一番ダメだと言っ ています。世界的に見て、在庫は財務上資産としてカウント するでしょう。トヨタも米国式財務諸表に準じているのでそ うしていますが、実のところ生産部隊はあれは不良在庫だと 思っているんです。エネルギーも人件費も使っていらないも
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