ビジネスインサイツ55
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改善前 改善後
モノの 2S 活動による 改善前、改善後の変化
ないリーダーシップと チームへのサポートがあ りました。そして芝田さ んは我々の考えを受入れ てくれたうえで的確なア ドバイスをくれて熱意あ る指導をしてくれまし
かし、ここまでは当たり前レベルです。1 年位活動を続け ると、もうトライアルのテーマがないというチームもあ りました。もっと自分達で考えるような活動へと質を上 げていきたいと芝田さんに相談しました」という。 芝田は「これまでの活動でチーム内の業務の共有化、組 織での問題解決など、コミュニケーションが良くなり改革 へのベースは出来たと思いました。活動の質を上げるため には、マネージャーがもっと変わることが求められ、そし て一人ひとりがプロスタッフとして何をすべきかを考える 力をつけることが必要と考えました。そこで、 マネージャー が中心となって自分の部署における業務の あるべき姿 を描いて、現在とのギャップを埋めるために業務を見直し 業務内容を変えると共に、個々のスキルを向上させる、そ んな改革活動が必要だと提案しました」と語る。 活動は、 第3ステップ「自部門の業務改革」 、 第4ステッ
▲小山 勉氏
た。メンバーはとにかくやってみようと動きだし、少し ずつ成果となって表れてきました」とトップの関わりの 重要性も指摘する。 安部氏は3ケ月に1度の診断には必ず参加し、検討会 の場にも時間が許す限り顔を出して現場の進捗をしっか り把握している。
自分達で考えるからこそ意味がある あるべき姿
当初メンバーの不安に対して、 「とにかく信じてやって みて欲しい」という安部氏の言葉からスタートした本活 動だが、次第にマネージャーや、メンバーの意識や行動 に変化が表れ始めた。そして徐々に業務に関する定量的 な成果も出だした。約半年後の 2011 年 4 月時点、 「モノ の 2S 活動」では不要物を徹底的に排除した結果、廃棄物 は 26 トンに及んだ。また「情報の 2S 活動」では紙ファ イル 6486 冊を廃棄、削減率は 86%、電子データは 1 テラ バイトの削減に繋がった。 そして、活動を通じチーム内の情報共有、業務内容の共 有化が進むことで、メンバーには余力も生まれ、業務工数 の削減やリードタイム短縮などの効率化も進んで行った。 安部氏は「活動でペーパーレスの定着や、残業時間の 減少、意識や行動の変化など一定の成果が出ました。し
プ「関連部門連携による業務改革」とテーマをステップ アップしていった。
腑に落ちる 納得感ある活動 だから組織の改革が加速する
マネージャーを中心に考えられた あるべき姿 は、安 部氏の承認を得られるまで、繰り返し打合せが重ねられて いった。安部氏は「 あるべき姿 を描くまで、早いチー ムで3ケ月、 1年掛かって OK を出したチームもあります。 それだけ真剣に、スローガンではなく地に足の着いた自分 達の あるべき姿 を考えて欲しいと思いました」という。 そしてマネージャー層も納得感のある活動で成果を実感し ていった。山下氏は「今まで自分達の本来の役割を考えた ことはありませんでした。存在意義や付加価値、質ってな んだと自分達に問いかけ何回も議論を重ねる中で、仕事に
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