ビジネスインサイツ54
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同社は、現在も顧客に差別化した提案を行っているが、 今後、更に新たな提案力の強化を目指していく。そのた めにも、設備マン、保全マン、オペレーター、現場の底 上げがあってこそ、さまざまな提案が可能になるのだ。 宮地氏は「今は基礎を固めている段階です。これからは、 ボトムアップでどんどん意見が出てくるような現場に なってもらいたいですね」と次を見据える。 大山氏は「一人ひとりが考えて、皆で汗をかき知恵を 出す。昔の現場はこうではなかったでしょうか。まだま だ個人が力をつけて行かなければなりませんが、現場の 意識はかなり変わってきています。良い方向に行ってい ると確信しています」と手ごたえを感じている。 コンサルタントの芝田は「各事業所の所長や製造部長 からは、ベテラン社員の保全スキルの伝承や、若手社員 への設備に関する教育などが一時期手薄になり、その状 態で現在まできているという声が多く聞かれました。こ れは、ダイナパックさんだけの課題ではなく、他の日本 企業でも見られる課題だと思います。将来の製造を見据 えて、オペレーターのスキルを向上させるために、じっ くりと継続的に腰を据えた活動を行う必要がある事業所 も多いのではないでしょうか」という。 同社は、中国とベトナムにも工場があるが、本活動の ノウハウを海外工場へ自分達で展開できるようになるこ とも視野に入れている。 きらりと光る中堅企業を目指し、製造現場一丸となって ものづくりの基礎を創る同社。 「包む」技術をベースに経営 トップと現場が一体となったダイナパックの活動は続く。 担 当 コ ン サルタントからの一言
設備の保全を自分達の手で行うオペレーターの方々
今回のテーマのポイント
1.オペレーターは、自主保全活動を通して、 基礎的なスキルを身に付けます。 2.管理職の率先垂範が重要です。 まず、管理職で自主保全のモデル活動を実施します。 3.専門保全部門は予備品の2 S (整理 ・ 整頓) 及び不具合対応 から実施し徐々に予防保全体制の構築へ移行します。
﹁なぜそうしなくては
アップを図りましょう︒
一緒に考えながらレベル
ならないか?﹂ をみんなで︑
全員参加で、現場力の向上を
ダイナパックでは、 設備効率化活動を、 全員参加の活動として進めています。 最近は、各社とも製造現場が以前と比べてかなりスリム化されてきており、 なかなか新しい改善活動に取り組む余裕もなく、これまでの状態を何とか 維持したいというところでしょう。ところが、単に維持であっても、それ をしっかりとした改善活動を経験していないメンバーに伝えていくことは 難しいです。 「なぜそうしなくてはならないか?」についての理解の深さが 異なるからです。以前に基準書は作ったが意味が良く理解されていないた め、 「誤って実行している。 」あるいは「義務的にチェックだけしている。 」 などという状況が見受けられることも多いです。活動を通して、考えても らうことで、理解を深めていくことが必要だと考えます。
シニア・コンサルタント
寺田 厚
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