ビジネスインサイツ57
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が必要と感じ、手挙げ方式でメンバーの多くを募った。 研修には 9 人のメンバーが集まり、5 回の座学とディス カッションを中心に、 最後に発表の場を設けるというゴー ルも設定し、 「未来構想&マスタープラン作成」実践活動 は 2013 年 8 月からスタートした。 今回の活動を支援したチーフ・コンサルタントの山中 淳一は「最初は皆さんこういった活動に慣れていないこ ともあり、不安でいっぱいの雰囲気でした。ただ、参加 に自主性を重んじられたこともあって、 『何か持って帰ろ う』 という意欲の強さを感じました」 と当初の印象を語る。
手を挙げました」と語る。 自身を高めようとする意識を持ったメンバーであった が、 ストレッチした未来 を生み出すことは予想以上に きつい作業だったという。林氏は「これまで経験してい た研修は座学で教えてもらう場でした。今回の活動は、 最初にとにかくアイデアを出し、ひたすら発散し続ける 場でした。アイデア 1000 個を出すことが宿題になり、明 け方まで考え続ける日々が続いて、とにかくしんどかっ た。しかし、自ら手を動かし、説明して、メンバーから も様々な意見を貰ってまた考えるという場にいられたこ とは、とても自分にとってプラスになりました」という。 林氏は、 現在もフォーマットの一つである 「仮想カタログ」 を使用し、自分の頭の整理、未来の顧客への価値が不足 している点をしっかり見直す機会に役立てている。 藤田氏も「研修中は辛かったですね。まず考える癖付けが できていなくて、 自分でもアイデアの真価を問いますし、 ディ スカッションでもメンバーから切り込まれます。目の前の問 題に向き合わざるを得ない状況でした。これほど、塗料の価 値は何なのか、どうすれば塗料の価値を上げていくことがで きるのか考えたことはありませんでした」と話す。
きつい でも この活動を利用しよう
この研修の参加者のひとり、事業開発プロジェクト リーダー 林 泰弘氏は「私は 2013 年 4 月にFP部に異動 してきました。それまで 開 発 や 技 術 開発 と 商 品 開発 いった技術畑で、新たな 事業を生み出すことに携 わってこなかったため、 全く自分の型がない中も がき苦しんでいました。
▲林 泰弘 氏
メンバーに 個性と主張が出てきた
山中は「通常の研修ではインプットだけになりがちです が、今回は実践研修ですので、とにかく一人ひとりにとこ とん考えてもらうこと、そして、チームで議論し考えると いう2つの考えるを大切にしました。その中では『仮想カ タログ』を作成することでディティールまで描き、詳細の つじつまを検証すること、また顧客の力も借りて価値を検 証する巻き込みも大切にしました」とその意図を語る。 古森氏は「 『仮想カタログ』を作りましょうという課題 だと、こなすための『仮想カタログ』を作る受け身になり がちです。今回は始めにアイデアを出しましょう、次に 1000 個のアイデアを出しましょうというスタイルでした。
業務も忙しい中での研修は負荷を感じましたが、それよ りも新たな自分の一面を引き出せる場はプラスになるだ ろうと思い、むしろこの機会を積極的に利用してみよう と決意して参加しました」と振り返る。 また、事業開発プロジェクト 空間デザインチーム アシ スタントマネージャー 藤田 恭子氏は「私も異動してきて 1年目で、それまで人事 部、労働組合といった事 務方を担当してきました ので、マーケティングも わからない状況でした。 その中で事業を提案して いくためには、走りなが
▲藤田 恭子 氏
すると面白いことにその人のやりたいことが出てきて、個 性をうまく引き出せる形になったと感じました。今年は新 たなメンバーで自走していますが、ディスカッションをし
ら勉強していかなくてはならないと悩んでいる中、今回 の研修の話を聞きました。すぐに是非やらせてほしいと
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