ビジネスインサイツ55
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対する考え方自体が大きく変わりました。 あるべき姿 を描くことも大切ですが、そこにどれだけ近づきたいか自 分達の本気度が問われると思いました」部門の方向性が はっきりし、属人化からサポートし合え、工場に貢献する 業務を実施する組織へと変わって行ったという。 本来の目指す姿に近づいてきているというのは毎熊氏だ。 「今まで不良の火消しをすることが自分達の役割だと思って いるメンバーが多かったと思います。真のサポートの姿は 何かと考えました。業務に対する意識が変わり、仕組みも 変えて、現場と解決のコミュニケーションを取りながら予 防対策が打てるように変わっていきました」 (毎熊氏)
芝田は「間接部門のス タッフは言われたことを 忠実に実行することは優 れています。しかし、グ ローバル展開をしている 富士電機さんにおいて は、海外スタッフと連携
▲早川 文吾氏
していくためにも、自ら考えて、行動できるスタンスが 必要不可欠です。元々優秀な皆さんですので、それを最 大限発揮するポテンシャルはあると思います」と役割の 幅の広がりも示唆する。 2010 年からの活動を振り返り、及第点を付ける安部氏 だが「メンバーは意識や考え方が変化し、行動も変わっ
松本工場が 世界の拠点をリードする
本活動は 2012 年から開発部門にも展開され、電子デバ イス事業本部の全体活動として展開している。 2013 年からは、富士電機の全社活動として始まった 「Pro‑7 活動」 の一環として本活動の内容を継承し、海外に も活動範囲を拡大した。海外での展開に関して、松本工場 生産企画部 SC 改革課 早川 文吾氏は「 『Pro‑7』の活動とな り海外にも展開を始めていますが、国民性を理解し、モチ ベーションがどこにあるのかを探りながら推進していま す。ローカルのマネージャーの理解はまだこれからの課題 です」という。
てきており、 期待以上に成果を出してくれました。しかし、 他の企業が行っている改善活動(QC 活動)に比べるとま だまだ差があると思います。全国のトップレベルと戦え るレベルに活動を高め、全富士電機のモデルになるくら い成長して欲しいと思っています。そのためには、プロ スタッフとして何をすべきか、マネージャーだけでなく メンバー全員にそういう意識を持ち続けてもらいたいと 考えています」と世界拠点のモデルとなるような活動を 目指している。 「楽しくアウトプットを出す挑戦をして欲しい」とも語 る安部工場長を中心に、富士電機松本工場の間接部門に おける業務品質改善活動は、更なるステップアップを目 指し挑戦し続けている。
忘れてはいけません
地道な土台作りを
改革を実現するには︑
担 当 コ ン サルタントからの一言
各活動を徹底したからこそ、あるべき姿が実現できます
富士電機では、 「あるべき姿」を目指した活動を今は行っていますが、そ の前には2Sを基本としたステップ活動を2年ほど実施しました。当初 は活動に対する温度差がありましたが、工場長のブレない信念もあり、 徐々に全グループが活動に対して真剣に徹底的に取り組み、大きな成果 を出してきました。だからこそ、管理職を含め多くのメンバーの考え方 や行動、職場内のコミュニケーションが変化し、あるべき姿を狙えるよ うになったのです。職場の改革を実施するためには、まずは基本的な活 動を徹底して行い、土台をしっかり固めることが重要です。
チーフ・コンサルタント
芝田 邦夫
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