ビジネスインサイツ54
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熱意を持っている、このことを言葉よりもむしろ行動で 感じてほしい、という強い思いがありました」と森氏は 語る。 TPM 活動は、トップがどう引っ張っていくかによって その成果が決まる。信念と熱意を持って従業員に背中を 見せ続ける。この強い思いこそが従業員の心を動かすの だ。忙しい中、 森氏はこれをやり遂げた。 「後任の総経理も、 このやり方を理解して引き継いでくれました。トップが 思いを繋いでいるからこそ、TPM 活動が継続しているの だと思います」とトップの関わりの重要性を語る。
▲TPM 活動宣言の半年後、全従業員が揃ってキックオフ大会を開催
ルだと思います。要は適用方法が成功の鍵になると思い ます」と森氏。
アジアから全世界へ〜勝ち残る 工場づくりを目指して
森氏は「中国はビジネス環境自体が伸びているという 追い風もありますが、我々の武器といえる高機能の商品、 お客様に認めていただけるような高品質な商品をつくり 続ける力が広州工場にはあると思います。そのベースを 支えているのが TPM 活動ではないかと思います」と分 析する。 そして 2014 年初めには広州工場とは兄弟工場になる蘇 州工場と上海工場にも TPM 活動を導入した。森氏は 「TPM 活動の様々な手法をその工場に合わせて適用する 柔軟な視点が重要ではないでしょうか。TPM は万能ツー
さらに、うまく推進できないケースとしては「グロー バルも含めて全工場一律に同じやり方、同じペースで進 めていくというアプローチである」とも語る。たとえば、 TPM 活動を受け入れるベースが元々あるところとないと ころでは進め方が異なる。国や置かれている環境、そし て現場の悩みによっても違ってくる。万能ツールゆえに 実情に応じたアレンジが必要となる。日本やアジアで TPM 活動を行うときには、特にこの視点が重要だと森氏 は指摘する。 「個人の成長なくして、会社の成長なし」中国における パナソニック流 TPM 活動で培われたノウハウは世界へ と広がっていく。
成功の秘訣
接する事が
階層別の目線で
担 当 コ ン サルタントからの一言
現地の歴史を知り、風土を理解する
海外では、 日本と同じやり方を押し付けてはうまく行きません。現地に合っ た改善活動が必要なのです。 その為には現地の歴史、風土を学び理解する事はとても大事な事です。 中国では個人主義が強いと言いますが、それは戦いの歴史に明け暮れた民 族の防衛策でもあるのです。彼らは自分の成長につながる事にはとても熱 心に取り組みます。パナソニック広州工場の歩みを見るとそれを印象付け る事がたくさんありました。TPM 活動で、設備が変わっていくのを見て人 が変わる。そんな彼らの姿を見ると、成長欲は万国共通なのだとつくづく 思います。
TPMコンサルタント
岩切 廣海
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