ビジネスインサイツ57
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次は収益力の回復だ
に結び付けた大きな要因は、しっかりと意見を言える事 務局の存在とその成長、そして現場のミドルクラスの意 識が徐々に変わってきたことだ。 新酒氏は「今回は主軸の製造現場に絞った活動としま
当初一人ひとりは一所懸命に仕事に取り組んでいるが、 チーム、組織、経営というベクトルを合わせた視点が弱 かった同社だったが、中西は「今回の活動で皆さん全体 最適という視点ができたと思います。これまでは、自部 門しか見ていない傾向が強かった。今は全体を良くする にはという視点で議論をされているところが大きな変化 だと感じます。全社としては見える化が進み生産性の向 上が進みました。ただ、これを維持するのは人材です。 更に人材の育成をすることが今後の課題でもあります」 という。 JMAC は社員のように考え、動いて、実務にも関わっ てくれる。コンサルティングのイメージを 180 度変えて くれたという新酒氏は「この 10 年でベテランが定年退職 を迎え、世代交代が進んで 40 代が現場を引張っていくよ うになりましたが、 今までこうしていた という固定概 念が染みついていました。JMAC と活動をすることで、 一気に殻が破れ、 なぜこうしているのか といった問題 発見型に変わりました。 でも、 まだ殻から出てきたところ、 これから成虫になるための現場マネジメントの強化を更 にお願いしているところです」という。 そして新酒氏、中西が共通して言うのは、活動を成果
したが、製造現場が成長し営業と両輪で対応していける ベースができました。次はこれを全社の活動とすること、 そして未着手の経営課題にも取り組まなければなりませ ん。更なるミドルクラスの意識改革、マネジメントレベ ルの向上、人材の成長がなければこれは達成できません」 とこれからの方向性を語る。 同社は人材の成長を武器に、更なる飛躍に動き出して いる。
担当コンサルタントからの一言
ど う 描 く か !
シ ナ リ オ を
成 果 達 成
二つの可視化による現場のやる気向上がカギ
今回のポイントは、二つの可視化に尽きます。ひとつは、会社の実 態及び全社から見た課題と打ち手の可視化。もうひとつは、成果と その達成度の可視化。この二つの可視化が、高い目標設定を克服し なければならない状況で、早期かつ着実な収益改善を推し進める原 動力になりました。 特に、後者の成果の可視化においては、どんなに小さな成果でも明 確化、 共有化することで、 現場の 「やればできる」 という自信を創出し、 活動の納得感を向上させていきました。そしてその達成感が、次第 に改善活動の突破口となり、結果として個別最適ではなく、全社視 点での高い目標の課題に挑戦する意識、やる気に繋がりました。
シ ニ ア ・ コ ン サ ル タ ン ト
中 西 博 紀
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