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ミュニケーションが数年前と明らかに違う」と感じてい る一人だ。 「顔は知っていても話したことがなかった方も、 5S 活動を通じて、コミュニケーションが図れるようにな りいい環境になっています」と言う。また、品質管理部試 験課 本橋伸一氏も「部署柄いつも試験棟にばかりいて現 場を知らなかったので、現場を知ることで試験のデータの 取り方を工夫したり、お互いに協力する体制ができてきま した」と話す。同じく品質管理課の佐藤智美氏は「初めは やらされ感があったが、だんだんと日頃個人レベルで困っ ていること等を 5S 活動の中で取り入れようと提案するよ うになり、活動そのものが進化してきている」と成果を口 にする。 また、3 ヶ月 1 タームのテーマの中間・最終発表の場で は、当初は 10 分程度の発表時間を 15 分に伸ばしてほし いと事務局にオーダーがあるなど、現場から自発的な声も あがってきている。それも成果の一つだと原田氏は目を細 める。
岩武氏は言う。 「仕組みで事故は防げると言いますが、 最後の砦はやっぱり人。安全とはまさにそうで人の意識を 変えないと実現できないものです。この活動はそのための 土壌づくりであり、個々の能力を引き出し、一体感を生み 出すものです。それができて初めて、仕事も正確にアウト プットされると思うんです」 また、原田氏は「自分の職場は自分で守り、常にきれい に、そして効率を上げていくための維持管理が自発的にで きることこそありたい姿です。それがまた安全文化の定着 へとつながっていくと思います」とゴールを見据える。 誰に言われなくても、自ら率先して整理整頓する。それ は会社のみならず、家でも地域社会でも同様にだ。それを 教え刷り込んでいくことこそ 5S 活動の意義であり、安心 で、きれいで、事故がなく、見える化されていろんな改善 がなされている職場づくりをすることは結果的に企業の差 別化、ひいては競争力へとつながっていくわけだ。 最後に JMAC に対し岩武氏はこう述べる。 「外部の目 から見て当社のレベル感はどうなのか。内部にはない視点 から当社が強化すべき点を今後も遠慮なく言ってもらいた い。そしてこれまで通り現場第一主義で我々の進化の過程 をフォローしてもらいたいですね」 出光ルブテクノの取組みはまだ目指すべきゴールの道半 ばであるが、 5S 活動を通し全社一丸となって “見せる工場” を目標にさらなる進化を目指して行く。
目指すゴールは 「安全文化」の定着だ
こうして 5S 活動始動から 3 年が経過した。1 クール 10 チームとして単純計算すると、3 年で 120 に上るテーマ数 となり、これは協力会社を含めほぼ全員が何らかの形で取 組んだという計算だ。その中で、職場の風通しの良さや一 体感を感じられるようになったのは、皆それぞれが体感し ている成果だろう。だが、この先さらにルブテクノが目指 すゴールがあり、今はまだその通過点に過ぎない。
5Sの真の 成果はメンバーの 考え方の変化です
担 当 コ ンサルタントからの一言
チーフ・コンサルタント
“経営者の強い信念と継続”が 5S活動成功のカギ!
5Sに取組んでいる事業所も多いと思いますが、実際にうまく進捗していないと いう話も耳にします。出光ルブテクノ様で成功されているポイントは、関連会社 も含め、経営トップの方々の「この活動を成功させる」という、ゆるぎない信念 と率先垂範があったからです。会社の壁を越えベクトルを合わせるためには、時 間を要しましたが、活動への思いを一つにしたことが成功へのカギとなりました。 また、事務局を含め活動体制を明確に構築し、どのような意見があろうとも挫折 することなく継続推進したことが成功へと繋がっています。
芝田 邦夫
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