ビジネスインサイツ57
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ている時には事業化に近そうだと考えているアイデアで も、いざ仮想カタログという一枚の絵にしてみると、足り ない要素が多数出てくるのです。事業化には何が必要なの か、障壁は何か、どう乗り越えなければならないかまで広 く深く考えることで、非常にスキルアップができたと思っ ています」と考え抜くことの重要性を感じている。 メンバーの変化を感じている山本氏は「メンバーは自 分なりに考え抜いたアイデアを出してきますが、まだま だ荒削りですのでダメ出しをする場面もあります。なぜ ダメなのか、こんな風にアレンジしたら良いのではない か、外部のこんな意見もある、と検証もしてきます。自 分の意見を主張できるようになったことは、今までにな い大きな変化です。またリーダー層も、自らが生み出す 苦労を経験していますので、従来と違う目線で指導がで きていると変化を感じています」とメンバーが自信を付 けたこと、その成長が何よりも成果だという。
なりました」と声を揃える。 山本氏は「我々は、被塗物があって初めて活きる塗料 の特性から、いつの間にかお客様に応えようという意識 が強くなり、新しいものを生み出す土壌が衰えてきてい たのだと思います。新しいものを生み出すことは難しい 挑戦ですが、あえてそこに挑んでいます。山中さんには、 資料のまとめ方、情報の取り方、整理の仕方など、基本 的なところから丁寧に教えていただきました。1年目は 考え方・進め方を一度詰め込んで、今はそれを消化して 血肉にしている段階だと思っています」と活動を継続さ せることで本物の風土になると語る。 そして「これからは、知恵で戦っていかなくてはならな い時代、今までと違う視点、違う知恵の出し方が求められ ると思います。その知恵をお客様にも提供しながら次を 作っていく、それは簡単なことではありませんが、挑戦し 続けていきたいと思っています」と未来を見据える。 そのような取り組みの一つが内装の塗料化という提案 だ。 実は日本には戦後に培われた壁紙文化がある。 これは、 早く家を建てるため、簡単に短時間で貼れる壁紙を使用 す る 日 本 独 自 の 住 宅 文 化 だ。藤 田 氏 は 現 在 ROOMBLOOM というブランドに携わり、今回の取り組 みの経験も踏まえ、新たな選択肢や豊かな生活の提案を することで文化の創造に取り組んでいる。 業界のリーディングカンパニーとして業界を牽引して きた同社は、2014 年 10 月から、日本ペイントホールディ ングスに商号を変更し、日本のパイオニアから世界の日 本ペイントになろうと新たな挑戦を始めている。
人の成長が新しいものを 生み出す原動力になる
JMAC の指導に関してメンバーは、 「議論の場ではじっ くりと自分たちの中にあるものを引き出してもらえたと 思います。併せて、毎回出る宿題に対して私たちが提出 した資料に、メールで丁寧に答えていただき大変参考に
担当コンサルタントからの一言
自分事化をとおして
じぶんごとか
壁 を突破する
「未来構想」手法は、 壁 を突破する有効なアプローチです。ここでは 手法を使う側の人に目を向けて補足をします。 今回の活動では、テーマ発案者、討議メンバーともに「製品・サービス を使う人の側」に立って真摯に考えることを大切にしました。 新たな製品 ・ サービスを検討する場面では、ややもすると独りよがりに、 また、 他人事になりがちです。テーマを 「自分事」 として考え、 誰が (who) 、 なぜ(why) 、何を(what) 、どのように(how)をセットで考えること が必要です。
な ら な い よ う に
が w h a t だ け に
﹁ 私 は 〇 〇 し た い ﹂
チ ー フ ・ コ ン サ ル タ ン ト
山 中 淳 一
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