ビジネスインサイツ54
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創 立:1936年 2月6日 資 本 金:1,353億円 (2014年3月31日現在) 従業員数:108,195名 (2014年3月31日現在) 主な事業内容: M FP(マルチファンクションプリンター)、複写機、 プリンター、プロダクションプリンター、サーマルメディア、 光学機器、半導体、電装ユニット、デジタルカメラ等
株式会社リコーは 1936 年、理研感光紙株式会社として 設立。複合機、IT サービス、カメラなどを中心に世界 200 ケ国以上で地域に密着した事業活動を展開してい る。2007 年4月、株式会社リコーの社長に就任した近 藤史朗氏は、その直後からグローバルな構造改革に着手 する。また一方で、長年培ってきた画像事業を核に新た な展開を推進している。その改革のご苦労や新規事業開 発の考え方をお伺いした。
代表取締役 会長執行役員
近藤 史朗
利益水準を維持、向上させていくためには、「今を稼 ぐ販売と未来に稼ぐためのマーケティングの立て直し」 が喫緊の課題でした。実は社長就任当初から販売をはじ め、開発、生産、本社部門と多岐にわたる構造改革プロ ジェクトを複数走らせましたが、一見すると従来の水準 に比べればかなりの利益が出ている状況ですから、現場 はなかなか動かなかったですね。 そこに2008年のリーマン・ブラザーズ社の破綻に端を 発する世界金融危機が起こり、その後業績が大きく悪化 しました。これは大変なことでしたが、この危機意識を 改革のパワーへと変換するのは今しかないとも思いまし た。ここから、一人ひとりの意識や推進体制を変えて大 構造改革を再スタートさせたのです。
しました。米国ではそれまでにも1995年のセービン社を 皮切りに、レニエ社、さらには世界中に事業を展開して いたIBM社のデジタル印刷事業も買収しました。 買収を繰り返して複数の会社を1つにまとめたため、買 収後のマネジメントには大変苦労しましたね。当時の米 州極の販売統括会社には多くの組織階層が存在していた ため、マネジメントが健全に機能しませんでした。 買収した海外企業のマネジメントや、ITシステムや業 務プロセスを統合して効率をあげていくことを考えたと き、やはり現地のことは現地の人間にしっかり任せなけ ればならないと感じました。そこで、当時カナダの販売 会社の社長を米州極の販売統括会社のCEOに抜擢しまし た。先に述べた多階層も随分とスリム化され、マネジメ ントはスピーディーに機能するようになっています。 アイコン社に関しては、買収後の統合に多くの労力を 費やしましたが、リコーグループへの融合によってシナ ジーが増大し、現在では安定した収益をあげています。 一番大切なことは収益力を保てるかということです。い つまでも同じ土俵で同じ戦い方をしていては厳しい価格 競争に巻き込まれてしまいます。 こうした買収を通じて、とても多くのことを学びまし た。
Shiro Kondo
グローバルで構造改革 経験を多くの学びに
鈴木:2008年に体制を変えて構造改革を再スタートされ たということですが、具体的にはどのような改革をされ たのでしょうか。 近藤:グローバルでは販売体制を強化するため、2008年8 月に世界最大の事務機器販売会社、米アイコン社を買収
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