ビジネスインサイツ55
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組織力と、突き抜けた技術で 次なるステージへ
今年10月経営トップの交代を受け、同社では今までの顧 客を大切にしながらも、新たな分野や技術への挑戦が始 まった。2006年に始まった本活動も、JMACの指導の下 2013年3月まで7期継続したが、2015年からまたJMACが加 わって活動を加速させる予定だ。 吉岡氏は「当社は80年代、90年代とOEMを中心に成長し てきました。しかし、そのビジネスモデルが踊り場に来て います。今年マーケティング&イノベーション部門が新設 されて、新しい分野、技術への挑戦が始まりました。その 実現のためには、今までと違うことにチャレンジする人材 が必要です。実際にそれが出来るポテンシャルを持った、 社会への貢献意識の高いエンジニアが多数いると思ってい ます。2015年からはヴァージョンアップする本活動をきっ かけにして、より組織が活性化して、エンジニアが一丸と なって革新的な技術を生み出していって欲しいと思ってい ます」と大きな期待を持っている。また、岡崎氏は「7期 の活動で、約半数の社員が本活動に参加し既にベースはで きています。JMACにはこのレベルまで行きましょうと、 もっと引張り上げてもらいたいと思っています」とJMAC への期待を語る。 優れた専門性を持ったスペシャリストも多くいる同社だ
が、これからはエンジニアの総力戦が求められ、その力の 発揮、融合も大きな鍵になるという。これからマネジメン ト、スペシャリスト、若手、職場が一体となって議論をし ていく場がますます必要になってくる。 そのために柏木は「今までの活動を通して、組織で課題 を共有化し、解決していくベースはできています。それに 加えて、一人ひとりのエンジニアがお客様と向き合いどう 貢献するか、それにはどんな技術的な進歩をさせていけば 良いのか、ウシオ電機の原点である、強く個性あるエンジ ニアを育てることが求められていると考えています」と来 期の活動には、エンジニアの高い技術力と組織活動の融合 で更に強い開発組織を作ることが必要だと語る。 同社は新たな挑戦に向かい、開発部門の活動も「忙しさ からの脱却」から、「新たなる挑戦」へとギアを上げてい く。活動を進化させ、新たなステージに向かうウシオ電機 のチャレンジが楽しみだ。
組織力を引き出し︑ リーダーシップを 強化する
担 当 コ ン サルタントからの一言
今求められるマネジメントは組織力とリーダーシップの両立
これまでの日本企業の特徴は、担当者に近い目線でコミュニケーションを 取り、日々のプロジェクトの現場に近い視点で意思決定を行うミドルマネ ジメントの強みがあったと思います。しかし技術部門では、これだけでは 担当者とマネージャーの役割分担が不明確になり、変化の激しいプロジェ クトを正しく導き、競争を勝ち抜くことが難しくなってきています。 そこでコミュニケーションや日々のプロジェクトの現場に即して 「組織力」 を引き出しながら、 ありたい姿に向けた迅速な意思決定といった 「リーダー シップ」を両立することが求められています。この両立を日々の実践を通 じて強化することこそ技術者の組織マネジメント改革の要です。
チーフ・コンサルタント
柏木 茂吉
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